『白山社』名古屋市熱田区

熱田区木之免町

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大瀬子橋から国道一号線白鳥橋まで伸びる短い一本道に秋葉社が連なる

秋葉ストリートから東の住宅地の一画に『白山社』は鎮座します

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住宅街の一画にエアーポケットの様にポツンと開いた空間
そこには鳥居と社号標を構え、玉砂利が敷き詰められた北に延びる参道の先に社が三つ鎮座しています
白山社は霊峰白山を聖地と崇める山岳信仰の一つ

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参道には一対の狛犬が、なぜだか金網で覆われたその姿は若干異様でもある

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境内右の手水鉢

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狛犬の先には常夜灯が連なる

白山社の歴史について1317年(文保元年)熱田の祭主であった牧権太輔奉忠の後室が奉忠の死後、尾張国旗屋村に亀命寺として創建された事から始まります

1352年~1355年(文和年間)に地蔵院へ寺号を改めたとされ、『尾張名所図会』にも地蔵院の記述は残り、往時には大きな伽藍を持っていたようで、当時の境内には十王堂や火打神社などがあり、木之免町に鎮座する白山社は地蔵院の鎮守のために白山大権現を勧請したものと云われます

戦国時代に寺勢は衰え荒廃し、1576年(天正4)田中村(現在の熱田区白鳥3辺り)に再興される事となりますが、白山社だけはこの地に留まり、ここ木之免町の氏神様として現在まで守り継がれて来たようです
熱田区白鳥に再興された地蔵院は大戦により伽藍を焼失し廃寺の道を辿り、現在はその名残を忍ばせる痕跡はありません

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集合住宅を背に佇む三社全景、中央の白山社の両脇の小さな社は表札もなく詳細は分かりません

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参拝を終え、社から鳥居方向の眺め
常夜灯は1922年(大正11)と昭和に入り建之されたもの

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境内で過去を辿れる物は玉垣(右)に1871年(明治4)と刻まれているものが一番古いものと思います

再興の際に白山社が木之免町に留まった理由は分かりませんが、その事が明暗を分ける結果になった様です
住宅に囲まれたエアーポケットから、木之免町の氏子達を見守り続けているようにも見えます

『白山社』
創建 / 不明
祭神 / 菊理媛命
住所 / 名古屋市熱田区木之免町303
アクセス / ​​ 市営地下鉄名城線「伝馬町」下車⇒景清社⇒社宮司社経由で徒歩18分程