駿河国一之宮『富士山本宮浅間大社』

静岡県富士宮市宮町に鎮座する駿河國一之宮『富士山本宮浅間大社』を訪れました

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一之鳥居と静岡県富士山世界遺産センター
2017年に開館したもので、世界遺産を「保護し、保存し、整備し及び将来の世代へ伝えることを確保する」事の要件を満たすために建築された拠点施設で学術調査機能併せ持っています
逆さ富士をイメージした手前の建物は5階構造、内部はらせん状のスロープになっていて5回まで登っていくもので、その間は富士の生い立ち、自然、富士山信仰等の歴史を見ていくものです
天気さえよければ、最上階から雄大で優美な姿の富士を望むことができます

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 センターの前は富士の湧水を張った巨大な水盤があり、建物を写り込ませて逆さ富士を表現した設計

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センターの脇には富士からの恵み、清流「神田川」が流れています
この神田川沿いを上流へ5分程歩いて、お宮横丁を過ぎると『富士山本宮浅間大社』です

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眼前に朱に彩られた巨大な常夜灯と二ノ鳥居

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 仰ぎ見る扁額、その先に霊峰富士・・・・・が望める予定だったが上手くは行かないね

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朱の鳥居から石畳の参道が真っ直ぐに伸びていきます、長い

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石造の三ノ鳥居、ここまで来ると輪橋を渡ったその先の楼門の外観も良く見えてきます

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鳥居前の狛犬(阿形)
少し横長の顔つきは貫禄と風格を感じさせるものです
たとえ背後から矢が放たれたようと、その瞬間を見計らい身を翻す余裕を漂わせています

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吽形
にやついた表情にも見える

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輪橋と鏡池
橋は1915年(大正4)に現在の石造りに改められたそうです

富士山本宮浅間大社源頼朝北条義時武田信玄・勝頼、徳川家康など名だたる武将達から庇護されてきました

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楼門につながる東回廊は右方向の社務所までつながっていきます

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浅間大社社務所

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 境内に掲げられた配置図

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 楼門とその左に手水舎、石段の途中の鉾立石

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 鉾立石
楼門前の石段上にある自然石
明治始めまで行われた山宮御神幸の際に、神鉾を立てるために使われていたそうです

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正面から見た楼門
左の西回廊は祈祷殿へと続きます

楼門
檜皮葺の入母屋造り、二層構造で左右にも扉が付けられています
外・内共に朱で彩られた建物は、とかく派手な印象を受けますが、蟇股や垂木等に彫刻や極彩色が施されていない事もあり、檜皮の色合いがマッチして全体の印象はそれ程派手なものではありません

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 楼門扁額
1819年(文政2)に制作されたもので、盈仁入道親王の御筆と云われます

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楼門の左右の随身
1614年(慶長19)の銘があるそうです
細部は分かりませんが、4世紀を経たものとは思えない綺麗な状態

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 楼門から拝殿

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 社殿全景
1604年家康により造営されたと云われ、当時は本殿、拝殿、舞殿、楼門等の伽藍を持った壮観なものだったようですが、寛永安政等の大地震で被災し、現存するのは本殿、幣殿、拝殿、楼門だけ

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富士本宮浅間大社の起源は社記によると以下
「第7代孝霊天皇の御代、富士山が大噴火をしたため、周辺住民は離散し、荒れ果てた状態が長期に及んだとあります。第11代垂仁天皇はこれを憂い、その3年(前27)に浅間大神を山足の地に祀り山霊を鎮められました。」とあります
富士山を鎮める浅間大神を祀ったのは富士本宮浅間大社が最初とされ、各地の浅間神社総本宮となっています
主祭神 / 木花之佐久夜毘売命(浅間大神)
相殿神 / 瓊々杵尊大山祇神

御神体 / 富士山

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参拝
賽銭箱の棕櫚(しゅろ)の紋
浅間大社の大宮司は代々、富士氏が大宮司を継承していたと云われます
明治に入り神仏分離が進み、大宮司は国が派遣することになり富士氏の継承は終わります
この紋は富士家の家紋で賽銭箱に名残りとして記されています

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拝殿から幣殿、本殿の全景
檜皮葺で朱塗り、極彩色の彩は一部の蟇股や虹梁の彫りに留まります

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拝殿、幣殿、本殿の側面全景
浅間造りの本殿は二層構造、流造の上層が本殿にあたります

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流造の本殿
鰹木は5本、千木の切り口は縦、なので外研ぎ
本殿は木鼻、蟇股等全体に彩色や彫が施され艶やかなもの

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本殿の左右に三之宮と七之宮が祀られています
写真は本殿左の三之宮

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 本殿右の七之宮(右奥)と拝殿右の湧玉池に導く案内板

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 南極の石(右)
第七次南極観測船「ふじ」の乗員が奉納した石で、南極の氷河から地表に流出したもので永年の地吹雪により表面の角が取れこのようになったもの
火山弾(左)
宝永の大噴火で飛んできたとされ、銀杏状の赤黒い石は100㎏
富士山は1707年の宝永の大噴火以降吹いてはいませんが、若い火山である事に間違いありません
そもそも小学校の頃に「死火山、休火山、活火山」と擦り込まれたけれど、もはやそれは死語
こんなものが飛ばない時間を生きたいと願うばかり

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境内の東門から一歩外に出るとそこは湧玉池

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 東門の左に奥に伸びる石畳があります、その先に天神社が祀られています

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今は静かな富士山、そこから地下を流れてきた地下水はここで湧きだしてきます
どこまでも澄んだ湧水は年間を通じ水温は13℃程で安定し、毎秒/2tの湧水量があるそうです
富士は冷水を好む魚には良い環境を与えています
バイカモの揺れる流れの中をニジマスを見かけるのもそうした富士の恵み
神田川を遡るとここに辿り着きます

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水取場、絶える事のない湧水で手を清め、湧玉池を拝みます

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水屋神社
古来より浅間大神の御神徳そのものとされ、霊水として信仰されてきました
湧玉池の畔に湧水を司る神として祀られたのが水屋神社
こちらを参拝する事で水取場の水を持ち帰れるようです

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湧玉池から更に右方向に足を延ばすと稲荷神社を経て厳島神社、参集所に続きますが
今回はここまでとして、楼門をから参道を戻る事にします

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多くの参拝客で賑わった参道の人並みも途切れた様です

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駿河国一之宮『富士山本宮浅間大社御朱印
住所 / 静岡県富士宮市宮町1-1
アクセス / ​新東名「新富士」ICより西富士バイパス経由で神田川観光駐車場まで約15分

番外で次の神社のあるお宮横丁に戻ります

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富士山本宮選麺大社・・・・・?
富士宮やきそば学会直営アンテナショップの前に祀られています、焼きそばの神と言う事か?
かみさんのリクエス富士宮やきそばを食べる事に

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富士宮ソウルフード「焼きそば」
もちっとした麵と甘さを控えたソース、鰯の削り粉の効いた素朴な焼きそば
青魚を苦手とするかみさんですが、抵抗なく食べれたのにはやや驚き
焼きそばの神のおかげでしょうかね

富士宮やきそば学会直営アンテナショップ
住所 / 富士宮市宮町4-23