信濃國一之宮 諏訪大社上社前宮

長野県茅野市宮川

諏訪大社諏訪湖を挟んで南に上社、北に下社があり
茅野市の上社には本宮と前宮、諏訪市の下社には春宮と秋宮の四つの境内社で成り立っています
これら四社全てを参拝する事を「四社参り」と呼び、全ての御朱印を頂くと参拝記念も頂けるそうです
今回は茅野市宮川の「上社前宮」を訪れてきました

全国各地の諏訪神社の総本社として、我が国でも最古の歴史を持つ神社の一つと云われ
水の神、農業の神、風の神として、また軍神として崇められ、地元では古くからお諏訪様として親しまれています
また諏訪大社と言えば7年目毎、寅と申の年に行われる「御柱祭」で知られます

正式には「式年造営御柱大祭」と呼ぶそうで、宝殿の造り替え、また社殿の四隅に「御柱」と呼ばれる樹齢200年程の樅の巨木を曳建てる最大の神事です
諏訪大社を参拝するだけでなく、この四本の御柱を探して回るのも楽しみのひとつ

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諏訪ICを出て、国道152号線茅野市方向へ車で10分も走れば「前宮前」交差点に到着です
駐車場は複数あるようですが、この交差点の角に参拝者無料駐車場があるのでこちらを利用します
交差点の先が表参道の石鳥居
f:id:owari-nagoya55:20191011130913j:plainその駐車場の一画にある「荒玉社」
「新御魂社」とも書くようで、原始農耕の神事として田の神を降し、稲の御霊を祀る社で上社の重要に摂社とされるそうです
この駐車場から徒歩圏内には諏訪大神の母神の高志沼河姫命を祀る、末社の子安社があり、安産祈願で奉納された底の無い柄杓はミシャクジ信仰を感じさせます
他にもスーパーの西外れに小さな石の祠の姫宮社なとが祀られています

f:id:owari-nagoya55:20191011131344j:plain鳥居をくぐり御神体山の守屋山に向かって境内に入ります
まず左に「上社諏訪大社前宮」の社号標

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鳥居をくぐった右、大きな木の根元に祀られた小さな石の祠は「溝上社」
祭神は高志奴奈河比賣命と云われ、ここから東方にある御射山へ詣でる際に最初に参詣する社とされる

f:id:owari-nagoya55:20191011131523j:plain緩い坂に付けられた細い石段の先にニノ鳥居と狛犬が見え始めます
石段の脇が開いているのは御柱を通すためなのでしょうか?

この一帯は諏訪大社大祝の始祖と云われる、有員(ありかず)が大祝の職位について以来、諏訪大社大祝代々の居館であったところで、大祝常駐の殿社を神殿と呼び、神体と同視された
その神殿があった一帯は神原(ごうばら)と呼ばれ、上社の重要な神事のほとんどは神原で行われたそうです

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最初の坂を上るとニノ鳥居前の境内
右手に若御子社、社務所、左に手水舎があり鳥居の先の左に十間廊

境内には内御玉殿、十間廊、御宝社、若御子社、政所社、鶏冠社、柏手社、溝上社、子安社等が祀られています
立派な社殿をイメージしますが、先程の溝上社の様な石の小さな祠が主になります
なので、境内の配置図と案内看板を見落とすと所在は分かり辛く、見落とす事になります

f:id:owari-nagoya55:20191011132128j:plain手水舎と絶え間なく注がれる清水を湛える手水鉢は苔むしています
f:id:owari-nagoya55:20191011132212j:plainニノ鳥居の前を守護する大きな狛犬は精悍な顔つき
実物は写真の印象以上に大きなものです

f:id:owari-nagoya55:20191011132438j:plain若御子社
諏訪明神と崇められる建御名方命の御子達を合祀していると云われ、正月一日には大祝以下神官は、まずこの若御子社を荒玉社と共に参拝したとされ、現在諏訪神社末社

f:id:owari-nagoya55:20191011132520j:plainニノ鳥居をくぐり左手の長い建物が十間廊
古くは神原廊と呼ばれ、中世までは諏訪政庁の場で全ての貢物はこの廊上で大祝の実見に供す場として、舞の宴を行う場として使われたそうです

f:id:owari-nagoya55:20191011132908j:plain内御玉殿
諏訪明神の祖霊が宿ると云われ、御神宝が安置されていた
現在の社殿は昭和7年に改築されたものですが、以前の社殿は天正13年に造営されたもので上社最古の建物
諏訪明神に神体なく大祝をもって神体となす」と云われ、大祝そのものが神格を備えた現身の諏訪明神そのものとされているf:id:owari-nagoya55:20191011132659j:plain御室社
内御玉殿の後方の小高い場所に祀られている
半地下式の土室が造られ、現人神の大祝や神長官の土室が参篭、蛇形のミシャクジ神と共に穴巣始と呼ばれた冬ごもりをした遺跡

f:id:owari-nagoya55:20191011133340j:plain諏訪照雲頼重の供養塔

f:id:owari-nagoya55:20191011133644j:plain前宮へはどこまでも坂が続き、その脇を水眼川の清らかな流れが境内を流れていきます
石畳の突当りが前宮の拝所
参道脇の石像は天保3と読める、1832年のもの

f:id:owari-nagoya55:20191011133821j:plain斜面の一画を整地し建つ前宮
一般的な拝所、拝殿、幣殿、本殿の作りとは少し違って、諏訪大社は拝所と拝殿の構成
ここ前宮のみ本殿を持っています
前宮は上社本宮に対し、それ以前からあった宮なので前宮と呼ぶと云う説もあり
本宮より歴史が古いのかもしれません

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前宮拝所全景
祭神は建御名方命とその妃の八坂刀売命と伝えられ、この奥が墳墓と云われている
周囲は1200年以上の歴史を持つ御柱で四方を囲まれ、立ち入る事が禁じられてきた聖地であり
これを侵すと神罰が下ると云われている
御柱は7年毎に立て替えられ、綿々と今に受け継がれています
現在の社殿の木材は伊勢神宮遷宮の際に下賜された材料で作られ、再利用されている
古い御柱諏訪大社と所縁のある神社に払い下げられたり、絵馬やお守りに使われたりと自然からの恵みは無駄にすることなく使われています

f:id:owari-nagoya55:20191011134314j:plain拝所右の一之御柱
高さは約17㍍の樅の大木
氏子達により八ヶ岳の御小屋山から山出しされ、20㌔近く離れた前宮まで里曳きされてくるので、裏側はすり減った痕跡が見て取れます
上社は山出しは4月2日~4日、里曳きが5月3日~5日
下社は山出しが4月8日~10日、里曳きが5月14日~5月16日
f:id:owari-nagoya55:20191011134730j:plain御柱がなぜ4本なのかは諸説あるようです
右上は一の御柱、右下が四の御柱
左の写真手前が二の御柱とその右奥に三の御柱、何れも綺麗に樹皮が剥がされ艶があります
この一画だけは結界が張られた別世界の如く、四本の御柱が社殿の四隅に立っています

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拝所の右の水神、と右が・・・・・なんだっけ、思い出せない
こんな事にならない様に配置図は一枚とっておきましょう
それにしても、これから迎える紅葉(黄葉かな?)の時期にもう一度訪れたい

随分とかみさんを待たせているので、そろそろ降りていく事にします

f:id:owari-nagoya55:20191011135202j:plain二の鳥居から一の鳥居と表参道方向の眺め、お怒りかな?

f:id:owari-nagoya55:20191011135359j:plain四社巡りの一社目、前宮
御朱印を頂くとこの付箋を入れてくれます、これを4枚集めるとコンプリートとなります
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信濃國一之宮 諏訪大社上社前宮の御朱印
次は本宮を目指します
2019/10/06

住所 / 長野県茅野市宮川2030
アクセス / 諏訪ICを出て、国道152号線経由、茅野市方向へ車で10分