名古屋市南区元柴田西町『櫻ノ宮竜神』

名古屋市南区元柴田西町
名鉄常滑線「柴田」駅で降車、名鉄の高架をくぐり西へ10分程真っすぐ歩きます

f:id:owari-nagoya55:20191024161526j:plain柴田水処理センター修景施設のある「名古屋市上下水道局柴田水処理センター」、その敷地の一画に『櫻ノ宮龍神社』が鎮座します
大きな入口はあくまでも水処理センターの入口です、そこから境内には入れません
神社へは入口東側の道を左に進んでください

f:id:owari-nagoya55:20191024161542j:plain施設東側のフェンスで囲われた擁壁沿いを南に進みます
擁壁の上に社が見えてきます

f:id:owari-nagoya55:20191024161554j:plain擁壁の一部が開かれ、櫻ノ宮龍神の看板と階段が現れます
ここが境内入口

f:id:owari-nagoya55:20191024161605j:plain神社のある周辺一帯は江戸時代中頃まであゆち潟と呼ばれた遠浅の海
上の地図は柴田駅を中心に1891年頃(左)と現在の地図
左の地図に源兵衛新田とあります、その左の赤丸部分が鎮座地になります
水田と僅かに集落があるのみです
柴田駅の東辺りの源兵衛新田は1706年(宝永3)、大高村(現在の緑区)に住んでいた山口源兵衛により作られた新田で当初入植したのは23戸だったと伝えられています

後の1756年(宝暦6)に柴田屋新兵衛により、柴田新田として開発された一帯が櫻ノ龍神のある地域
当時の西端は現在の臨海鉄道のあたりだと云われます
1785年(天明5)の検地の際に天白川右岸(北側)を北柴田新田、左岸(南側)を南柴田新田として分けられ、嘗ての北柴田新田は名古屋市、南柴田新田は東海市となります

以降も天白川は巨大な堤防が延ばされ、海岸線は後退し、水田から住宅地や工業地帯が共存する土地柄に変わってきます
とはいえ、伊勢湾台風の甚大な被害が示すように、海と天白川はこの地と密接に関わり合う土地柄です
この神社はそうした海や天白川からの災い除けを動機に建てられたものと思われます

f:id:owari-nagoya55:20191024161622j:plain階段を上り境内へ、狛犬や鳥居はありません
北を背にして、天白川方向を向いて祀られた社

f:id:owari-nagoya55:20191024161637j:plain境内右に手水舎、左に櫻ノ宮竜神の石碑
中央に神橋の先に社という伽藍
神橋の下は水が流れていますが、施設の水を循環しているのかも?

f:id:owari-nagoya55:20191024161653j:plain龍はたえ間なく清水を注いでいます

f:id:owari-nagoya55:20191024161703j:plain櫻ノ宮竜神石碑
背面には昭和10年(1935)名古屋市建之とある

f:id:owari-nagoya55:20191024161714j:plain神橋を渡り社へ
左右の灯篭が境内で最も古そう、1922年(大正11)と刻まれている

f:id:owari-nagoya55:20191024161729j:plain社全景
参拝させて頂きます
石積みの台は見るからに新しい

f:id:owari-nagoya55:20191024161740j:plain境内左に右から竜神、庚申と並びます
左の碑は風化が進み、何か彫られているようですが分からない

f:id:owari-nagoya55:20191024161753j:plain境内右に大きな石が配されています

こちらの神社の創建、祭神などを表す由緒書きは見当たりません
創建時期は遡っても柴田新田が開発された1756年以降なのは間違いない訳で

1969年に柴田水処理センターができているので、その一画に綺麗にまとめられた境内と、海や川から少し離れたこの場所に竜神を祀る事から、当初からここにあったのではなく、開発に伴いここに遷座した様に思われます
創建は石灯籠に刻まれた年代あたり、伊勢湾台風が1959年(昭和34)に再建なのかも知れません

f:id:owari-nagoya55:20191024161804j:plain柴田水処理センター修景施設前に猫たちが集う
人見知りしない彼は最初は一匹、次に子猫・・・・・次から次に集まってくる
左の子猫は見知らぬおやじに興味津々、遊ぶ気満々

若い頃、当時華やいでいた柴田で飲みまくり、タクシー代もなく名古屋東部の自宅まで歩いて帰った思い出があります
当時賑やかだった駅前辺りも随分と落ち着いた趣となり、新田同様に時の移り変わりと共に姿を変えています
龍神が見守るこの地で変わらないものは海抜くらいでしょうか
2019/10/23


櫻ノ宮竜神
創建 / 不明
祭神 / 不明
住所 / 名古屋市南区元柴田西町2-30
アクセス / ​名鉄常滑線「柴田」駅下車 西へ10分程