若狭國一之宮 『若狭姫神社(下社)』

若狭彦神社(上社)​から県道35号線を東小浜市方向へ車で5分も走れば若狭國一之宮『若狭姫神社(下社)』に到着です。
県道沿いに少ないながら駐車可能なスペースが確保され、私達が訪れた時は空いていたので苦も無く駐車ができました。

f:id:owari-nagoya55:20200122090602j:plain 駐車場と神社の間には細い水路があり、社頭左に社号標と灯篭一対。

f:id:owari-nagoya55:20200122090625j:plain 社頭の灯篭は1774年(安永3)。

f:id:owari-nagoya55:20200122090648j:plainこの辺りは多田ヶ岳の北嶺、小浜から続く平野の南外れに位置し、若狭彦神社に比べ周囲は住宅が多い。
住宅の少ない上社とは違い、下社は人と神社が身近につながる環境。

鳥居前から住宅が並ぶ東の眺め。
良く見れば、その先に石造りの鳥居が見えます、一ノ鳥居です。

後で知ったことですが、この鳥居の脇には社号標と一対の狛犬設置されています。
その狛犬は容姿も個性的で古びたもの、またニノ鳥居に向かう途中にも稲荷社と小さな神社があったようです。一旦戻って一ノ鳥居から境内に進むべきでした。

f:id:owari-nagoya55:20200122090718j:plain 県道から神社全景。

f:id:owari-nagoya55:20200122090740j:plain 社頭右の由緒。
「名称 若狭国一宮、若狭彦神社下社又、若狭姫神社、遠敷神社と称し、上社を併せて若狭彦神社とも上下宮とも称される。延喜式名神大社
祭神 龍宮伝説で知られる豊玉姫命を若狭姫大神と称祀。
所在地 福井県若狭国遠敷郡遠敷村遠敷、昭和26年町村合併に伴い小浜市遠敷となる。
創建 奈良時代養老5年辛酉2月10日、昭和58年より1262年前
祭日 下社 3月10日、上社 10月10日」

目を引いたのは由緒の下に書かれていた「安全運転の誓い」で以下の様に書かれていた。
「自動車は、車体、タイヤの原材料である鉱物、植物、加えてガソリンという天地自然の恩恵、人の尊い勤労で生み出された「神霊の宿る生きもの」、車を買ったらお祓いを受け若狭路を走りましょう」

車をお祓いする意味にはこうした意味合いもあるようです。 

f:id:owari-nagoya55:20200122090810j:plain 石橋から境内の眺め。
鳥居、髄神門、本殿が一直線に並びます。

f:id:owari-nagoya55:20200122090832j:plain 参道に入った左手に手水舎。

f:id:owari-nagoya55:20200122090855j:plain 右に社務所
神職は常駐なので、こちらで上社の御朱印も頂けます。

f:id:owari-nagoya55:20200122090917j:plain 社務所の向かいに北前船の模型が展示され、この地が古くから日本海の交易で栄え、鯖街道の起点となった事を伝えています。

f:id:owari-nagoya55:20200122091007j:plain 髄神門。
上社のものと造りは同じ様です、屋根は全面檜皮が現れています。

f:id:owari-nagoya55:20200122091042j:plain 下社の門も上社同様に左右に四体の随神像が狭い空間に肩並べおさめられています。
祭神のSP、眷属八人を表しています。
文化元年に掲げられた遠敷神社額は黒漆の地に金箔を施したものだったらしい、今は漆も金箔も剥げ落ちています。

f:id:owari-nagoya55:20200122091111j:plain 門前から望む神門、菊の紋が入った紫の神社幕。
乙姫?と所縁があるせいでしょうか女性の参拝客が多いようです。

f:id:owari-nagoya55:20200122091135j:plain 社殿全景。
上社同様の神々しい空気が漂います。
本殿左の御神木「千年杉」幹の太さと樹高の高さ、自然の営みの凄さたるや。
人はこうした自然に何かを感じ、神格化し崇め守り伝えてきています。

f:id:owari-nagoya55:20200122091218j:plain 神門前のこの空間、ここに関して解説はなかったので何とも言えないけれど、過去に拝殿があったのかな?
この灯篭は1692年(元禄5)寄進のもの。

f:id:owari-nagoya55:20200122091242j:plain 板敷回廊で囲まれた四脚門も上社を踏襲しているようです。
苔むした屋根と板敷回廊、落ち着いた外観です。

f:id:owari-nagoya55:20200122091159j:plain 苔の緑が鮮やかな神門から本殿の眺め。

f:id:owari-nagoya55:20200122091315j:plain 参拝を終え、中を窺う、正面に鏡が鈍く輝いています。
創建 / 721年(養老5)
祭神 / 豊玉姫命

f:id:owari-nagoya55:20200122091342j:plain 本殿左方向から流造の本殿。

f:id:owari-nagoya55:20200122091408j:plain 大棟の彫飾りと鬼紋は金色の菊紋。
外観では唯一煌びやかな部分。

f:id:owari-nagoya55:20200122091432j:plain 境内右手の神楽殿
建立された時期は調べきれませんでした。

f:id:owari-nagoya55:20200122091456j:plain 松と竹が描かれているようですが、三面吹き抜けでは退色するのもしかたがないか。
オリジナルに修復された彩りを見てみたいものです。

f:id:owari-nagoya55:20200122091523j:plain 本殿右の玉守社。
杉林の中にポツンと祀られています。
祭神 / 玉守神

f:id:owari-nagoya55:20200122091547j:plain 本殿左、中宮神社。
祭神 / 玉依姫の命(豊玉姫の妹)
神徳 / 子育て守護、福徳円満

f:id:owari-nagoya55:20200122091611j:plain 境内の一番左に夢彦神社、夢姫神
夢を司る神としては全国でここだけだそうです。

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 上
招霊の木
京都御所から明治時代に拝受したもので、祭祀の際に神霊の招請に用いるそうな。

夢彦神社、夢姫神社の左に男根陽石
陰石、子種石、陽石の三種で想像力が豊かな方にだけイメージできるものなのかも。
地上に露出したものか、どこからか運ばれたものか詳細は分かりません。

若狭國一之宮『若狭姫神社(下社)』
千年杉の自然の力強さと神秘さが満ち、自然への畏敬の念を感じる特別な空間です。
住所 / ​福井県小浜市遠敷65-41

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