知多郡南知多町 『中州神社』

知多郡南知多町大字豊浜字中之浦「中州神社」

f:id:owari-nagoya55:20200212160410j:plain 国道247号線の中之浦あたりに差し掛かると、道路沿いに石灯篭と大きな鳥居が目に留まります。
鳥居から先は神社に続く舗装された参道があり、周囲はちょっとした門前通りの趣があります。

この辺りは豊浜「鯛まつり」で知られます。
中州地区の「鯛まつり」の中心は「中洲神社」といっても過言ではないでしょう。
祭りは中州神社の祭礼の添え物として行われ、愛嬌のある顔をした鯛の山車が練り歩き、最後は海で泳がせる漁師町に相応しい男気満載の祭り。

発端は明治の頃に中洲の大工さんが祭礼に「はつかねずみ」の輿を作ったのが始まりとされます。
その後「ねずみ」から他の動物のだし物も造られますが、明治30年頃から漁師の村のということから、土地柄に相応しい海の生き物に代わっていき、現在の「鯛」が造られるようになったのは大正に入ってから、以降「大鯛」が定番になったようです。
神輿の中で御囃子をしながら海上を泳ぐ「大鯛」、現在では豊浜地区と合わせ5匹の赤や黒(黒鯛)が造られ季節の風物詩になっています。

f:id:owari-nagoya55:20200212160443j:plain 「ニノ鳥居」
鳥居先の右手に手水舎、参道の先には三ノ鳥居が見えます。
左に「中洲神社」と記された社号標。

f:id:owari-nagoya55:20200212160510j:plainニノ鳥居から拝殿全景
右手に社号標そこには「中須神社」と刻まれています。
三ノ鳥居の左に石標が二つ。

f:id:owari-nagoya55:20200212160535j:plain 右は忠魂碑、左は社務所新築記念碑。

f:id:owari-nagoya55:20200212160555j:plain 三ノ鳥居を守護する担当は色白で綺麗な容姿をしています。

f:id:owari-nagoya55:20200212160619j:plain 石段の先には拝殿警護担当の顔が見られます。
境内は石垣が三段に盛られ、二段目に四方に庇を持つ入母屋の平入拝殿、左右に覆屋、本殿は三段目。
素木の木造で周囲の景観に溶け込んで趣があります。
本殿後方には山肌が迫り、近頃の大雨や台風の影響が気になる土地柄です。

f:id:owari-nagoya55:20200212160644j:plain 拝殿前担当の面々、こちらも色白。

f:id:owari-nagoya55:20200212160703j:plain 切妻の拝所に掲げられた扁額「中州神社」とあり、社号標は「中須」と記されています。
創建は古く、江戸時代初期まで遡るようです。
当時この辺りは「中須」と呼ばれ、神社も社宮司社と称したようで、地名の「中州神社」に変わったのは明治11年に須佐村と合併後に現在の「中洲」に変わったようなので、扁額の「中州」はそれ以降の拝殿建替え時に揮毫されたものだと思います。

f:id:owari-nagoya55:20200212160732j:plain 創建年度、祭神は不明。
拝殿、幣殿内の眺め、大きな御幣が三つ捧げられています。

f:id:owari-nagoya55:20200212160801j:plain 拝殿左に4社祀られていますが、こちらも山肌が迫っています。

f:id:owari-nagoya55:20200212160826j:plain 覆屋の左に板宮造りの三社、左から春埜社、秋葉神社御嶽神社が祀られています。

f:id:owari-nagoya55:20200212160847j:plain 右に祀られる茅葺で流造の多賀神社は一人部屋。

f:id:owari-nagoya55:20200212160911j:plain 拝殿左から本殿の眺め、全貌は見て取れません。
本殿脇の覆屋に2社が祀られているようで、玉垣の先には小ぶりな狛犬の姿があります。

f:id:owari-nagoya55:20200212160935j:plain 温かみのある石材で彫られた狛犬は、外観は「…ゲットだぜ」のキャラクターの様でもあります。
小さいながら永い年月を経てきた、そんな風貌をしています。

f:id:owari-nagoya55:20200212161001j:plain彼らが守護するのは左の津島神社、右はあまり馴染みのない天泊社宮子。

f:id:owari-nagoya55:20200212161024j:plain 拝殿右の覆屋。
根が成長したのか、根と石垣の間に建てたのか分からないけれど、根の張り方は見事なものです。
それにしても綺麗に積まれた石垣だこと、自分じゃ作れないだけに形にできる職人はさすが。
何積みというのかな、きりこみはぎでいいのかな?

f:id:owari-nagoya55:20200212161050j:plain覆屋内には3社、左から蛭子社、皇人神宮、山ノ神社が祀られていました。
土地柄ですね、屋根は潮風で腐食が進んでいます、しょうがない。

f:id:owari-nagoya55:20200212161112j:plain 本殿右の覆屋に1社。
こちらにも狛犬の姿。

f:id:owari-nagoya55:20200212161135j:plain 左の狛犬とよく似ています、年代を見たいものですが無理ですね。

f:id:owari-nagoya55:20200212161159j:plain 彼らが守護する・・・・・?
ここにもとても小さな狛犬、彼らが最後の要、小粒ながら重責を担っている。
彼らが守護するのは金刀比羅神社、細部には彫飾りが施されています。

f:id:owari-nagoya55:20200212161224j:plain 拝殿前から三ノ鳥居、二ノ鳥居方向を見下ろす。
この先は海。

f:id:owari-nagoya55:20200212161246j:plain 境内で見かけた最も古い年代は灯篭に刻まれた1828年(文政11)。
漁港の前に佇む小さな神社ですが、古くからこの地の守り神です。

f:id:owari-nagoya55:20200212161318j:plain 一ノ鳥居とその先に海、ここから巨大な鯛が泳ぐ姿を見られるのは7月です。

『中州神社』
創建 / 不明
祭神 / 不明
境内社 / 金刀比羅神社津島神社、天泊社宮子、春埜社、秋葉神社御嶽神社、多賀神社、蛭子社、皇人神宮、山ノ神社

住所 / 愛知県知多郡南知多町大字豊浜字中之浦32番
車アクセス / ​南知多道路​「南知多」ICから内海経由、国道247号線で師崎方向に16分程