『乃野神社』

『乃野神社』
知多半島の伊勢湾に面した海岸線沿いに伸びる国道427号線。
国道に面し神社仏閣が多い場所。
それもそのはず、弘法大師所縁の地として江戸末期から八十八寺の霊場を整え、知多四国八十八か所巡礼(番外含め98か所)として今も巡礼に訪れる姿が絶えることはありません。

かみさん自身の直近のテーマが知多四国八十八か所全コンプリートを目指しています。
休みが合えば、送迎を兼ねて、おやじは近隣の神社仏閣を見て回っています。

f:id:owari-nagoya55:20200217110348j:plain『乃野神社』は国道247号線越しに山海港を眺める松林に鎮座します。
国道からは南参道の鳥居が目印になります。

f:id:owari-nagoya55:20200217110409j:plain国道から眺める南参道口。
松を主にした杜は防風林としての役割もあるのでしょう、常夜灯と石段の先に鳥居を構えます。
海辺のせいか、境内は玉砂利ではなく海砂の様です。

f:id:owari-nagoya55:20200217110431j:plain『乃野神社』の表参道は南鳥居の右に奥へ続く道があり、そこを進むと、袴腰が施された趣のある常夜灯が現れます。
その右には「御嶽大神」の石標が建っています。

f:id:owari-nagoya55:20200217110454j:plainこの常夜灯、神社の規模の割にえらく立派なものです。

f:id:owari-nagoya55:20200217110516j:plain常夜灯の左が境内、石段左に「村社 式外 乃野神社」と彫られた社号標。
道路から見た境内の高さはそれほどでもないけれど、こうして見ると随分と高く盛られているのが分かります。
鳥居の先に拝殿が間近に見えています。

f:id:owari-nagoya55:20200217110539j:plain切妻瓦葺のシンプルな拝殿と境内、訪れた方の足跡が残るほど地面は柔らかく砂場のようです。

f:id:owari-nagoya55:20200217110601j:plain境内右に目を移すと右から手水舎、境内社と由緒碑が一列に並びます。

f:id:owari-nagoya55:20200217110621j:plain手水舎、生憎、鉢に清水は満たされていませんでした。

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境内社の後方に複数の石碑が祀られています。
何か書かれていますが目を凝らしても読み取れません。

f:id:owari-nagoya55:20200217110748j:plain境内社は5社祀られ、奥から津島社/庚神社、子安社/山神社、海神社/金刀比羅社、津島社、御嶽社と並びます。

f:id:owari-nagoya55:20200217110809j:plain『乃野神社』
愛知県知多郡南知多町大字山海 式外 乃野神社 祭神 豊受比賣命
「由緒 当神社は本国神明帳に従三位乃野天神内海庄久村神明と称す。
1186年(文治2)3月宣命に依り位階を賜ると所載有り。
又、往古より神明社と称せられたが、1871年(明治4)5月名古屋藩庁より本国神明帳に所載するにあたり、乃野神社と神号を訂正する。豊受比賣命またの御名を萓野比賣命と申し、往古より当跡力蓬ノ繁殖地なることよりしても如何二神慮ノ然をしむる所以なり。
1872年(明治5)村社、1908年(明治41)指定村社、1953年(昭和28)宗教法人認証、神社本庁所属」

外観から想像できなかったけれど、1186年(文治2)には既にこの地に鎮座する長い歴史があるようです。
「蓬ノ繁殖地」のくだり、繁殖地とあるけれど、この辺りで蓬湯や蓬餅は見かけますがよく分からない。
蓬(ヨモギ)は食品や湯舟に入れたり、屋外で応急の止血としたり身近なハーブ、昔の生活には有難い自然の恵みだったのか?、今は雑草と思われているかも。

f:id:owari-nagoya55:20200217110833j:plain本殿左に「天照皇大神神武天皇遥拝」の石標。
目の前に広がる海、その対岸は伊勢神宮なので遥拝所なのでしょう。

f:id:owari-nagoya55:20200217110855j:plain素朴な外観の拝殿。
一対の狛犬が本殿を守護しています。

f:id:owari-nagoya55:20200217110916j:plain昭和初期に奉納された狛犬
街中で見かける色白のものとは違い、日焼けした色合いをしています。

f:id:owari-nagoya55:20200217110934j:plain拝殿から本殿の眺め。

f:id:owari-nagoya55:20200217110954j:plain全貌は窺えませんが、本殿は外研ぎの千木と鰹木が施された流造の様です。

f:id:owari-nagoya55:20200217111015j:plain砂場のような境内全景。
ベンチもあり、潮騒を聞きながら子を遊ばせ、神さまと共に見守るには絶好の場所。

f:id:owari-nagoya55:20200217111036j:plain境内から南の鳥居の眺め。
穏やかな山海港の先は伊勢神宮

f:id:owari-nagoya55:20200217111056j:plain国道脇のスイセンが春を告げています。

『乃野神社』
長い歴史を持つ潮の香りが漂う素朴な神社
創建 / 不明(1186年(文治2)以前?)
祭神 / 豊受比賣命
境内社 / 津島社/庚神社、子安社/山神社、海神社/金刀比羅社、津島社、御嶽社
住所 / 知多郡南知多町大字山海橋詰52
車アクセス / 南知多道路「南知多」ICから内海方面へ​国道247号線経由つぶて浦・荒熊神社経由で15分程