「幸神社」

香川県坂出市加茂町「幸神社」
前回掲載した「鴨廃寺跡」からすぐ近く、北に​徒歩2~3分​の場所に鎮座。

f:id:owari-nagoya55:20200419165337j:plain 背後に見える緑あふれる山は烏帽子山、神社は山の南麓にあたります。
ゆったりとした時間が流れる、牧歌的な光景の中、集落の外れに石鳥居と小ぢんまりとした拝殿が建てられています。境内の一部は公園?で遊具などもあり、車の往来もないので子供達は伸び伸びと遊べる。

f:id:owari-nagoya55:20200419165406j:plain 「幸神社」、個人的に馴染みがないので調べて見ました。
地図からこの神社の建立時期を探ってみました、上がその結果で右が現在です。
左は1984年の当地ですがここには鳥居の印はありません。
地図上に鳥居が表れるのはこの後からでした。

過去より小さな祠などの形で、集落の氏神として祀られていたものでしょう。
「幸」とは「しあわせ」と読みたいところ、こうした社名の神社は瀬戸内海沿岸に複数あるようです。

勝手な推測ですが、発祥は三宝荒神信仰が源で、その土地の先祖や同族神、屋敷神などを崇拝、その土地により、さまざまな神が祀られ、土地の氏神として継がれてきているのが幸神社で、「幸」は荒神の「荒」を表しているのかもしれません。
いずれにせよ、集落のコミュニティーの中心で、身近な存在の神社なのだろう。

f:id:owari-nagoya55:20200419165432j:plain 社頭左に灯篭があり、細い生活道路を挟み拝殿があります。
後方の烏帽子山は「東山」、西を流れる綾川も「加茂川」と呼ぶことがあるようで、なぜか京都に繋がります。
保元の乱で敗れた崇徳上皇は、坂出市のあるこの讃岐に配流され、「雲井御所跡地」で仮住まいします。
そこで京都を思い浮かべ、似た光景にそうした京の呼び名で呼んだようです。

f:id:owari-nagoya55:20200419165457j:plain 灯篭
「天神社」で見かけたものと似ていますが一回り大きい。
自然石を絶妙なバランスで積んだ素朴な灯篭。同じものはない。

f:id:owari-nagoya55:20200419165520j:plain 朝陽で赤く染まる鳥居から拝殿の眺め。
鳥居は封鎖されていました。

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 向拝が設けられた入母屋瓦葺の拝殿。
素朴な外観ですが、瓦に施された飾りが目立たないところで存在感を主張しています。

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f:id:owari-nagoya55:20200419165659j:plain 拝殿正面全景、拝殿に扁額はありません。
鬼瓦には鯱がいる、大棟には龍がいて、蟇股には亀もいる。
水と縁のある飾りが多く見られます。

f:id:owari-nagoya55:20200419165740j:plain 参拝させてもらい拝殿内を窺う。
正面に本殿が見えます。

f:id:owari-nagoya55:20200419165800j:plain 拝殿右の小さな石の祠、詳細は分かりません。
綺麗に手入れされた境内は訪れたものには気持ちがいいがいいものです。

f:id:owari-nagoya55:20200419165824j:plain 社殿横からの眺め。
拝殿から本殿はコンパクトに一つに纏められています。
隅巴の瓦に鯉が描かれています。これも水絡み。

f:id:owari-nagoya55:20200419165848j:plain 社殿後方から外研ぎの千木と2本の鰹木が施された本殿の眺め。
木鼻にも彫飾りは施されています。

f:id:owari-nagoya55:20200419165911j:plain 裏から見る拝殿の大棟には虎の姿があり、縁起のいいキャラがあちらこちらに描かれています、立派な屋根だ。
建立や祭神など何一つ分からない小さな「幸神社」ですが、田園地帯の集落で氏子に支えられ佇む姿は見た目以上に大きなものに見える。

「幸神社」
創建 / 不明
祭神 / 不明
住所 /    香川県坂出市加茂町
車アクセス /  高松自動車道「府中湖スマートIC」から県道184号線⇒県道18号線⇒坂出・丸亀バイパスを超え県道180号線経由。 ​​所要時間約10分程