春日井市上条町3丁目
「延命地蔵」
上条町3の不明社から上条城址に向かう途中の道すがらで見かけた地蔵堂。
狭い交差点の角、民家の敷地の一画を間借りするように建てられた地蔵堂、その奥には案内板らしきものも見える。
場所が場所だけにどうなんだろう、もしや過去の事故の慰霊なのか、せっかくなので寄り道する事にしました。
堂の中には白い石像とお花が供えられています。
縁起には以下の様に書かれていました。
「延命地蔵様を建立することになった由縁は、当時比較的若年層の不幸が町内で続き、あるところへ伺いを立てた所「その昔、池に身を投げた娘の霊がこの地域にある」という事を知りました。
そこで町内会の皆さんと相談した結果、これらに纏わる先人達の霊を慰め、また、若くしてこの世を去った御霊を供養し、合わせてこの地域の人々の延命を祈念するため寄付を募り、昭和57年9月23日に建立されました。
上三町内会では年に一度の良き日に、近隣町内の方や多くの子供達も一緒に延命地蔵様の前で大祭を開催し、町内の安全と厄除けり祈願をしています。
平成17年9月23日 上三町内会」
「その昔、池がこの地域にある」という事なので、少し遡って見ると、上条町内には昭和の初期まで2つの池があったようです。(地図左の丸部分)
現在は埋め立てられ、宅地化され痕跡すらありませんが、調べて見ると庄内川が氾濫した際に出来たとされ、庄内川、内津川の伏流水が湧き出し、池底は非常に深かったそうです。
由緒に記された池とはこの二つ池のどちらかを指しているのかもしれない。
地蔵堂の中には前掛けが掛けられた、白い延命地蔵が一体祀られていました。
表情はとても穏やかで、小さな像ですがこの地域に住む方々の延命の願いを一身に担っている
普段はひっそりと佇む地蔵さま、年に一度の良き日がいつなのか分かりませんがきっと賑やかなのかもしれません。
新しい地蔵さまですが、地域には必要不可欠な存在の様です。
上条町3の「延命地蔵」
建立 / 1982年(昭和57)
住所 / 春日井市上条町3丁目
アクセス / 春日井市上条町3の不明社から南に5分程
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