『花表神社』

名古屋市熱田区花表町『花表神社』

f:id:owari-nagoya55:20200816182303j:plain 熱田神宮の東にあたり、名鉄「神宮前」駅から東に歩き「花表町どんぐりひろば」のすぐ近くに鎮座する神社が花表神社。

住宅街の一画に間口は狭いけれど奥行きのある境内を持つ小さな神社です。
熱田大神」と書かれた青い幟が参道脇に立ち並んでいます。
こうして見ると周囲の街並みに溶け込み、遠くからでは存在は分かりにくい。

f:id:owari-nagoya55:20200816182331j:plain 参道の前に来て初めて神社と分る。
境内を少し入って鳥居が建ち、狛犬と高く積まれた台座の上に覆屋が見て取れる。
街中の神社にしては恵まれた社地を与えられているほうかもしれない。

f:id:owari-nagoya55:20200816182356j:plain 鳥居から境内の眺め、参道はまっすぐ伸びていますが、社を収めた覆屋はなぜか左に寄っています。

f:id:owari-nagoya55:20200816182446j:plain 鳥居に掛けられた「花表神社」の額。
町名が先か神社が先か定かではないけれど、くしくも同じ「花表」。

江戸時代のこの辺りは華表崎「とりいさき」と呼ばれていたそうです。
中国の華表の語源が鳥居を指すと云われ、近くの熱田神宮東門の大鳥居前にあたり、当時は海岸線も近く岬の様なだったため崎が付いて華表崎と表したのではないだろうか。

明治に入ってから「とりいさき」の表記が華表先になったと云われ、昭和の頃に華は
花に変わって花表町となったようです。
由緒書きがないので詳細は分かりませんが、「花表」神社の表記からみると神社の創建は明治以降と思われます。
境内の常夜灯や狛犬などの奉納年度は1933年(昭和8)と刻まれていました。

f:id:owari-nagoya55:20200816182513j:plain 境内に入った参道の右に手水鉢。

f:id:owari-nagoya55:20200816182557j:plain 覆屋が左に寄っている理由がここにきて分かりました。
右に細い小路が奥に続き、その先は公民館へと繋がっています。
そちらの行き来もあり左に寄るしかなかったようです。

f:id:owari-nagoya55:20200816182730j:plain 小さくて白い狛犬が社と公民館を守護しているようです。

f:id:owari-nagoya55:20200816182752j:plain 覆屋の全景。
階段は随分と上に続き、覆屋の前から下を見ると手摺りがないこともあり結構怖いものがあります。
ここから眺める境内、花表の街並みは見おろすような眺望です。

覆屋の中には社が一つ祀られていて、津島神社熱田神宮秋葉神社の三社が祀られているようで、屋根神様の様な雰囲気があります。

f:id:owari-nagoya55:20200816182820j:plainひと昔前のこの辺り、周囲は田んぼが広がっていて、今の様に家が立ち並ぶ様になったのはそれほど古い話ではない。
その過程で屋根神さまが祀られ、町の変貌と花表公民館の設立に併せて、ここに祀られるようになった?
花表町の氏神様として町の変貌と共にここにある、そんな気がしてならない。

f:id:owari-nagoya55:20200816182844j:plain 見上げるような高さの台座の上に祀られた覆屋、社は板塀に囲まれ全容は分かりませんが千木は内削ぎの様に見えます。
今は住宅が周囲を取り囲んでいるものの、花表町を見守るにはこの高さは必要だったのかもしれない。
2020/8/11

『花表神社』
創建 / 不明
祭神 / 不明 (津島神社熱田神宮秋葉神社)
住所 / 名古屋市熱田区花表町16
公共機関アクセス / 名鉄「神宮前」駅下車、東に徒歩5分程