神明大明神

春日井市市場町
江戸時代は尾張国春日井郡下市場村に属し、その後明治、昭和と統廃を繰り返し現在に至るようです。
一貫して残った「下の市場」のワード。
場所は分かりませんが、かって東木戸、西木戸があり境界を設けていたようです、この近くに下街道がある事からこの街道沿線でしょう。
そこには馬市が立ち、市を中心に西の方を下の市場、東の方を上の市場と呼んでいたという。
町名はそこからきているようです。

f:id:owari-nagoya55:20201005072757j:plain神明大明神全景。
南北に長い境内の南に鳥居を構えています。

f:id:owari-nagoya55:20201005072835j:plain鳥居左に神明大明神の社号標。

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北に地蔵川、東に内津川が流れ、二つの川はここから少し南で合流し庄内川へ繋がる、輪中の様な立地に神社は鎮座しています。
左は明治24年のこの地、古くから田園が開かれ村が点在します、神社から西に引いた赤い線は下街道。
つい最近?の40年ほど前、この辺りの印象は結構な田舎だったけれど、現在は宅地整備されその名残はありません。

f:id:owari-nagoya55:20201005072845j:plain鳥居から石畳の参道が続き、大きな樹々の先の拝殿へ続きます。
境内は公園にもなっているようです。

f:id:owari-nagoya55:20201005072855j:plain参道の狛犬

f:id:owari-nagoya55:20201005072906j:plain鳥居の右の覆屋は天王社。
更に右には社務所?と消防団の施設?が隣接しています。
かつての馬市の名残を伝えるように「跳ね馬」の紋が軒下に飾られています。

f:id:owari-nagoya55:20201005072918j:plain大きな樹々の先に拝殿。
外から見る杜は鬱蒼とした印象を受けますが、境内は風の通りもよく、明るい境内。
大半の樹々は市の保存樹として守られています。

f:id:owari-nagoya55:20201005072929j:plain切妻瓦葺の四方吹き抜けの拝殿。
参道はここから二手に別れます。

f:id:owari-nagoya55:20201005072941j:plain拝殿左に手水舎。

f:id:owari-nagoya55:20201005072954j:plain拝殿前を守護する狛犬

f:id:owari-nagoya55:20201005073005j:plain拝殿から本殿方向の眺め。

f:id:owari-nagoya55:20201005073016j:plain拝殿の額は「神明社」、祭神は天照大神
神社の由緒は定かではありませんが、境内の常夜灯に「1863年(文久3)癸亥」の干支が記されている事から、伽藍は綺麗で古さは感じませんが、歴史は意外に古そうです。

f:id:owari-nagoya55:20201005073025j:plain拝殿天井には色鮮やかな花や鳥の天井画が施されています。
この神社の見所かも知れません。

f:id:owari-nagoya55:20201005073047j:plain幣殿は切妻瓦葺の平入で、流造の社が二社祀られています。

f:id:owari-nagoya55:20201005073059j:plainほぼ同じ社が並行して並びます。
手前の千木は外削ぎで2本の鰹木、奥は内削ぎで2本の千木が施されている。
主祭神は恐らく天照大神でしょう。

f:id:owari-nagoya55:20201005073120j:plain本殿後方東から拝殿方向の眺め。
千木の削ぎ方、鰹木の本数で男神、女神が識別てきると云われることがあります、アマテラス自体も男神、女神など諸説あるようです、こうした場合はどう理解すればいいのか困ったものです。

f:id:owari-nagoya55:20201005073323j:plain本殿後方西から拝殿方向の眺め。

f:id:owari-nagoya55:20201005073136j:plain本殿後方には五つの鳥居があり、右側の少し離れた場所で南を向きに、ひと際高い台座の上に冨士浅間神社が祀られています。駿河浅間神社から勧請して奉祀されたものでしょう、詳細は不明です。

f:id:owari-nagoya55:20201005073147j:plainその左に南を向いて三つの鳥居が並びます。

f:id:owari-nagoya55:20201005073201j:plain右の社は金毘羅宮

f:id:owari-nagoya55:20201005073214j:plain中央の赤い鳥居、社の前で狐が守護する稲荷神社。

f:id:owari-nagoya55:20201005073228j:plain左の鳥居の先はこんもり盛られた頂に小さな社と霊神碑が立ち並ぶ御嶽神社

f:id:owari-nagoya55:20201005073242j:plain唯一東向きに建てられた鳥居。

f:id:owari-nagoya55:20201005073257j:plain鳥居の先には御神木?とその傍らに庚申塔が建っています。

f:id:owari-nagoya55:20201005073333j:plain拝殿から鳥居方向の眺め。
手入れが行き届き、陽光が差し込む明るい印象の神明大明神です。
由緒書きは見落としているのかもしれませんが、「こんなものが」と思う気づきがある神社です。

『神明大明神』
創建 / 不明 (常夜灯に「1863年(文久3)癸亥」)
祭神 / 天照大神
境内社 / 天王社、冨士浅間神社金毘羅宮、稲荷神社、御嶽神社
住所 / 春日井市市場町5-2
公共交通機関アクセス / JR中央線「神領」駅から徒歩で約20分