愛知県知多郡美浜町『冨具神社』

愛知県知多郡美浜町野間冨具埼『冨具神社』

f:id:owari-nagoya55:20201230105409j:plain 我家の問題児のナビに冨具神社をセットしたところ、何故だか神社東側の細い山道を登らせ冨具崎公園に導いてくれた。
少しばかり目的地にズレはあったものの、冨具崎公園から眺める野間の街並みと伊勢湾の眺望はなかなかいいものがある。たまには遠景でも眺めて見ればとナビが気を利かせてくれたのだろう。
グーグル先生に尋ねると公園から歩いても10分程、車は公園に駐車して山道を下り神社に向かう。
後で分かった事ですが、冨具崎港沿いを内海方向に走っていれば左側に冨具神社の駐車場がありました。

f:id:owari-nagoya55:20201230105430j:plain 山道を下り集落の先に鳥居が見えてきました。

f:id:owari-nagoya55:20201230105441j:plain 冨具神社社頭。
石の神明鳥居と常夜灯、右に社号標が建っています。

f:id:owari-nagoya55:20201230105452j:plain 石橋を渡ると常夜灯と狛犬、参道はその先から登りの石段が杜の中に続いています。
常夜灯左側の手水鉢と古井戸?

f:id:owari-nagoya55:20201230105505j:plain常夜灯から先は御覧のような石段が続く。
その手前には見慣れない風貌の狛犬が神域を守護しています。

f:id:owari-nagoya55:20201230105627j:plain 顔つきに特徴のある狛犬(嘉永元年)。
双方共に耳が垂れ、阿形は怒らせると鋭利な前歯で噛みついてきそうだ。

f:id:owari-nagoya55:20201230105637j:plainまずは正面の石段から、石段は随分と苔むし、使われている石も古いものの様です。
正面を登り切ると今度は左に続きます。
何段だったか忘れましたが、これだけ登れぱ頂です、後は突き当りを右に進むと社殿に到着です。

f:id:owari-nagoya55:20201230105648j:plain 冨具神社ニノ鳥居から境内の眺め。
鳥居左に手水舎、社務所、正面に拝殿・本殿。
頂きにありながら、やたらと広い境内を持っています。

f:id:owari-nagoya55:20201230105700j:plain 鳥居右に戦役記念敵弾
詳細は語られていないけれど、日清日露戦争の砲弾を記念碑としたようです。

f:id:owari-nagoya55:20201230105718j:plainさざれ石。

f:id:owari-nagoya55:20201230105729j:plain 冨具神社全景。
切妻瓦葺で平入の拝殿、左右に境内社が祀られています。
ニノ鳥居から拝殿にかけて狛犬はいないようです。

f:id:owari-nagoya55:20201230105849j:plain 大きな注連縄が印象的。

f:id:owari-nagoya55:20201230105900j:plain 拝殿内から幣殿、本殿方向の眺め、外見以上に内部は広く、床板はピカピカに輝いています。
近年社殿は一新されているようです。
こちらの祭神は祭神は風神として知られる志那津比古命と志那津比賣命を祀ります。
神社由緒によれば、風宮神社と称された時代もあり嘉永2年に改号された。
創建は明らかではないが、愛知県尾張知多郡旧野間町の総鎮守、総氏神として祭られてきた。
言い伝えで「志那津比古命と志那津比賣命をお祀りし、海上鎮護、風雨の調和、作物豊穣大量満足を祈願するように」お告げをうけて社を設けたようです。

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 古書によれば「従三位冨具神社または冨具天神」。
尾張国神名帳に「智多郡坐明神 天神従三位冨具天神文治二年丙午(1186)三月宣命状國中皆増位階」、尾張史には「冨具ノ社、細目村にあり風ノ宮大明神と称し、ふぐをふうくうと称し風宮となる、当村及び一色村の氏神なり」と記録が残る。
社伝には1509年(永正6)水野氏下野守の再建と記録が残り、尾張名所図会にも描かれるなど、かなりの歴史を持つ神社。
往古より海岸に鎮座する冨具神社は、GPSのない時代に航行する船の見当とされ、伊勢湾の風や潮流による災厄を鎮める神として船人から崇敬され、この沖を航行する舟は必ず片帆を下げ畏敬の念を表したそうです。ポンコツナビの誤差なんぞは道だけの問題、海となれば「ここは何処よ」「魚の宝庫はどこだっけ」となる。

f:id:owari-nagoya55:20201230105911j:plain 拝殿左右に祀られている社。
写真右から山神社、楠宮社、秋葉社、多賀社。
これらも社殿同様に新しいけれど、社務所に伽藍や参道修復の写真が掲げられていましたが、どうやら台風で相当の被害を受けてしまったようです。

f:id:owari-nagoya55:20201230105923j:plain 冨具神社の本殿はなかなか見て取れません。拝殿横から見るに神明造のようです。
社務所に掲げられた由緒もしっかり書かれ、初めて訪れた者にも分かりやすい。
先に見た末社以外にも祀られているようで、社務所左の下り坂を探し歩いてみた。

f:id:owari-nagoya55:20201230105938j:plainアスファルトの整備された裏参道はそのまま国道に通じていました。
 (・・・・・公園に停めた事を後悔)
坂の途中に手水舎。

f:id:owari-nagoya55:20201230105952j:plainここが見落としていた境内社のようで、参道から2段に分かれ社が点在しています。
手前の社は金刀比羅社。

f:id:owari-nagoya55:20201230110135j:plain 樹々の間から伊勢湾が望める高台には社が三社と石像が安置されています。
正面の二社は左から御嶽社、幸宮社が祀られています。
御嶽社の前の石像は覚明行者、普寛行者だろうか。

f:id:owari-nagoya55:20201230110147j:plain 右手の一社は恵比寿社。
参道の向かいにも石段があり、そちらにも向かってみた。

f:id:owari-nagoya55:20201230110205j:plain 古びた石段は二つに分かれ本殿後方に続きます。
そこに祀られていたのは津島社。
裏参道を少し下れば国道に繋がりその先は冨具崎港、国道脇と社務所西に参拝者駐車場もしっかり用意されていました。

f:id:owari-nagoya55:20201230110215j:plainえらい遠回りしたもんだ、ナビがあってもこんなもんだ、これじゃ大海原なんて到底目指せない。
さすがに車までの見当は不要だろう。
車を停めた冨具崎公園まで坂を登るか、その前に正参道の下りの石段が待っている。
2020/10/26

冨具神社
創建 / 不明
祭神 / 志那津比古命、志那津比賣命
境内社 / 山神社、楠宮社、秋葉社、多賀社、御嶽社、幸宮社、金刀比羅社、津島社、
住所 / ​愛知県知多郡美浜町野間冨具埼65
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