「直會神社」長久手市岩作

長久手市岩作五反田
以前掲載した「石作神社」の境外摂社「直會神社」。
石作神社から南西に徒歩10分程の田んぼの中に鎮座する小さな神社。

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田んぼの先の小高い丘が「石作神社」の鎮座地で「石作神社」を訪れた際にこちらの「直會神社」を探したのですがその時は携帯もなく、ポンコツナビには知らないと云われ、辿り着くことができず、そのまま忘れさろうとしてしていた。
かみさんの「イケヤに連れてけ」とのことで、もう一度探して参拝する事を思い出した。

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田んぼの中だから目立ちそうなものだが、こうした区画は小島のように点在するので以外に分かりにくかったりする。

f:id:owari-nagoya55:20210205012148j:plain神社全景。
田んぼの中の小さな交差点の角に玉垣で囲われた神域がある。
車の駐車場所には意外と気を遣う、何せ道路の幅員はさほどなく強引に停めるには気が引ける場所。
主な建物は石の神明鳥居と拝所、手水舎、本殿のようです。

f:id:owari-nagoya55:20210205012208j:plain社頭全景。
長閑な田園風景の中にポツンと鎮座しています。
社頭の厄除祈願の赤い幟と神社幟のお陰で今回はすぐに場所が分かった。

f:id:owari-nagoya55:20210205012231j:plain境内右の「直會神社造営記念碑」そこには以下のように記されている。

「石作神社の摂社で岩作字久手田32番地(現五反田9番地)に鎮座。
大正初期の社地は現在の半分程度で、古墳上の塚地に二・三本の杉の木立があり、樹の根元に四方が二尺五寸(概ね80㌢)ほどの神殿が祭祀してあり、五穀豊穣の神を祀る。
祭神は神道毘命、大道毘命
大祭日は毎年3月、12月の第一日曜日
創建は古く詳細は不明なれど岩作神社の直會の神としてこの地の古墳の上に祀られた。
岩作神社の摂社で同神社大祭終了の際に、御神饌を下げてこちらで「直會の儀」を行い、宮司、氏子総代、村長、区長などが会食をする場であった。
大正15年神社再建に伴い、社地を拡大した。
再建後の3月、12月の大祭には露店も並び、弓道大会等開かれ戦後まで多くの参拝客で賑わった。」

直會(ナオライ)は、祭事の後で神前の供物を下げ、祭祀に関わった者が一同に会し、神さまと共に頂く「ナムリアイ」から来ているようでこうしたイベントが「直會の儀」というようだ。
神さまと同じものを口にすることで、神さまの力を少しでも授かろうというのが狙いのようです。

f:id:owari-nagoya55:20210205012253j:plain社頭から拝所を通し本殿が見通せる。
ここに古墳が存在したようですが、現在の姿から古墳の面影は全く見られない。

f:id:owari-nagoya55:20210205012314j:plain上は境内右手の手水舎。
下は境内左側の石碑と小さな狛犬
奥から浅井菊寿の詠んだ「直会社夜雨」の歌碑があり「枝かはつなき暮らしつつ みやしろの 木々さわがせて 夜雨ふりきぬ」と記されている。
岩作八景とは直會社夜雨、色金山秋月、安昌寺晩鐘、石作社晴嵐、立石池落雁、下田流蛍、平子橋夕照、高根山暮雪を指すようだ。
中央には浅井菊寿の顕彰碑もある。
この地の庄屋の家系で生まれた浅井菊寿(1859~1938)は郷土の歴史を自費で「岩作里誌」と「長久手村誌」等に纏め後世に残した人物。

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拝所前の狛犬
左手の顕彰碑と本殿前に小さな狛犬がいるけれど、それに比べるとまだまだ新しいようです。

f:id:owari-nagoya55:20210205012401j:plain板宮造りの本殿全景。
その前に小柄な狛犬が一対、賽銭箱がここにあるという事は、手前の建物は拝所ではないようだ。
ここで直会の儀が行われるという事だから、直会殿なのか?良く分からない。
まずは参拝しよう、賽銭投入「僅かな賽銭、多くの願い、コロナ退散・菜園豊作・・・・・」

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一面平坦な田んぼの中で五穀豊穣を掌る「直会神社」、以前に比べると随分田んぼも少なくなったのではないかな。

この辺りは1584年長久手の合戦の舞台でもあり、この周辺には寺社以外にも「首塚」や「耳塚」などが点在し見どころは多い。


直會(ナオライ)神社
創建 /   不明
祭神 / 神道毘命 大道毘命
住所 /   ​長久手市岩作五反田9
車アクセス /   田籾名古屋線 県道215号線岩作方面へ、「藪田」信号を超えて左折直進
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