稲置街道を行く 「秋葉教会と玉光稲荷大明神」

橋爪の「津島神社」から犬山城方面に向け稲置街道を北へ。

f:id:owari-nagoya55:20210430004225j:plain街道を横切る名鉄犬山線の踏切、踏切右の駅が「犬山口駅」。
次の目的地は踏切を超え、街道と交わる県道64号線「出来町」交差点の左手前に鎮座する「秋葉三尺坊大権現

f:id:owari-nagoya55:20210430004245j:plain「出来町」交差点の少し手前、街道の名残を感じさせる家並みの中に西に伸びる細い参道があります。
街道からだと「秋葉山」と書かれた黒い常夜灯と黒ずんだ「秋葉三尺坊大士堂」の石標しか目に留まらないかもしれない。
よく見れば細い参道の奥には石の鳥居と赤い鳥居が見えている。
車だと一瞬で通り過ぎてしまい見つけにくいかもしれない。

f:id:owari-nagoya55:20210430004300j:plain石標は即位式記念とあり、大正天皇即位を祝い大正4年に建之のもの。

f:id:owari-nagoya55:20210430004318j:plain

一ノ鳥居から社殿の眺め。両脇には民家が迫り、奥に広まりを感じさせる。
鳥居にも即位記念とある。

f:id:owari-nagoya55:20210430004400j:plain参道左に大正末期に奉納された鬼瓦。
本堂は令和元年に改修を受けたようで、その際保存されたもの。

f:id:owari-nagoya55:20210430004416j:plainニノ鳥居。
手前に手水舎と一対の常夜灯がある。

f:id:owari-nagoya55:20210430004435j:plainニノ鳥居から本堂の眺め、左には赤い幟が見て取れる。
参道から想像もしなかったけれど、奥は南北に広く境内には複数の車が止められていた。
本堂右に県道と接する間口があり、そこから出入りできる様だ。

f:id:owari-nagoya55:20210430004452j:plain境内全景。
二つ目の常夜灯、こちらの常夜灯も外周は倒壊防止の鉄製の枠で囲まれている。
本堂は入母屋瓦葺で、向拝が付き唐破風も施される。

f:id:owari-nagoya55:20210430004508j:plain狛犬は比較的新しく綺麗に彩色されたもの。

f:id:owari-nagoya55:20210430004523j:plain参道に置かれていた大正時代の鬼瓦の意匠と比較すると、現在のものは似ているようで随分と違いがある。
向拝瓦をよく見ると隅には天狗も飾られている。
向拝下の龍の飾りや、さり気なく羽団扇の紋が彫られていたりと、作り手の拘りが伝わってくる。

犬山市寺社一覧によればこちらの由緒について以下のように紹介されています。
真言宗豊山派  秋葉教会
明和元年(1764)薬師寺の秋葉宮を移築し明治14年大士堂と公称、昭和27年改称す
本尊 秋葉三尺坊」
秋葉三尺坊、約1300年前に長野県戸隠で生まれ、蔵王権現堂十二坊の一つ三尺坊で修行を極め、自由自在に火を司る奥義を会得、火防や人々の迷いや苦しみから救ってくれる。

秋葉三尺坊大士堂の石標、法人名が秋葉教会、以降は「秋葉教会」としよう。

f:id:owari-nagoya55:20210430004540j:plain秋葉教会本堂左は玉光稲荷大明神
詳細は不明。

f:id:owari-nagoya55:20210430004556j:plain小さな社ですが手が込んでいて、入母屋に千鳥破風、唐破風向拝が付き、向拝下や廻縁の下などにも彫が施されている。

f:id:owari-nagoya55:20210430004612j:plain本殿域。
手前と奥に狛狐が守護していますが、奥の狐は古びた色合いで首が長く痩せ寂寥感が漂うもの。

f:id:owari-nagoya55:20210430004626j:plain秋葉教会本堂から鳥居方向の眺め。
御神木は楠木、まだまだ大きくなり、やがてこの町のシンボルとなるだろう。
2021/3/9

秋葉教会
創建 / 明和元年(1764)
本尊 / 秋葉三尺坊
所在地 / ​犬山市犬山南古券155-1

​玉光稲荷大明神
創建 / 不明
本尊 / 不明
関連記事 / 

owari-nagoya55.hatenablog.com