春日井市鳥居松町3「神明社」
春日井市の西部に位置し春日井市役所などあり、春日井の中心といってもいいでしょう。
南に下街道が東西に続き、北に平行して国道19号線が伸びる。
鳥居松町3「神明社」は国道19号と下街道に挟まれた中央公園の道路を挟んだ南側に鎮座します。
上の絵の左は1891年頃の当地、緑のラインは下街道で、現在の国道19号線はまだ整備されていない。
この年代にして鳥居が描かれているので建立は古そうです。
町名の「鳥居松」も何か意味深。
由来は幾つかあるようで、その昔この辺りに権現さまの鳥居跡があり、その傍らに松があった事から「とりいまつ」とついたとか、街道沿いに松並木があった事から「とおり まつ」からきているとか諸説あるようですが、現在の鳥居松の街並みで松はお目にかかれない。
訪れたのは8月16日、晴れたいのか雨を降らしたいのかよく分からない空模様。
中央公園南側から「神明社」社地全景。
車の場合駐車場に困るかもしれない、因みに慈眼寺を参拝しそのまま歩いて訪れました。
社頭は下の写真右の細い路地にあり、境内は東西に長い社地。
春日井の中心にあって豊かな杜が残されています。
社頭から境内の眺め。
神明鳥居から参道は真っすぐに伸び、狛犬が守護する拝殿が見通せます。
鳥居右の社号標と由緒標。
由緒標、石の模様が強く、刻まれた文字は見ずらいものがあります。
當神社祭神由緒標には以下の様に刻まれていました。
「 神社名 神明社
祭神 天照大神・豊受比女命
相殿 大山祇命(山神)、祭神 明治大帝(明治神宮)
社格 旧村社
建立 1562年(永禄5)清州神明社勧請
1620年(寛永4)社殿再建
1710年(寛政12)社殿再建
1909年(明治42)字宮西村社祭神天照大神を合祀
1965年(昭和40)都市計画事業に伴い社殿境内地整備
例祭10/17春日井市鳥居松町3丁目 」
とある、かれこれ5世紀に渡りこの地を見守り、人々の崇敬を受け続けて来た神社。
境内全景。
瓦葺の切妻、妻入りの四方吹き抜けの拝殿と右に手水舎、本殿左右に末社の姿が見える。
手水舎から見る境内、右側にも小さな社がある。
手水舎の先には右の末社に続く参道。
鉢は大正12年のもの。
手水舎右の社。
残念ながら詳細は不明、境内社の事が由緒標に記されているとありがたいものです。
妻飾りや鬼瓦には五三の桐紋が入る。
境内は杜に囲まれているが風も通り、空気の淀みのような感じのない明るいもの。
拝殿前の狛犬は目つきの鋭い精悍なもの。
右の境内社。
神明鳥居の先に、幣殿から続く石垣の上に並ぶように鎮座する。
社名札ははなく詳細は不明。
左の境内社。
こちらも右と同様の造りで、詳細は分かりません。
鳥居の建之は昭和40年とある、社殿整備時に建てられたようだ。
拝殿額は賴威靈とある。
伽藍全体に言える事ですが、人目を引き付ける派手さはないけれど、飾り金具などに拘りが感じられます。
拝殿から幣殿、本殿の眺め。
拝殿内右に由緒らしき額があるが今一つ読み取れなかった。
幣殿前には玉取りと子取りの狛犬。
こちらは拝殿の前の狛犬より一回り小さいが、全身は苔の緑に包まれようとしている。
社殿の眺め。
神明造の本殿と瓦葺切妻で平入の幣殿、その先の拝殿が見える。
社頭の鳥居は明治41年の建之。
こうして見る参道は以前はもっと西に延びていた様な印象を受けます。
由緒標にある宮西の神明社もどこなのか定かではなかったが、明治24年の地図にはここから少し西に鳥居が記され、大正に入るとそれは消えていました、現在この辺りには神社は存在していません。
ひょっとすると合祀した宮西村社とはここを指すのかもしれない。
5世紀に渡り受け継がれてきた神社。
その間、周囲の景観は目まぐるしく変貌し続けています。
春日井市鳥居松町3「神明社」
建立 / 1562年(永禄5)
祭神 / 天照大神・豊受比女命
相殿神 / 大山祇命(山神)、明治神宮
境内社 / 三社(不明)
所在地 / 春日井市鳥居松町3-26
関連記事 /
慈眼寺から徒歩ルート / 北東に10分程