如意申新田の「六所社」

稲口町「津島神社」から北に向かい歩く事10分から15分程、春日井市如意申町「六所社」到着だ。

f:id:owari-nagoya55:20211101123252j:plain六所社社頭全景。
如意申(にょいさる)町と読むそうです。
如意と聞くと名古屋市内に住んでいる者から見ると北区の如意を思い浮かべます。

調べて見ると、1661年(寛文元年)に名古屋市北区から移り住んだ人によって最初に新田として開かれたのが六所社の鎮座するあたりだった云う。
それから40年程、新田も広がり、それに伴い村人も増え、村として形成されていきます。
後の1716年(享保元年)に検地が行われ、その年が申年だった事から如意申新田と呼ばれ、現在の如意申町となったようです。
今は社頭南に高校や如意申公園があり、それらを取り囲む様に住宅が広がり、新田の面影は留めていない。唯一、境内西側の「開墾記念碑」がそれがを伝えている。

f:id:owari-nagoya55:20211101123318j:plain社地は南北に長く、桧と落葉樹の杜が囲い、住宅の広がる一帯にあって今では貴重な森かも知れない。
社頭は常夜灯と右に「村社 六所社」の社号標(大正15)が建ち、鳥居(大正4)の先に蕃塀がある。

f:id:owari-nagoya55:20211101123339j:plain参道右側に手水舎があるが水は張られていなかった。

f:id:owari-nagoya55:20211101123406j:plain参道左に目立つ解説板。
十二支の由来と季節を解説するもので、その奥には干支の守護を授かる「幸せの十二支」の石柱が建つ、六所社の鎮座245年を記念し2013年(平成13)に建てられたようです。
六所社の一つの売りかも知れない

f:id:owari-nagoya55:20211101123432j:plain参道に立ちふさがる石の蕃塀(大正14健之)、その先に一対の狛犬と銅葺屋根で四方吹き抜けの妻入り拝殿が続き、後方に幣殿、本殿と続くようです。

f:id:owari-nagoya55:20211101123456j:plain拝殿前の狛犬
歳を伺うのを忘れていたが、派手な彩色を避けた落ち着いた雰囲気が漂う。

f:id:owari-nagoya55:20211101123519j:plain拝殿正面全景、遠目に見ると地味で素朴な印象を持つ外観。
鬼に飾られた神紋は八重の桜の様に見える。

f:id:owari-nagoya55:20211101123541j:plain近寄って見上げると妻壁上面には龍、後方の妻壁には獅子らしき姿の彫り飾りが施され、目立たない所に拘りが見られる。
龍が睨みをきかせている下で六所社参拝。

f:id:owari-nagoya55:20211101123607j:plain境内東の瓦葺の覆屋には檜皮葺の流造の社殿が祀られている。
如意申町の火伏の神「秋葉社

f:id:owari-nagoya55:20211101123632j:plainその左に浅間神社、神明宮、一番左に板宮造りの不明社が祀られている。

f:id:owari-nagoya55:20211101123657j:plain幣殿から本殿方向の眺め。拝殿と幣殿の間には堀が掘られ、石造りの太鼓橋が架かる。
手前に六所社祭神由緒標が建つ。

f:id:owari-nagoya55:20211101123721j:plain
小さいながら石造の立派な太鼓橋。


由緒標から抜粋
「神社名 六所社
位置 如意申町4丁目3番地の17、
祭神 事勝国勝長狭命、上筒之男命、中筒之男命、底筒之男命、豊玉姫命猿田彦命
社格 12等級
創立 明和5年(1768)9月」
と記されていた。

この地を開いた如意村の人々、そこの氏神さま「大井神社」から六所明神を新田の鎮守として勧請、1768年六所社神社として創立された云う。
以来、如意申町の氏神様として厚く崇敬され、それは今も変わる事はない。

f:id:owari-nagoya55:20211101123753j:plain現在の伽藍は鎮座245年にあたる2013年(平成13)に補修、建て替えが行われ、外観は傷みも少なく綺麗な状態を保っている。

f:id:owari-nagoya55:20211101123816j:plain幣殿、神明造の本殿共に6本の鰹木と内削ぎの千木が付く。
下は拝殿後方から社頭の眺め。
周囲を杜に囲われているけれど、境内上空の空は抜けていて、社殿がスポットライトで照らし出されたように見え、暗く重い空気が漂うものではない。

f:id:owari-nagoya55:20211101123843j:plain如意新町の始まりから移り変わりを見守り続けて来たこの街の氏神様です。
蕃塀を構え敷居が高そうに見えますがそんなことはない、明るく親しみを感じる神社だった。

六所社
創建 / 1768年(明和5)
祭神 /   事勝国勝長狭命、上筒之男命、中筒之男命、底筒之男命、豊玉姫命猿田彦命
境内社 /   秋葉社浅間神社、神明宮、不明社
所在地 /   春日井市如意申町4-3-17 (社地東に参拝者駐車場あり)
公共交通機関アクセス / 名鉄小牧線「春日井」駅降車➡津島神社経由徒歩30分程
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