鳥取県 伯耆(ほうき)一ノ宮の七弁天「宮戸弁天」

白兎川下神社のある「道の駅神話の里白うさぎ」から西へ、東郷池東岸に鎮座する伯耆国一ノ宮「倭文神社」までは移動時間は40分程。
やがて県道右手に大きな池「東郷池」が見えてきます。

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倭文神社」も随分と近づき、東郷池の地岸沿いを走っていて見つけたのが「宮戸弁天」
予定外ですが県道沿いの池畔に佇む小さな神社の姿に魅かれ立ち寄り参拝する事にした。
県道沿いにパーキングがあったことも立ち寄った理由の一つ、駐車余地がなければ恐らく立ち寄る事はなかっただろう。

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杉の杜に包まれ、大岩が幾つも積まれた小さな神域。

宮戸弁天と呼ばれ、宮内の七弁天の一つが祀られています。
弁天様は御存知のように七福神唯一の女神、財福や知恵、長寿を授けて頂ける事で良く知られます。

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そこには解説板が建ち、その内容によればこれから向かう倭文神社と所縁があるようだ。
「宮戸弁天」
「古来より伯耆(ほうき)一ノ宮の七弁天として付近7カ所に弁天さまが祀られていた。
宮戸弁天はその一つ、祠が残るのは宮戸弁天だけである。
もとは小島で倭文神社の祭神下照姫が魚釣りをしていた場所。
下照姫の使いの白蛇がここから龍湯島までの間を往復した伝説もある。
今は埋め立てられ陸続きとなっている」


とある、倭文神社参拝に向け、これは何かの導きなのかもしれない。

宮戸弁天は地元では古来から「一ノ宮の弁財天」と称され、祭神は七福神の一人弁才天
いろいろ調べて見ましたが「東郷町史」に上記解説内容が記されていました。
しかし付近の7ヶ所とはどこなのか、いつから祀られていたのか等の詳細は分かりません。
ただ、唯一残ったのが「宮戸弁天」のみという事です。

町史によればかつては倭文神社境内にも小さな池があり、そこにも弁天が祀られていたとあります。
それは境内整備に伴い池を埋めたので廃絶したとありました。
唯一の弁天様という事でしょうか。
何れにしても池畔を背景にし、磐座のような岩の上に佇む社の姿は琵琶湖東岸の「藤ヶ崎龍神」に通じる神秘的な雰囲気が漂います。

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解説にもあったように「宮戸弁天」は以前は島だったようです。
現在は県道側から陸続きで容易に参拝が可能になっています。
社頭は杜で隠れてわかり辛いかもしれませんが、解説板から左に進むと石の明神鳥居が建っています。

鳥居は池側に向かって建っていて、池畔には船着き場の痕跡が残っています。
島だった頃はここから上陸し参拝したのでしょう。

鳥居から先に複数の岩が組まれ、その上に社が祀られています。
その神域を包み込む様に杜が取り囲んでいます。

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宮戸弁天本殿。

燈籠とか寄進年度を見れば良かったが忘れていました。

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本殿域を包み込む杜。

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本殿側面。
流造で千木は外削ぎで鰹木は4本、弁天様は確か琵琶を持った七福神唯一の女神です。
千木や鰹木で男神・女神の識別はやはり無理があるようです。
小さな社ですが木鼻、虹梁などにはしっかり彫が飾りが施されています。

f:id:owari-nagoya55:20211224210346j:plain池畔沿いに少し離れて見る宮戸弁天。
島だった頃、美しいと伝わる下照姫が、朝もやに包まれた水面にその姿を落とし釣りに興じる姿は幻想的だったろう。東郷池に佇む宮戸弁天の姿も下照姫の姿に通じるものがある。

湖面に向いて立つ鳥居の先には倭文神社の鎮座する御冠山も間近に見えている。

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これから向かう倭文神社のお使いは「蛇」とされます。

町史によれば境内には蛇が多く、過去に倒壊した御神木の中は空洞で、蛇の巣となっていたそうだ。
倭文神社の祭神が下照姫命をはじめ、出雲系の神が多いことに由来する様で、東郷池には下照姫命のお使いといわれる白蛇がいて、弁天岩付近から対岸を往復していたという民話も残るそうだ。
この光景に水面を渡る白蛇、その姿はあまりいただけない光景かも知れないが、下照姫の隣で日がな糸を垂れるのは釣果が無くてもありかも知れない。
2021/10/25

宮戸弁天
創建 / 不明
祭神 / 弁財天
所在地 / ​鳥取県東伯郡湯梨浜町宮内​
白兎神社から車ルート / 国道9号線を西へ、「新川浜入口」で左折県道320号線「湯梨浜町役場入口」を左折県道185号線➡​県道234号線経由40分程
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御冠山を目指し車を進める事にしよう。