知多四国霊場 八十八番札所「瑞木山圓通寺」

地蔵寺から北西方向へ。
歩道のない県道248号線沿いを歩く。
県道は一部歩道はあるものの、大半は歩道がなく車道を歩く事になり車には要注意。

f:id:owari-nagoya55:20220101171104j:plain末広交差点から10分程進んだ田畑の広がる県道沿いに小さな地蔵堂が立っていた。
中には風化により表情の読み取れない地蔵さんが祀られていた。
ここまで来れば前方に伊勢湾岸道の高架も見えてきます、万願寺の「圓通寺」は高架橋手前の小高い丘に鎮座します。

f:id:owari-nagoya55:20220101171123j:plain県道から右に入り丘に続く坂を上ると鐘楼堂の屋根が見えてくる。
丘の頂まで来ると境内が広がり、鐘楼堂の先に寄棟瓦葺の弘法堂も見える。

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地蔵寺から30分程かかっただろうか。
知多四国霊場八十八番札所の八十八番、寺の片隅に満願霊場の石標が建つ。
 
瑞木山圓通寺
知多四国霊場八十八カ所巡礼もここで終わりを迎える。
ルートの関係で八十七番札所が残っているが、先に納経とした。
 
訪れた12/2、圓通寺は写真のように本堂の修復工事中。
それにより弘法堂までの参道以外は立ち入り制限がかかっていました。

遮るものなく工事中の姿を見る機会は多くはない、丁度瓦を葺いている光景を見ることが出来た。
屋根のみならず木造の真新しい部材が輝いていた、次の二巡目には工事も終わり新しくなった姿を見られるだろう。
こうして補修が円滑に進む寺院もあれば、苦慮する寺院もあり、その差を目の当たりにするのが知多四国巡りでもある。

圓通寺の開創は729年(天平元年)、行基菩薩により馬頭観音、子安観音の両本尊を刻まれたことに始まると伝えれる曹洞宗の寺。
開創以来法相宗真言宗臨済宗と幾度も改宗し現在は曹洞宗
応時は七堂伽藍を有していたが、幾度も兵火に見舞われ、衰退していくが、1348年(享和4)夢窓国師が中興開山、1593年(文禄2)昌山秀繁和尚が中興開基、1810年(文化7)の知多新四国開創に伴い、満願霊場88番札所に列する古刹。

f:id:owari-nagoya55:20220101171439j:plain周辺の田畑や民家を見下ろす丘の上に建つ入母屋瓦葺の鐘楼堂。
遮るもののないこの環境でこの梵鐘の音はさぞかし遠くまで聞こえる事だろう。
鋳造年等は不明。

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鐘楼堂の奥に石の社の鎮守社と石仏群。


弘法堂は本堂の左に位置する寄棟瓦葺で向拝が付く。
堂前に白と紫(知多西国三十三所霊場)の幟が立ち並んでいます。

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圓通寺の本尊の馬頭観音立像は平安時代の物と云われ、脇侍の不動明王立像や毘沙門天立像など多くの文化財保有する。

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弘法堂右の阿弥陀如来立像。

f:id:owari-nagoya55:20220101171636j:plain弘法堂全景。

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88番。
外陣に重軽石、重軽菩薩などがあり、内陣には弘法大師毘沙門天馬頭観音が祀られ、堂前の五色の紐は弘法大師と繋がっている。

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堂に掲げられた額は色褪せてはいるが辛うじて瑞木山の山号が読み取れる。

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外陣天井には草花の絵が描かれているようですが、退色と破損も酷い。
いつ頃描かれたものかは不明ですが、白一色で描かれた花の絵柄など、このまま朽ちていく前に修復の手が入るといいのだが。

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内陣の弘法大師

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調整もこれが限界、馬頭観音と脇侍の不動明王毘沙門天が浮かび上がってきた。

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外陣に置かれた「尾州瑞木山圓通寺観音縁起」

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かみさんは既にお参りを終え納経印を頂きに納経所に向かったようです。
自分も遅ればせながらお参りさせて頂いて八十七番札所に向かいます。
工事が落ち着いて境内がすっきりしてから改めて再訪しよう。

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2021/12/02

慈悲深き 大師の恵み 有難や 今日木之山に 法の花咲く

知多四国霊場 八十八番札所「瑞木山圓通寺」
開創年 / 729年(天平元年)
開創 / 行基
中興年 / 1348年(享和4)
中興開山 / 夢窓国師
宗派 / 曹洞宗
札所 / 知多四国霊場 八十八番札所、知多西国観音 二十五番札所、知多西国三十三所霊場25番、知多百観音札所2番
所在地 / ​大府市共和町小佛67

地蔵寺から徒歩ルート / 県道248号線➡末広交差点右➡​県道23号線徒歩30分強
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