『津島社』西春日井郡豊山町

西春日井郡豊山町豊場中之町「津島社」

2022/1/5
実家に寄る前に空港に訪れ、かみさんの買い物中に一人で歩いて参拝してきました。
県営名古屋空港から徒歩で西に10分程の位置に鎮座する神社。
この辺りは以前から行きたかった場所です。
過去に車で訪れた際は、一方通行の狭い道が迷路のように入り組み結局辿り着けなかった。
細い路地には幾つか地蔵堂も見かけたが車を停める場所は全くない。

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歩いて来ればなんら迷う事はない。
鳥居右手に曹洞宗医王山長寿寺、左手に新田町公民館と北側の公園が一つの区画に収まっています。
神社の社地は南北に長く、境内奥で公園と空間を共にする。

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社頭から境内の眺め。
傾きだした陽射しに白く輝く神明鳥居、社標は目にしなかった。
鳥居の右に解説が立てられている。

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地元豊山町の方々によるもので内容は以下。
「津島社 祭神 須佐之男命 
由緒 津島神社の分神を祀り天王社と称えた。
お天王さまと呼ばれ親しまれている」

創建などは地元の方でも分からないようだ。

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細長い境内を進むと参道左に手水鉢、左は新田児童遊園。
かみさまが見護る傍らで子供が戯れる空間だ。

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切妻瓦葺の妻入り拝殿で四方吹き抜け。
三方は杉を含む杜で囲まれているが、陽射しが差し込む明るい境内です。
この時期、杉のこの色は見たくない方も多いだろう。

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拝殿から本殿域。
前回の建て替えがいつ頃なのか分かりませんが、妻壁から漏れる陽光が補修を促していいるようだ。

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本殿域全景。
左右に境内社が祀られ、神域は丸い石を高く積み上げ、周囲を透塀で囲まれています。

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本殿右の板宮造り境内社
社名が記されていたようですが脱色し読み取れません。

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本殿。
遠目には気にならなかったが、近付くと傷みが目に付く。

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塀は補強が入れられ、腰壁も一部が落ち始め、ヒビも見られる。

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本殿は鋼板葺の流造で紋は見当たらなかった。
透塀の棟瓦に「水」と描かれている、そうさせる訳は参拝に訪れると自ずと分かってくる。

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境内左の相殿。
ここには右から蔵王大権現、洲原神社、御嶽神社が祀られていました。
その中の洲原神社は1925年(大正14)に周辺に祀られていた州原社を合祀したと云われるようだ。
こちらも角の取れた丸い石を積み上げて台座が作られている。

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相殿後方に「御嶽神社 誕生講中 昭和三十二年健之」と刻まれている。
御嶽講大先達の覚明と晋覚、この辺りでは牛山町出身の覚明系の誕生講が多くみられ、神社の境内で御嶽神社は良く見られます。
この碑は1957年と比較的最近建てられたもの。

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相殿から見る本殿域。
創建は冒頭の津島神社の説明でも定かではない。
尾張史などから調べて見るも、やはり創建につながる記述は見つけられなかった。

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上は明治中頃の地図とほぼ現在の地図。
大山川左岸に水田が一面に広がり、南に伊勢山、大塚の集落が点在していた。
当時の豊場村集落の南に鳥居は記されている。
となると新田開発時の集落にまで遡りそうな。

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上は江戸時代後期の豊場村周辺。
尾張史は1844年(天保15)に藩命によって編纂された地誌、当時既に集落の規模は大きく、これだけ集まっていれば当時から火伏の神として祀られていても不思議ではない。
結局創建は分からないが、この神社は豊場の発展をずっとここで見て来たようだ。

 

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新田児童遊園から社殿全景の眺め。
大きな空の下、黄色い花粉をいっぱい付けた杉と公園、そして神社がある。

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境内から鳥居方向の眺め。
社標や狛犬を見かけなかったが、社頭から真っすぐ伸びる路の先に何かあったのか。


豊場中之町『津島社』
創建 / 不明
祭神 / 須佐之男
境内社 / 不明社、蔵王大権現、洲原神社、御嶽神社
所在地 / 西春日井郡豊山町豊場中之町176
県営名古屋空港から徒歩ルート / 西に10分程