井田「八幡神社」

尾張旭市井田町 井田「八幡神社
 名鉄瀬戸線「三郷」駅から県道75号線を矢田川方向の南に向かう事10分程。

県道沿いに玉垣で囲われた神社が現れます、歩道沿いに社号標が立っていますが、社頭は更に南にあります。
写真は県道沿いの歩道から三郷方向の眺め。

井田「八幡神社」社頭。
 社地の南側に明神鳥居があり、そこから奥の拝殿に向かい長い参道が伸びています。
周囲は住宅が広がり、神社の杜は今では貴重な存在かもしれない。

鳥居左に旧社号標(昭和13年寄進)と玉垣造営竣工碑が立っていて碑文は以下。
「井田八幡神社は、明徳年中(1390~1394年)にこの地の城主だった浅井氏が勧請創建したと伝えられる。

 祭神は応神天皇(誉田別命=ほんだわけのみこと)を祀る。
八百万の神の中では最も広く人々に信仰され、安産の神として知られる。
 平成7年10月吉日」

尾張旭市「歴史の散歩道ーふるさと尾張旭史跡めぐりー」で井田「八幡神社」について以下の様に紹介されていた。
「井田八幡神社は、明徳年中(1390~1394年)にこの地の城主だった浅井氏に勧請創建されたものとの言い伝えが残っています。
 江戸時代には、井田村・瀬戸川村の両村の氏神として崇敬を集めていました。
 
井田八幡神社には、江戸時代中後期に作られた瀬戸焼の陶製狛犬(市指定文化財)3対が所蔵されています。
 一般的に、狛犬は木や石で造られますが瀬戸を中心とした東海地方では、陶器の狛犬がみられます。
一般的な狛犬は、神域を守る霊獣として境内におかれるものが多いですが、陶製狛犬は、村落の神社や一族の氏神に一族繁栄、商売繁盛、家内安全などが祈願されて奉納されたもののようです。
 
毎年、7月第1日曜日に開催される百灯明祭には、提灯に飾られた山車とともに井田地区の打ちはやし(市指定文化財)やみさと会のざい踊り(市指定文化財)が奉納されます」

とあった。

併せて文化財の指定を受けた3対の狛犬についても紹介されていたので掲載しておきます。
 ここに出てくる浅井氏の城とは、当地から南西10分程に位置する八反田公園にあったとされる井田城を指し、浅井玄蕃允が城主だったとされる。
発掘調査で遺構や出土品が発見されているという、現在は園内に城址の碑が立てられています。

石の明神鳥居、額は八幡宮

伽藍全景。
左が社務所(無人)でその奥に手水舎、境内社、正面の拝殿から奥にかけて社殿が続く。

拝殿右側に造営記念碑が立てられ、後方に写真の皇紀2600年記念碑、御嶽神社と霊神碑がある。
 玉垣の柱の傍に小さな陶製の狛犬が置かれている。

手水舎と深い緑色の体で立派な髭を持つ龍口。

入母屋瓦葺で長く突き出た唐破風向拝が特徴的な拝殿。
 後方の幣殿と繋がっているのか今一つ分からなかった。

拝殿前を一対の狛犬が守護する。

寄進されたのは比較的新しい様で、毬と子を持ったよく見かける姿のもの。

拝殿正面。
 向拝柱から先には進めず、手前の柵から参拝となります。
二つの鈴があるがそこに鈴紐はない。

社殿全体は比較的最近補修の手が入った様で傷みの少ない綺麗な外観を保っている。

拝殿左から境内社と社殿全景。
 本殿域は高い塀で囲われ、本殿や本殿域の様子は見て取れなかったが、本殿は流造の様に見えました。
手前の覆屋には板宮造りの社が4社祀られ、左から津島神社北野天満宮熱田神宮秋葉神社と祀られている。
 神社を中心に西の井田村、東の瀬戸川村の両村の氏神様として崇敬されてきただけに、こちらを参拝すればすべてが揃っている。

境内社の前に置かれた陶製の小さな狛犬
 小粒な体で精一杯守護する狛犬は目鼻立ちが個性的で、存在感は拝殿前の面々や文化財の指定を受けた3対の狛犬に劣る事はない。

拝殿から社頭の眺め。
 強い陽射しに濃い緑、夏の神社の光景だ。

因みに参拝者駐車場は見かけませんでした。

井田「八幡神社
創建 / 明徳年中(1390~1394年)
祭神 / 応神天皇
境内社 / 御嶽神社津島神社北野天満宮熱田神宮秋葉神社
所在地 / 尾張旭市井田町1丁目218
参拝日 / 2022/07/20
公共交通機関アクセス / ​名鉄瀬戸線「三郷」駅下車南へ徒歩10分