柯柄(えがら)八幡神社の参拝を終え、高山線で下呂までやってきた。
1728年(享保13)、幕府直轄領である飛騨国代官となった長谷川忠崇が編纂した地誌飛州志に「天暦年中(947~957年)この地の山中に、温泉湧出せり、地名を湯ガ峰という」という記載がある。
古くは室町時代の僧・万里集九の『梅花無尽蔵』に優れた温泉地として「湯島(下呂)、草津、有馬」で既に書き残されていた。
また、江戸時代の儒学者・林羅山が「我が国には多くの温泉がある、最も著名なのが、有馬、草津、湯島(下呂)である、有馬、草津は広く世の知るところ、湯島は古来の霊湯なことを知る者は少ない。
だが入湯者はその験を得ざることなし」と書き残したという。
それにより下呂温泉が草津、有馬と並び「日本三大名湯」として、1000年の歴史を誇る名湯として広く知られるようになったようだ。
街中で見かけるマンホールには白鷺がデザインされています。
下呂の温泉街から少し登ると温泉寺が鎮座します。
そこには「白鷺伝説」が伝わり、「薬師如来が傷ついた一羽の白鷺に姿を変え、飛騨川でその傷を癒し、源泉のありかを村人に知らせた」と温泉発見にまつわる話が今も残る。
白鷺はこの地のシンボルだ。
下呂温泉街の北の入り口で、その道路脇に大きな樹の姿が見えてきます。
あの杜が今回の目的地「若宮八幡神社」、中根山(下呂富士)の麓にある湯之島の氏神様です。
何度も通っている道筋で神社の存在も知ってはいたが、駐車場もなく訪れるのは今回初めて。
鳥居と右に「若宮八幡神社」の社標、その先に一対の狛犬が守護する。
手水舎は左側にある、後方には中根山(下呂富士)が迫っている。
参道中央に♡型の赤い茅の輪があり、その先に入母屋造の拝殿が見える。
温泉街の北外れに鎮座する事もあり訪れる参拝者は少ないようだ。
赤い♡の茅の輪、若い観光客をターゲットにしたスポットやグルメが増えてきたが、この茅の輪もその一環だろうか。
当神社の鳥居始め常夜灯、狛犬等の寄進物は昭和に寄進されたものが多い。
岐阜神社庁を調べて見たが掲載されておらず、若宮八幡神社の由緒については定かにはならなかった。
ただ、「飛州志」の中でこの地域に鎮座する若宮宮の一社として「益田郡湯島村若宮宮」として記述があったが、祭神の記述にとどまり創建時期は記されていなかった。
それによれば祭神は「應神帝仁徳帝」とあり、仁徳天皇とその父応神天皇が祭神のようだ。
1728年(享保13)に編纂された「飛州志」に記述が残る事から享保以前に創建されているようだ。
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帰りにはおがわや酒店に寄ってみよう、更にご利益アップのアイテムが手に入る。
お酒大好き派は有料で利き酒や角打ちも出来る。
拝殿額は「若宮神社」
拝殿右からの眺め。
鞘殿?だろうか、樹々に包まれ良く見えなかった。
若宮八幡神社は夏に行われる下呂温泉龍神火祭りの道行の出発地点とか、今は閑散とした境内ですが祭りのときは多くの人で賑わうという。
参道は石の明神鳥居の先にある覆屋に続く。
内部に祀られる本殿は檜皮葺の流造のようだ。
使いの狛狐の姿は見られない。
いやいや「福〇神社」或いは「稲荷神社」・・・・
若宮稲荷も詳細は分からなかった。
さて本日はここまで、ウエルカムビール飲み放題のホテルに向かうか。
若宮八幡神社
創建 / 不明
祭神 / 仁徳天皇、応神天皇
若宮稲荷
所在地 / 岐阜県下呂市湯之島309
参拝日/ 2022/06/28
高山本線下呂駅から徒歩ルート / 下呂大橋を経由15分前後
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