中村区日比津町3 水神社
2022/09/02。
強い勢力で方向の定まらぬ台風11号、遠く離れていても猫の目の様に空模様が豹変し安定しない。
外出したくとも躊躇する毎日が続き万歩計も数値が伸びていない。
業を煮やして折りたたみ傘を忍ばせ地下鉄で中村区を訪れる事にした。
地下鉄東山線「本陣」駅1番口。
台風の影響から晴れ間と雨雲が入り混じる空模様、降られたら退散しよう。
さて今回は目の前の本陣通りを西に向かい庄内川方向に歩こうと思う。
最初の目的地は西に向かって徒歩で約20分程の「水神社」
当時の地図上では水神社の鳥居の印は見られなかった。
当時の日比津周辺は集落が点在し、その周囲は田畑が広がり、小さな水路が張りめぐらされた長閑な環境だったのが窺える、恐らく窓を開け放てばいい風が入ってきただろう。
鎮座地は日比津集落の西外れに鎮座している。
田畑を耕すうえで水は不可欠、水神社の創建は不明ですが、祭祀の動機は豊作と集落を水害の禍から守るために祀られたのだろう。
それから僅か1世紀ほどで田畑は消え、一面住宅が連なる変貌を遂げた。
田畑を潤した用水は埋め立て、或いは暗渠となり歩いていても見かけなかった。
水神社全景。
交差点の角に社地があり、社頭は概ね南向きで周囲は住宅街が広がる。
小さな神社ですが、右に水神社の社標、神明鳥居を構え、高く聳える樹々の杜を持つ。
現状を見るかぎり住宅街の水神社、多少違和感がある。
1920年の地図上で見ると左の道路、以前は水路だったようだ。
田畑を潤す水路脇に佇む水神社、なるほどのシチュエーション。
社頭から境内全景。
社標の寄進年は1927年(昭和2)、石の神明鳥居も同じ年に寄進されたものだった。
その先は切妻瓦葺で四方吹き抜けの拝殿?神楽殿?が建っている。
長かった夏休みも終わり、授業を終えた子供らの集会場となっているようだ。
神社の境内に子供の姿があると、その寺社が身近な存在として感じられ好きな光景だ。
敷居の高い寺社はどうも魅かれない。
社殿全景。
後方に一段高く盛られ、玉垣で囲われた本殿域がある。
本殿域の左右に大きな神木が聳え、天気の影響もあるが木陰となり、ここからでは本殿域の様子は窺がう事はできない。
本殿域には板宮造りの社が三社祀られているようだ。
本殿域全景。
何れも社名札はなく、本殿両脇の二社も詳細は分からなかった。
水神社の祭神も罔象女神なのか、或いは龍や蛇なのか、それも定かではない。
ただ、社頭の幟台の寄進が1994年(平成6)と新しいものだったので、神社を取巻く環境は大きく変わっても、地元では今も厚く崇敬されている様子、氏子の皆さんに出会えれば教えて頂けるだろう。
境内で遊ぶ次の世代に伝えるためにも社名札はあっても良いかもしれない。
当地を訪れたよそ者から見れば、背後に庄内川を抱え、水神神社は川を鎮めるために祭祀?と感じてしまうが、ほんの少し前のこの地を知るとそればかりではないようだ。
水神社
創建 / 不明
祭神 / 不明
境内社 / 不明社2社
所在地 / 名古屋市中村区日比津町3-13
参拝日 / 2022/09/02
公共交通機関アクセス / 地下鉄東山線「本陣」駅降車、本陣通りを西へ徒歩20分前後