大分県一之宮巡り part2(day3)

前回記載した「大分県一之宮巡り part1(day1~day2)」からの引き続き。
 今回は大分県滞在二日目の10/27。

6:00おにやまホテル客室から別府湾の朝焼け。
 目覚めと共に朝風呂に行こうと部屋のカーテンを開ける、暗闇に包まれた別府湾の先に赤い空が姿を見せ始めていた。別府湾の東となると佐賀関方向のはず。
かみさんは屋上の展望露天風呂に向かうが、刻々と色を変え夜が明けつつある光景を部屋から眺める。
 少し雲は多いがその方がグラデーションが綺麗なもの。

7:00
遅ればせながら展望露天風呂へ、空はすっかり明るくなる。
 こちらの泉質は無色透明、温泉らしい香りはないが、湯上り後すべすべするものだった。
露天風呂からは別府ロープウェーのある鶴見岳が良く見える、今日はあの先にある由布岳を越えて湯布院へ向かいます。
 昨晩は必要以上に過度なボリュームの晩御飯、朝食は控え目、かみさんも今朝は随分控えめのようだ。
部屋からはすぐ下に白池地獄が見下ろせる、湯布院に向かう前に別府地獄巡りをしていこう。

8:30
ホテルに車を駐車し白池地獄へ。
 別府地獄巡り、地獄と呼ばれる個性的な七つの湯だまりがあり、温泉を利用したワニ園や水族館、植物園などがある。
単独であれば@400円、七つ全てを巡る共通券だと@2.000円。

共通券を買い、デフォルメされたマップが手渡され、裏面がスタンプラリーのシートになっていてコンプリートすると豪華賞品として七つのスタンプを押したマップが手に入る、なんももらえません。
 白池地獄。
ここが熱帯水族館、ビラルクやアロワナ、ピラニアなどが水槽で泳いでいるが個人的に好まない。
 ペットもそうだが最後までしっかり看取ってよ、としか思えない。

白濁した白池地獄は最近行った白骨温泉に通じるものがある。
 大きく違うのが、地下から吹き上げる硫黄臭を伴った水蒸気、けっして途絶えることはない。
別府の地下では今も活発に活動している証。

8:50
 鬼山地獄。
暖かい事からこの一画にワニ園があるがやたら元気なやつもいる、口を開け寝ているようだが動くときは俊敏だ、小さな子供連れだと場所に依り手が入ってしまう場所もある…どうなんだか。
 鬼山地獄は別名ワニ地獄とも呼ばれるそうだ。
定期的に餌やりの時間があり、その時ばかりは置物の様なワニの凶暴な一面を見られるようだ。
 ワニ、これがけっこう美味しい。
ワニの話ばかりなので湯に戻すと、ほぼ100℃のやや青みのある熱水と蒸気がムンムンと吹き上がる。
 周辺の浴場や足湯はこの湯を利用していると云う。
あれほど匂った硫黄臭も体が順応したようで感じなくなってきた。

9:10かまど地獄。
 ここは青と赤の湯だまり、一見穏やかに見えますが実はしっかりと地中では活動している。
この僅かな一画でこの色の違いは実に不思議なものだ。
 この鮮やかなブルーはカナダの氷河湖で見たあの色に近いもの。
この色の温泉がホテルで浸かれれば温泉気分もサイコーなんだろうが。

9:30鬼石坊主地獄
 ここからは車で移動、無料駐車場に駐車する。
沸騰した灰色の熱泥の吹き上がる姿が坊主の頭に似ている事から「鬼石坊主地獄」と呼ばれるそうだ。
 泥パックに良さそうなキメの細かい高温の泥沼で、地中から坊主の頭(水蒸気)が吹き上がる姿は地獄の様相だ。

9:50海地獄。
 鬼石坊主地獄に隣接し、車で移動する必要はない。
園内には熱帯性の睡蓮や大鬼蓮の温室があり、鰐やピラニアに比較すると鑑賞し応えがある。
 この時期に色鮮やかな睡蓮が見られるとは、これも台地の恵みの賜物かも知れない。
11月も近いが糸トンボも飛び交う。
 紅葉が終われば彩りも寂しくなるが、季節外れの鮮やかな色合いは眼には嬉しいものがある。

赤池
 赤に染まった高温の湯だまりで、吹き上げ続ける白い水蒸気が更に際立つ。
赤と青、混ぜると…紫?
 海地獄の湯けむりの先に見える赤い鳥居は白龍稻荷大神の社頭。
海外からの観光客も多く、赤い鳥居や常夜灯の前は恰もモデルの撮影会の様に思い〃のポーズで入れ代わり立ち代わり写真に収めるので撮影するタイミングが全くない。
 総じて言えるのは参拝する事はなく、赤いものを背景に写真に収める撮影スポットとして捉えているようだ。
以前の光景に戻ってきた。

10:40血の池地獄
 鬼石坊主地獄から車で約10分程と少し離れ、大きな無料駐車場が確保されている。
名が表す様に主に酸化鉄を主とする赤い熱泉の池。
 小さいながらその水深は30㍍を越え、実測できていない地獄への入口。

11:00龍巻地獄。
 血の池地獄と隣接しており、訪れる際は最初にここで一声かければどちらを先に周ればいいかアドバイスしてもらえる。
 間欠泉で良くある機械仕掛けのタイマー制御ものではなく、別府市の天然記念物に指定されるもの。
噴き出すタイミングは受付担当が体で把握しているようです。
 小さな湯だまりが時を満たすと一気に噴き出し、天井はカバーがされているけれどそれが無ければ30㍍の高さまで吹き上がると云う。
偶然かも知れないが、観光バスの御一行が訪れた途端に吹き上がった。
 あまりにタイミングが良かった事から、スレたおやじはついついボタンがあるのでは?と勘ぐってしまう。

これで別府地獄巡りは全てコンプリート。
 ここから近くの八幡竈門神社に立ち寄り今日の宿泊地湯布院へ車を走らせる。

11:25八幡竈門神社。
 血の池地獄から山間に鎮座する八幡竈門神社までは車で北に10分程の移動時間。
別府湾を眼下に見下ろす高台に鎮座し、鳥居から眺める朝陽が美しい事で知られる。

 一方、某アニメの主人公の名と神社名が同じで、境内には鬼が作った99段の階段や鬼の石草履など鬼と所縁もあり、アニメ愛好家が訪れるという。

鳥居の左右に置かれた丸い物体、これは機雷。
 水中に敷設され行き交う艦艇がこれに触れると爆発するもので第一次世界大戦(1914~1918)の戦勝を祈願し、旧海軍の有志により昭和3年(1928)一対奉納されたもの、八幡と付くだけに戦とは縁が深い。
また拝殿天井には白い龍が描かれており、参拝後は天井を見上げるといいかもしれない。

当神社の由緒は以下。
仁徳天皇(在位312~399年)御宇のとき曰く、日本武尊および神功皇后(200年頃説)が西征のとき豊後州速見郡竈門荘亀山に行宮(天皇行幸の仮宮)を造る。
 このとき国常立尊天照大御神を始め三十三神を奉斎する。

次に聖武天皇(在位724~749年)の御宇、神亀四年(727年)三月十五日豊前国宇佐より仲哀天皇応神天皇の神霊が竈門荘宝城峯に降臨する。
山麓において大神諸男と大神豊永(竈門宮宮司)が相議し、御越山に遷座奉る。
 既にして亀山の桜樹の枝上に現れる。
再び竈門宮に奉斎する(例大祭桜会祭の紀元)。
 併せて三十五神となる。既に竈門宮と称す。
次いで淳和天皇(在位823~833年)の御宇、天長三年(826年)宇佐より神功皇后の神霊を迎え、併せて三十六神となる。このときより八幡竈門宮と称する。八幡竈門宮伝記より」

創建 / 神亀四年(727年)
 祭神は以下。
応神天皇仲哀天皇神功皇后国常立尊天照大御神田心姫命湍津姫命、市杵嶋姫命、素戔鳴尊天忍穂耳命天穂日命底筒男命中筒男命表筒男命、天兒屋根命、活津彦根命、天津彦根命、櫲樟日命、天太玉命経津主命武甕槌命建御名方命大山祇命、加茂別雷命、大山咋命、高龗神、倉稲魂命、大物主命、天照大御神荒魂、丹生都比賣命、金山彦命日本武尊、宮簀媛命、豊姫命、カゴ坂皇子、忍熊皇子

八幡竈門神社
所在地 / 大分県別府市内竈1900
おにやまホテルから北に​20分程

12:15狭霧台駐車場着。
 別府から由布へ続く山を縫うよう作られた県道11号の途中にある休憩スポット、売店もありトイレもあるが当日設備トラブルで使用禁止だった。
ここから眺める由布岳由布の街並みは絶景そのもの。
 紅葉には少し早かったが一面にススキが広がる山肌は綺麗なものがあった。
この時期は、運が良ければ眼下に雲海が広がる幻想的な光景に出逢えるがこの時間では…
 今夜の宿は由布岳の裾野にある由布院 梅園、眼下のくねくね道を下ればもう目の前だ。
大分県由布市湯布院町川上1946-14
竈門神社から県道11号線南下​40分程

12:40由布院 梅園 GARDEN RESORT着。
 車を駐車、ここから徒歩で由布の街に向かい食べ歩く。

所在地 / 大分県由布市湯布院町川上2071
狭霧台駐車場から県道11号線南下​​10分程

13:00
 長閑な町外れにあるホテルから由布の中に立つ宇奈岐日女神社の大鳥居まで徒歩で20分程。
鳥居の立つ交差点はJR由布院駅から続くメインストリートで県道も交わる五差路で驚くことに交差点に信号はない。
 交通量はそこそこありながら、人も車も円滑に流れている。
交差点でいったん停車、譲るところは譲り合い、歩行者がいれば先に渡らせる、当たり前のことが出来ている。
 ここには「信号は黄色だ、靑だ」「前の車だって…」なんてものはない、睨みあう光景もない。
小さな交差点に守りもしない信号や停止線ばかり整備されながら、それでも自己中な運転が目に付く地元名古屋がとても恥ずかしく感じる、停電したらどうなるんだろう。
 
大鳥居のある五差路を右に曲がり、湯布院観光の中心的な通り「湯の坪街道」へ。
 金鱗湖に続く細い通りの沿道は土産物やスイーツ等のお店が軒を連ね観光客で溢れている。
歩行者専用道路ではなく、車も通るので散策には要注意の道だ。

鞠智 cucuchi
かみさんはこの時期になると栗モードのスイッチが入る。
 湯布院でのお目当て「和栗モンブランどら焼き」を手に満足気。
一口食べさせてもらったが、栗モードを持たないおやじにはこのどら焼きはただ食べづらいだけ。
 女性にはとても人気があるようです。
大分県由布市湯布院町川上3001-1

湯布院金賞コロッケ 2号店
 おやじには揚げたてのコロッケとビール、これが一番。
大分県由布市湯布院町川上1079-8

角打屋
 金鱗湖の手前にある角打ちのできる酒屋。
店内で飲むスタイルではなく、外のテーブル席で飲むスタイル、もれなく摘みも付いてきた。
 地酒由布美人を二種飲んでみたが、特別純米酒が酒らしい風味で飲みやすかった。 
大分県由布市湯布院町川上1502-2

14:45金鱗湖
 湖面を覆う朝もやで知られる、時間もこんな時間なので当然もやはかからない。
随分と紅葉も進み湖面に写り込むもみじが美しい。
 対岸の湖面に天祖神社の石の鳥居があり、羽を休める鵜の姿があった。
明朝は早起きして朝もやの金鱗湖を見に行こう。
所在地 / 大分県由布市湯布院町川上1561-1

14:50佛山寺
 金鱗湖の南にある臨済宗のお寺。
茅葺の鐘楼門と色付き始めた紅葉に目が止まり立ち寄ってみた。
 「由布霊山観音御開帳」とあったが残念ながら御開帳期間は過ぎていた、次の御開帳は33年後。
所在地 / 大分県由布市湯布院町川上1879

15:10宇奈岐日女神社(うなぎひめじんじゃ)
 街中で見かけた大鳥居はこちらのもの、随分と長い参道だ。
この辺りでは六所宮として親しまれている神社で鳥居の額には「縣社 宇奈岐日女神社」とある。
 社頭の由緒は以下。
「 創祀は景行天皇の御宇、一二年冬十月。
嘉祥二年(849)六月「従五位下」(続日本後紀)。
 元慶七年(883)九月二日「正五位下」(三代実録)に叙されている。
延長五年(927)「延喜式神明帳」に列記された式内社である。
 明治六年(1873)郷社、大正一二年(1923)県社に列せられる」
祭神は以下の六柱。
国常立尊国狭槌尊彦火火出見尊、彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊、神倭磐余彦尊、神渟名川耳尊


にんまりと笑みを浮かべる狛犬と人懐こい猫達が歓迎してくれる。
 往古の湯布院は湖だったされ、そこを切り開いたとされる神々の伝説が残る。
かつて湖だったと思わせる光景は、由布岳山麗の狭霧台駐車場から見下ろす湯布院の町からも想像できる。

宇奈岐日女神社
創建 / 嘉祥二年(849)
祭神 / 国常立尊国狭槌尊彦火火出見尊、彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊、神倭磐余彦尊、神渟名川耳尊
所在地 / 大分県由布市湯布院町川上2220
湯布院町徘徊ルート / ホテルから湯布院町を徘徊しホテルまで ​80分程

15:50由布院 梅園 GARDEN RESORTへチェックイン。
 フロント棟は平屋の建物で各客室も独立した離れで落ち着いた印象の宿。

唯一の難点が各客室に繋がる階段か、スロープは用意されているが多少遠回りになる。
 階段を浴衣で行き来するのは多少つらいものがある、それさえクリアすれば静かで落ち着いた時間を過ごせる。
 温泉は露天風呂と家族風呂が用意されていた、露天風呂の家族風呂は広々として開放的ですが、由布岳や湯布院の街並みが眺められる露天風呂がとても良かった。
これで湯舟に浸かりながら一杯飲めれば最高なんだが。

19:00
宿から望む夕陽、雲の多い一日でしたが雨も降らず湯布院を散策できた。
 陽が沈むと流石に冷えてくる、美味しい晩御飯を頂いてゆっくり温泉に浸かろう。
※料理は一つ〃手間がかかっているが、ソースやたれなど手間をかけ過ぎ逆に素材の旨味を殺している感じがした。折角の刺身など妙なソースは個人的に合わなかった。
 客室が離れているので気にはならないが、宿泊者の大半は海外からの旅行者だった。

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