京都紅葉巡り 東寺・東福寺・瑠璃光院・南禅寺

11/24~25。
 東寺・東福寺・瑠璃光院・南禅寺の紅葉を見に出かける。
日程(瑠璃光院拝観予約)だけは一か八かで決めたものの、日に日に南下する紅葉前線に半ば諦めていた。

     

 JR京都駅から東寺へ向かう途中、伏見稲荷大社御旅所に立ち寄ってみた。
紅葉は既に終盤、散紅葉の時期となり境内は一面紅く染まっていた。

  今回の最大の目的が瑠璃光院の写経机に写りこむ紅葉を写真に収め、南禅寺御朱印帳を手に入れる事だった。
その瑠璃光院はここより更に標高のある比叡山の西の山麗、散紅葉を覚悟する。

 とにかく混むイメージしかない京都。
伏見稲荷大社御旅所、東寺は時間が早い事もあり予想を下回っていたが、二日間の滞在中は人気エリアは海外、国内旅行客が平日にもかかわらず想定通りの混みようだった…これでも少ないのだろうが。
 賭けともいえる事前予約と混雑を受け入れなければお目にかかる事は出来ない。

これだけの観光客、宿泊客もあり、街中は人で溢れながら財政破綻の話が出てくるとは酷い話だ。

伏見稲荷大社御旅所 
所在地 / 京都府京都市南区西九条池ノ内町98

東寺

東寺
所在地 / 京都府京都市南区九条町1
JR京都駅から東寺まで徒歩 / ​20分程

東福寺
 九條道家が創建した臨済宗東福寺派大本山
規模は東大寺につぎ、教行は興福寺にならうという意味から、東福寺と名づけられたとされます。
写真は臥雲橋から通天橋、東福寺方丈方向の眺め。
 時折吹き抜ける風は落葉に拍車をかけていた。
「つい2、3日前は少し早いかと思っていたら一気ですわ」そんな声が盛んに聞こえて来た。

秋は通天橋から洗玉澗という渓谷を望む紅葉が美しい所で知られ、紅葉のピークには混みあう所でも知られます。
 写真は通天橋から臥雲橋の紅葉。
更に上流側の偃月橋と合わせ三つの木造橋廊が架かり、紅葉の見え方が違い其々に美しい。

洗玉澗の流れには様々な色合いの楓の落ち葉が美しい。

方丈南庭と西唐門。

北庭。

本尊は釈迦如来
 三門は現存最古の三門で国宝に指定され、禅堂、浴室、東司、愛染堂など重文指定の建築も多いが、観光バスの入りのタイミングに遭遇すると一気に混み、人の映り込みが気になり一枚も撮れない。

東福寺
所在地 / 京都府京都市東山区本町15-778
東寺からバス、徒歩 / ​20分程

初日の参拝予定はここまでです。
 何れも拝観券購入や入場に時間がかかったりでこれも致し方なし。
​ 三条上る上大阪町の 「ソラリア西鉄ホテル 京都プレミア 三条鴨川」にチェックイン、夜の先斗町へ。

翌朝、瑠璃光院の事前予約を9時と選択していたため、手早く食事を済ませ8:00に宿を後にしました。
 瑠璃光院の最寄り駅八瀬比叡山口駅から目の前の瑠璃光院を結ぶ橋がありますが、現在工事中で渡れず、高野川上流の橋まで遠回りしなければなりません。

八瀬大原 無量寿光明寺 瑠璃光院山門
 20分前に到着しましたが、既に山門前には大勢の拝観者で溢れていた。
入場は9:00から、予約は20分間隔で20名?の枠で区切り入場するシステム。
 なので境内に入っても人で溢れるようなことはありません。
但し、紅葉の写りこむ写経机の前だけは人垣ができています。

山門から玄関までの緩やかな参道脇は紅葉と苔が美しく、石楠花の木も多く植えられ、四季折々の表情を魅せてくれるようだ。

書院二階、写経机に写り込む瑠璃の庭の紅葉。
 訪れた人はこの光景を見たいがために訪れています、この机の後方は写真撮影の順番待ち。
早く撮りたい気持ちを抑えきれず、撮っている人を後ろから押すので静かな書院に罵声が飛び交う場面もあった、一人2分も待てば事足ります。

 入場は20分間隔ですが退出時間に制限がなく、その気になれば陽を受けて刻一刻と色合いの変わる紅葉を見ることが出来ます。
特別拝観料は2,000円、伽藍内部はフラッシュ厳禁を守れば全て撮影が許されています。

書院から山門側の苔庭。

瑠璃光院は、岐阜市金竜町に鎮座し延喜式神名帳に記録が残る「無量寿光明寺」の別院で本尊は阿弥陀如来
 現在の建物は大正から昭和にかけ、実業家の別荘として数寄屋造りに改修されたと云う。

書院一階から瑠璃の庭。
瑠璃光院
所在地 / 京都市左京区上高野東山55番地

瑠璃光院を後に南禅寺へ。
 写真は水路閣、ごった返す南禅寺境内の南東にあり琵琶湖疏水分線の一部。

水路閣明治20年(1887)に着工、翌年竣工したもので、南禅寺境内を通すため景観保護に留意して建てられた。
 京都市指定史跡、近代化遺産、琵琶湖疏水の一部として国の史跡に指定されている。
この煉瓦造りの水道橋を奥に進むと疎水を上から眺められ、流れはすぐ先のトンネルの中を流れていく。

最勝院山門前の紅葉
 疎水トンネルの手前に鎮座し、駒道智大僧正を祀るため創建された寺院。
鎌倉時代の高僧「最勝院駒道智大僧正」は関白「九条道家」の子に生まれ、比叡山で修行した後に三井寺の管長、禅林寺の住持を務め、晩年はこの地に陰棲し、駒ヶ滝の地で入滅したとされる。
 寺名は院号を取って最勝院と呼ぶ事になった。
入滅の地駒ヶ滝はここから200㍍程山を登ったところで、現在は奥の院となっている。
 明治末までは南禅寺寺務所あたりにあり、最勝院般若殿と呼ばれていたと伝わるが、大正6年(1917)に現在地へ移転した。

ここも緑の苔と赤い落葉の色合いが美しかった。

南禅寺方丈庭園、前方は法堂。
 枯山水庭園と狩野派の手に依り描かれた人や花、動物が描かれた襖絵は見応えがあります。
敷砂に描かれる箒目、どこを見ても足跡が残っている訳もなくない、いつ見ても書き始めと終わりが気になる。

華厳庭付近で見かけた手水は一枚の鏡、周囲の紅葉と花を水面に映し込んでいた。 

 こちらで御朱印帳を頂き、今回の目的はほゞ達成。

写真は法堂天井に描かれた「雲龍図」。
 現在の法堂は明治26年(1893)に火災で焼失し、明治42年(1909)に再建されたもので、薄暗い天井から如意宝珠を掴んだ大きな龍が睨んでいる。

人で溢れる法堂から逆回りになりますが三門を拝観し、門前で湯豆腐を食べ(90分待ち)帰途に着くことにしました。
 門前にはバスが連なり、駐車場待ちの乗用車が列をなし、歩道や公共交通機関は観光客で溢れている。
観光地故に喜ぶべきことは云え、地元に住む者にとって、静かな京都のこの混雑ぶりは許容できるのだろうか。
 曜日指定で国内・海外の観光客を振り分けるとか、入数・車の乗り入れ制限など色々課題がありそうだ。
京都、近い様で遠い場所なのかも知れない。

瑞龍山 南禅寺
宗派 / 臨済宗南禅寺派
創建 / 正応4年(1291)
本尊 / 釈迦如来
所在地 /   京都府京都市左京区南禅寺福地町86

参拝日 / 2022/11/24~25
今回訪れたルート / ​こちら