四間道の屋根神さま #2

名古屋市西区那古野1-35「屋根神さま」
 既に掲載した那古野1-33の屋根神さま、そこから四間道を北に150㍍も進むと左の古美術商の二階軒下にも小さな屋根神が祀られています。

目の前に円頓寺商店街のアーケードも見えてきた。

地球堂美術。
 四間道の軒を連ねた瓦葺の長屋も建替や取壊しに依り歯抜けが増えて来たように思う。

 普段は扉は閉じられているが、毎月1日と15日には紫の幕が張られ、「熱田神宮」「秋葉神社」「津島神社」の提灯を吊るすのが良く見る光景。
神様を祀る土地の余裕が無かったため、二階の軒下に祀られるようになったのが始まりと云われ、普段の御世話は「神様当番」により梯子を架けて行われるのが習わし。
 それも、時代の移り変わりと共に組への参加辞退、高齢化により一階に降ろされたりと姿を変えつつあり、こうした光景は消えゆくものなのかも知れない。

この屋根神さまがいつ頃祀られたものかは定かではないけれど、概ね明治初期から昭和初期に広まり、空襲による焼失などもあり、昭和中頃には廃れていったようです。
 幸運にも戦災を免れた屋根神さまも、建物の老朽化で古い家屋は取り壊し、新しいものを作る、そんな時代の流れの中で居場所は減っていったようです。

この屋根神さまの御世話は個人なのか、町内なのか分からないけれど、社の中にはお札の姿が見られ今も現役の様です。
 こうした屋根神さまが地域住民の結びつきを強くしていたのは間違いなく、屋根神さまが残る地域ではご近所さんの結びつきは強い事だろう。

高い塀で囲われた一見綺麗な街並み、表札もなくお隣との接点を持たない個のあつまる空虚な街。
 おかしな世の中になってきたもんだ。


屋根神さま(西区那古野1-35)
創建 / 不明
祭神 / 不明

所在地 / 名古屋市西区那古野1-35-3
西区那古野1-33屋根神さまから徒歩ルート / ​四間道を北に150㍍
参拝日 / 2022/10/12
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