『岩崎御嶽社 中之院』

岩崎御嶽社「中之院」
こちらへ向かうには大きく二通りの道がありそうです。
一つは駐車場に戻って来た道を下り、三叉路をひたすら右に右に車止めまで進み、右手に見える参道付近に車を停め、徒歩でひたすらで車止めをまっすぐ進むか、本殿右脇から東に続く参道を歩くかの選択肢になるかと思います。

今更駐車場に戻る気は更々ないので、本殿の南側にある写真の道筋を下っていきました。

道筋には幾つも枝道がありますが、この道をひたすら下っていきます。

道すがらで見かける光景、こうした不動明王や石像が連なっています。
杜に包まれた道沿いには、御嶽講を支える心願講や誕生講といった多くの講社の霊神場があり、参道から枝道が作られ、杜の奥に開かれたものなど、岩崎御嶽山全体で400を超えると云われます。
一帯は御獄信仰特有ともいえる霊神碑と呼ばれる石碑が全山に立ち並び、一種異様な雰囲気を感じるかもしれません。
霊峰御嶽に生まれ、死後は霊神となり霊峰御嶽に戻るとされ、御山に戻った霊神の遺徳を偲び講社の人々により神号を刻んだ「霊神碑」を立て依り代とするもので、遺骨を納めた墓とは少し性格は異なり、忌み嫌う対象のものではないようです。
霊神碑は町から遠く離れた、標高3067㍍の霊峰御嶽に戻った行者と身近に語らえる場所なのでしょう。

御嶽社西に平成展望台がありますが、その傍らにある三笠山神社も御嶽の三笠山を象徴するもので、ここは正に霊峰御嶽そのものです。

参道沿いにはそれ以外にも、上の写真のように「ニ之池白体龍王大権現」のように立派な鳥居を構えた神域もあり、とても興味深い参道です。

とは言え初めて訪れた道だけに枝道に踏み込む余裕はなく、中之院を目指してひたすら道なりに左方向に進む。
途中の道の分岐には「立ち入り禁止」のバリケードもあり、それさえ守れば道に迷う事はないでしょう。

道なりに6分(写真データ)ほど左方向へ進むと杜から出て上の写真の場所に到着します。
目の前は住宅が立ち並ぶ奥乃院が鎮座する高台、左には舗装された道もあり、若干心細く不安になった気持ちから解放される。
冒頭にもう一つのルートとがあると書いたのはこの場所を指します。
ここから写真の道を進みます。
「この先道が狭いため…」の警告は信用してください。
余程バックに自信がない人以外は車で踏み込むのはやめた方がいいでしょう。

ホラね。

見通しの効かないこうした道を独りで歩くとどうしても不安になります。
なかでも一番不安なのが視界が広がった先で、得体の分からない黒い四つ脚の動物や、足を持たない長いものと鉢合わせになる事が一番不安にさせる。
中之院まではここから約2分(写真データ)で辿り着ける距離で、この先の小さな池を左に見ながら、坂を上れば左手に中之院が見えてきます。

中之院全景。

尾根部分を切り開いて、周囲を玉垣で囲われた本殿域、その奥に小さな石の祠が祀られています。
周囲に霊神碑や石佛などなく独立した形で鎮座します。
鬱蒼とした杜も、中之院周辺だけは陽射しが良く入り、明るく浮かび上がっていました。

中之院正面全景。
彩りの寂しいこの時期の杜、本殿の左と右に植えられた2本の椿の花が彩りを添えていました。
ひっそりと佇むとはこの事を指すのかもしれない。

本殿域の祠と中之院の社名札。
中之院が岩崎御嶽社創建当初からあったのか、祭神が誰かについては分かりません。
岩崎御嶽社社務所で尋ねればこの疑問の回答は得られると思います。

御嶽山の鬱蒼とした杜の中でスポットライトを浴びて鎮座する中之院。
御嶽社からここまで約10分の不安な道のりを一気に取り払ってくれる。

岩崎御嶽社 中之院
創建 / 不明
祭神 / 不明
所在地 / ​​日進市岩崎町四ツ池
岩崎御嶽社本殿から中之院 /  今回のルートはグーグルマップでは示されておらず、グーグルマップの徒歩ルートは現在通行止め(2023/3/7時点)でした。
なので、今回歩いたルート又は岩崎御嶽社駐車場から車での​ルート​になります。
参拝日 / 2023/03/07
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