『南宮神社』

岐阜県土岐市鶴里町鎮座南宮神社。
国道脇363号線沿いに石鳥居を構え、参道は杉林の中に続いています。
社頭前に駐車余地があるので駐車場に困る事はないかも知れない。
国道と沿う様にかつての中馬街道が続き、名古屋から瀬戸を経て柿野、細野、曽木を経て飯田に至る街道があり、江戸時代に山間の農民が自家産物を馬に背負わせ山を下り、その帰りに塩などを積んで帰る駄賃馬稼ぎの習慣が生まれ、信州一円で行われていました。
国道363号線を走っていると、道端に祀られた馬頭観音や石仏などの姿を見かけます。

社頭全景。
石の明神鳥居を構え、右に「南宮神社」社標、左に手水舎がありそこから先は上に向けて石段が伸びている。

社頭正面、少し行けば社殿だろうと勝手に思い込み、石段を上り始める。

鳥居の額は南宮社と刻まれているが、風化も進み読み取り難いけれど、鳥居の柱には大正8年(1919)と刻まれています。

手水舎全景。

湧水が導かれているのか、澄んだ清水が絶え間なく注がれていた。
4月だというのに温かいを通り超して暑いと感じる陽気、清水の冷たさが心地よく感じた。

広葉樹と杉に包まれた参道の石段は、氏子により2003年に整備されたもので、勾配はさほどでもなく、手摺も整備されておりありがたい。
すぐに社殿は見えてくるものと思っていたが意外に道のりは遠い。

幾つかの石段を上ると、その先は林間に参道が続く。
前方を見渡しても社殿の姿はなく、これは奥が深そう、かみさんに怒られるパターンだ。
木漏れ日が入る明るい杜の中からウグイスの鳴き声も聞こえ、解放感のあるなだらかな参道です。

やがて右手に石段が現れ、それを上れば社殿がある。

南宮神社社殿全景。
大きな杉の杜に包まれた神秘的な雰囲気の境内は、拝殿とその先の覆殿が一体となったもので、雪深い土地柄なのが伝わってくる。

南宮神社の詳細は調べきれなかったが、岐阜県神社庁の一覧に社殿の写真と共に以下の記載があった。
主祭神 金山毘古神、祭礼日 10月初旬、創祀・縁由不明、摂末社祭神 空欄」

情報が乏しいと捉えるか、これだけでも有難いと取らえるか人其々。
どこぞの県の神社庁に比べれば、よっぽど把握に努めている。

境内の常夜灯の竿には、識別しにくいですが明治12年(1879)と刻まれています。
これが現地で見た一番古い寄進物になる。

拝殿とその前を守護する狛犬

この狛犬の寄進年は未確認ですが、風貌から燈籠の寄進年と同時期かと。

拝殿から幣殿、本殿。
土岐市やお隣多治見、瑞浪の主要産業を支えるのが窯業・土石製品という事もあるのか、祭神は鉱山の神様金山毘古神を祀る。

本殿の造りまでは分からないが、陶製の小さな角を持つ狛犬の姿が見える。
頻繁に崇敬者が訪れているようで、山の中にある神社としてはとても綺麗に手入れされているのが印象に残る。

拝殿左から覆殿方向の眺め。
手前に石の社が祀られています。
拝殿右手側は見ていませんが、こうした社が右にも祀られているのかもしれません。

境内社
石の社の正面に社名が刻まれているようですが全文読み取れず不明としておきます。

結局境内に由緒らしきものはなく、詳細は分からないままですが、燈籠の寄進年が明治12年である事や中馬街道も近い事から創建は江戸時代に遡るかもしれません。

石段から社頭の眺め。
創建や由緒等分からない事ばかりですが、杜の中に続く整備された参道や、手入れされた境内・拝殿など見る限り、この地に住む人々の生活と神社は今も密な関係にあるようです。

蜜な関係?

南宮神社
創建 / 不明
祭神 / 金山毘古神
境内社 / 不明社
所在地 / ​岐阜県土岐市鶴里町柿野2829
車移動 / ​名古屋市役所から東へ約80分
参拝日 /2023/04/11
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