前回掲載した大門の秋葉社から、今回は大門の秋葉社から江名子川沿いを上流に徒歩3分程の吹屋町に鎮座する秋葉神社を掲載します。
これは前回使用した昭和10年の江名子川沿いの周辺地図。
鎮座地は現在の吹屋町、かつての空町にあたり、空町は高山城に向け続くえび坂一帯の地域で、東山と呼ばれる社寺が多く鎮座する地域を指します。
因みに吹屋町の由来は安政時代、この辺りの山間部の鉱山から産出した鉱石から、銀や鉛などを吹き分ける吹屋があったことに由来しています。
かつての空町一円は、現在は馬場町、吹屋町、愛宕町、天性寺町と町名がついていますが、吹屋の名は今も町名として残っています。
町を歩いていると空町の名を冠する商店や駐車場の名が見られますが、現在空町は存在していません。
鎮座地は江名子川左岸沿いの吹屋町東端の江名子川沿いに鎮座(矢印)しています。
当時の地図には橋はありませんが、小さな人道橋の脇に秋葉神社が鎮座しています。
訪れたのは10月16日、秋の高山祭も終わり、見た目は紅葉のこの字も感じられない状況でした。
今こうして写真を改めてみると桜の葉などが色づいており、秋は深まっていたようです。
写真は吹屋町の秋葉神社全景で右側に人道橋が架けられています。
玉垣で囲われた社地に、大きな覆屋、玉垣の左に一基の常夜灯が建てられています。
覆屋内の本殿。
大きな自然石の上に基壇が乗せられ、その上に5本の鰹木と外削ぎの千木が飾られた神明造の三社相殿の社が祀られています。
昭和28年(1953)発行の高山市史(神社)から、創建時期・祭神など調べて見ましたが、当神社に該当するものは見つからず詳細は不明です。
市内の秋葉社は古いもので天文(1532 - 1555)、享保(1716 - 1736)、延享(1744 - 1748)、明和(1764 - 1772)、安永(1772 - 1781)、天明(1781 - 1789)、寛政(1789 - 1801)、文化(1804 - 1818)、文久(1861 - 1864)と様々な年代のものがあり、一般的な祭神は迦具土神、天照大御神が祀られています。
三柱となると地元、名古屋の屋根神様ならともかく、高山となると見当がつきません。
いずれにしても我が町から火は出したくない、そんな火伏と平安を願い祀られている。
上は社地左の常夜灯、竿には文政12年(1829)己丑と彫られています。
かつての空町にあって、当時の空町一円を物理的に守っていた火消し組は東組でした。
現在の吹屋町の精神的な火伏の拠り所はこの秋葉神社が担っています。
秋葉神社(吹屋町)
創建 / 不明
祭神 / 迦具土神
所在地 / 岐阜県高山市吹屋町180
参拝日 / 2024/10/16
関連記事
・『ONSEN・ガストロノミーウォーキングin飛騨高山 』 に参加してみました
・高山市大新町1 『秋葉神社』
・高山市桜町 『桜山八幡宮』
・高山市若達町2 『秋葉神社』
・高山市若達町1 『秋葉神社』
・高山市大門町 『秋葉神社』