2月15日「名鉄電車 歩いて巡拝 知多四国」の二回目に参加しました。

スタートは名鉄三河線刈谷市駅、そこから七番札所極楽寺、八番札所、九番札所、十番札所、十一番札、十二番札所福住寺の六寺を巡拝し、ゴールの常福寺からバスで阿久比駅を結ぶ11.5kmのコースです。
今回は七番札所極楽寺に向かう途中で市原稲荷神社に立ち寄りました。
スタート直後は電車一本分の参加者が一斉に歩き出します。
歩道の狭い場所では思うように歩けずペースが狂いますが、ある程度人波が途切れてからコースに戻ります。

写真は市原稲荷神社の大鳥居(一ノ鳥居)。
神社はこの写真の左を進み、すぐ先で左折すると朱色のニノ鳥居が見えてきます。


鳥居をくぐると右手に境内社、市原稲荷神社社殿へ続く二つの参道があります。
手前が猿田彦神社など境内社に続く参道で、三ノ鳥居を構える参道が市原稲荷神社の参道です。

参道の先には正面に山神社、猿田彦神社、内外宮社、春日社と東側に刈谷神社が纏められています。


鳥居左に刈谷神社の石標が建てられています。

祭神は刈谷藩歴代藩主や日清日露戦争の戦没者を祀る。
御神徳は家庭円満、地域の繁栄、世界平和。
例祭日は8月23日。
今の世界情勢を彼らはどう思っているのだろう、残り89秒となった終末時計のカウントダウンは止められないのだろうか…



勧請年度は不明ですが、本殿は第61回の伊勢神宮遷宮(1993)に合わせ新築されたもの。
例祭日は三社ともに11月23日。
刈谷社を含め、四社の社殿其々が造りが違うので見ていて楽しい。



祭神は大山祇神、木花開耶姫命。
御神徳は各種産業の発展、森林育成保護。
例祭日は12月6日。

寄進年を見ていませんが凛々しい姿の狛犬です。

往古の市原はすぐ南まで海岸線が迫る地域でした。
その当時、海中のいずこからともなく、ご神体が浮かんで磯に寄り移りました。
当時、市原の島に住んでいた白狐が、このご神体をくわえ陸に上がりました。
この地は「お茶屋」と呼ばれる地でした。
そこで村びとはお茶屋に社を建て、ご神体として祀ったのが稲荷大明神であるといいます。
「市原神社鎮座記」に第36代孝徳天皇の白雉4年(653)に、現在の亀城公園(鎮座地から北に10分ほど)に神殿を創立したといいます。
その後、天文2年(1533)、水野忠政が亀狭山に刈谷城を築城し、社を城内に移し武運隆昌の祈願所として水野氏五代にわたり社領五石が寄附されるなど崇敬されましたが、その後、藩は廃され幕府領となります。
慶安4年(1651)、幕府領となった刈谷に稲垣重昭が入り刈谷藩を立藩し、明暦4年(1658)、新たな社殿が造営され、その後の歴代藩主から崇敬され、明治維新を迎え郷社に指定された。
神社の歴史の中では永禄3年(1560)の桶狭間の戦いで今川方に焼き払われ、永禄5年(1562)に再建された。
現在の建物は平成15年(2003)に建て替えられたもののようです。
お旅行列と呼ばれるようで、神興は本町の獅子を先頭に大名行列をつくり刈谷の町を練り歩き、山車も巡行されるようです。
神興は秋葉社まで巡行され、その後市原稲荷神社に戻られます。





この参道の右にも鳥居を構えた境内社が祀られています。




享保21年(1736)夏の終わり、当地は旱魃に見舞われ、時の藩主三浦志摩守義理が雨乞立願したところ、その後雨に恵まれたことから、岡象女神を祀る一社が建立されたのがはじまり。

鳥居と狛犬を構える祓所。

燈籠左に注連縄が張られた磐座が安置されています。

神籬の榊。

三ノ鳥居から拝殿方向の参道の眺め。

三ノ鳥居脇の狛犬。
護国神社などで見かける威厳のある姿の狛犬、狐がつきものの稲荷神社には珍しい。

境内西側の市杵島社社頭全景。

参道の先の神池に浮かぶ小島に社が祀られています。

西を向いて鎮座する市杵島社。
創建は安永3年(1774)とされ、天明3年(1783)藩主土井利徳がご神体を寄付されたと伝わるようです。
祭神は市杵島姫命をお祀りし、例祭日は3月9日、御神徳は学芸上達・小授け・安産・子育て・水の神・金運にも御利益があるとされる、厳島神社の主祭神。
地元では「市原の弁天さん」と呼ばれるようです。

社から西の眺め、朱の神橋の先は西鳥居へ続きます。

西側の社頭から市杵島社の眺め、背後には逢妻川が迫ります。

逢妻川。
往古は波打ち際だったこの地、今は面影もなく、対岸の逢妻川の中州と堤防一つ隔て境川が流れています。
ここは境川を隔て、三河と尾張の境界の地でもあります。
現在は数えきれないほどの鵜の生息地になっているようです。
最初に訪れる七番札所は、ここから境川を越えて、30分程西の知多郡東浦町に鎮座します。
市原稲荷神社
創建 / 白雉4年(653)
祭神 / 倉稲魂神、保食神、大山祇神
境内社 / 刈谷神社、猿田彦神社、内外宮社、春日社、山神社、丹生川社、市杵島社
氏子域 / 刈谷市、司町、大手町、銀座、寿町、城町、新栄町、司町、寺横町、東陽町、広小路
祭例 / 5月1日
参拝日 / 2025/02/15
所在地 / 刈谷市司町8-52
名鉄三河線刈谷市駅から市原稲荷神社 / 駅から県道51号線沿いに西へ1.7km、徒歩20分