小牧市小木 「宇都宮社」

日吉社社頭の前を走る県道158号線を400㍍ほど北に進むと、今回掲載する宇都宮社の社頭に至ります。

日吉社からここに至るまでの道は宇都宮社の参道です。

社頭全景。
 社頭は注連柱と右に「宇都宮社」社標(明治45)、少し先に鳥居を構えており、ここから先は、玉砂利が敷き詰められた参道になります。

大正元年寄進の神明鳥居、常夜灯の連なる参道の先には定番の蕃塀を構えています。

境内全景。
 三方を社叢で包むように社殿が建てられており、正面の蕃塀の左に手水舎、その先に拝殿、祭文殿、本殿と続きます。

手水舎と左の歌碑には「飛車山」と刻まれ、平安時代歌人在原業平(825-880)がこき(小木)を読んだ歌が刻まれています。
 この「飛車山」を何と読むか、古来小牧の山を「ひこやま」と呼んだと聞きます。
間々観音(龍音寺)の山号としても飛車山(読み不明)が使われており、かつて寺があった小牧山の古名の一つと思われます。

木造蕃塀。
 8本の鰹木と内削ぎの千木が載る三間ほどの木造蕃塀で、拝殿を背にしたこの光景は格式を感じさせます。

蕃塀左の稲荷大明神と西参道。

拝殿正面全景。
 一対の常夜灯の先に狛犬が拝殿を守護しています。
拝殿は銅葺屋根で切妻木造の妻入りで四方吹き抜けのもの、宇都宮の大きな額が印象に残ります。

宇都宮神社由緒より一部抜粋。
「御祭神 大名持神、天照皇大神少彦名神
創建は第15代応神天皇の御代と伝わる。
 元々は現在地より西方へ一粁(キロ)足らずの榊の地に荢生天神の名で鎮座していた。 応永5年(1398)越前国二宮劔神社神官で織田氏の祖とされる織田常昌が、仕えていた室町幕府管領斯波義重の尾張国守護の兼務により尾張に派遣され小木に来住、永享元年(1429)元日の夢想により下野国宇都宮の神を本社に勧請した。
 その後、平手義英が小木に移城の際に神社を城の東南の現在地に遷した。
天正年中灯明の火により拝殿、廻廊、神饌所、神楽殿、神輿舎など全て焼失したとされる。
 昭和4年(1929)10月御大典記念事業として本殿、祭文殿、瑞垣を改築し、昭和9年10月拝殿、手水舎を改築した。
末社が十六社鎮座。
 境内に十五社と境外に日吉社があり、此所は10月例祭神輿渡御の御旅所となっている。」

現在の地図には地名として「榊の池」は残っていないが、ここから西の巾下川を越えた、矢戸川左岸に、「さかき運動場」の名が見られることから、恐らくこの周辺が旧鎮座地ではないだろうか。
 永享元年(1429)当地に移るにあたっては、二つの川に挟まれた立地の問題もあったのではないだろうか。

頭部が小さく、胸板の厚い凛々しい姿の狛犬です。

拝殿に掲げられた大きな「宇都宮」の扁額には、黒地に揮毫者名が記されているようでしたが、風化のため判読が困難でした。

拝殿右側から祭文殿・本殿方向の眺め。
 祭文殿に続く石段の右側に境内社4社と忠魂碑が建てられています。

石段右の4社。
 中央の社は小木神社、右が織田神社、左手前が熊野社で後方が八幡社。

石段脇には三対の狛犬

中段の狛犬

上段の狛犬、形も様々で寄進年代も其々違いがありそうです。

祭文殿正面全景。
 石段の左にも複数の境内社が祀られています。
石段左の境内社は十二柱社の他3社が祀られ、ここだけで8社が祀られています。 

社殿左の境内社

拝殿左の「愛知県指定史跡 宇都宮神社古墳」。
 古墳とは言っても、こうやって見る限り、小高い丘にしか見えない。
石段が上に続き、斜面にふたつの社が祀られています。

古墳解説。
「愛知県指定史跡 宇都宮神社古墳 昭和62年9月9日指定
 墳長59mの前方後方墳である。
昭和4年、本殿建立の際、後方部の墳頂やや南東寄りで、小口割石積の竪穴式石槨発見され、二角縁獣文帯、二神三獣鏡が出土した。
 鏡は、仿製(国産)鏡としては、きわめて鋳上がりの良好な秀品で、岐阜県長塚古墳、佐賀県谷口古墳出土の鏡と同型式である。
宇都宮神社古墳の近くには、淨音寺古墳や甲屋敷古墳などがあり、小木古墳群を形成している。
 この中で最大で、古墳群の中心的位置を占めていたと推定され、また、同氾関係の認められる鏡を出土した前期古墳のひとつとして、尾張平野中央部における古墳文化の発祥と展開を考察するにあたって、その学術的価値はきわめて高い。
愛知県教育委員会 小牧市教育委員会

ここには記載がないが尾張地方最大級の前方後方墳で、3世紀末から4世紀に作られたとされます。
 規模は全長は59m、高さは約6.5m。後方部の一辺は、約35mあります。
この地図で見る限り社殿は後円部の墳丘に建っているのが分かります。

祀られている社は左が稲荷社、右が庚申社の二社。

墳丘沿いに右に進むと、こちらにも墳丘へ続く石段が作られ、その先に3社祀られています。

その先の左に祀られている金刀比羅神社

右に祀られているのが秋葉社

秋葉社の右に少し離れて津島社が祀られている。
 日吉社を除いて15社あるとのことなので、蕃塀横の稲荷社、幣殿前に8社、墳丘の2社、そしてこの3社、あれ!?1社見落としているようです。

社地の西側の県道158号線を挟んだ先に浄音寺古墳がある。
 相当姿を変えているようですが、もともとは前方後円墳だといわれています。
気付かなかったが、もう一つの甲屋敷古墳はここから5分ほど北にあり、宇都宮社に向かう道筋にあったようです、こちらは円墳のようです。

境内から社頭と日吉社に続く県道158号線の眺め。
 今回の徘徊はここまで。
ここから北に5分ほどの県道25号線沿いの名鉄バス「小木」から岩倉駅に向かい帰途に着きます。

宇都宮社
祭神 / 大名持神、天照皇大神少彦名神
創建 / 第15代応神天皇の御代
境内社 / 15社
氏子域 / 小木、小木西、小木東、小木南、新小木
祭礼 / 10月第2日曜日
所在地 / 小牧市小木3-229
日吉社から徒歩で宇都宮社 / 県道158号線沿いに北に​400㍍、約6分
参拝日 / 2025/6/9
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