西広瀬町市場「八劒神社と農村舞台」

廣瀬神社からの続きとなる今回、車を駐車した旧西広瀬駅から広梅橋を越え、西広瀬町交差点を右折し​100㍍ほど直進した左側に社頭を構えます。
 駅から徒歩で約10分、車なら2・3分程の距離になります。

県道脇の社頭全景。
 駐車スペースは鳥居の先か、社地右側の細い路地を直進した先に参拝者駐車場が確保されています。
社殿は正面に見える山の中腹に建てられています。

上が市場 八劒神社の鎮座地で、東広瀬町の旧西広瀬駅から広梅橋を渡った対岸は西広瀬町市場地区になります。
 過去には目と鼻の先の二つの集落を矢作川が分断し、お互いの城から対岸を睨みあっていた。

鳥居から社殿方向の眺め。
 左に「村社 八劒神社」の社号標、その先に明神鳥居が建てられています。
鳥居の先の広場は、移動販売車の立ち寄り場所になっており、形を変えて市場の地名の名残を感じさせます。

鳥居扁額は「八劒神社」と記されています。

鳥居から先の参道は農村舞台が迫り出し、狭くなりますが、その先に広い境内が広がっています。

手水舎と傍らの解説板。

「八劒神社・農村舞台」の解説で、内容は以下。
『八劔神社・農村舞台

 入母屋造 茅葺(鉄板覆)瓦庇付
豊田市には神社が370社あるが、八劔(やつるぎ)神社は市内に三社しかなく、建速須佐之男命主祭神である。
 八劔とは三種の神器のひとつ天叢雲剣のことで草薙剣とも呼ばれ、災難除けにご利益があるとされる。
境内は本殿が小高い場所にあり、南側の一段低い部分に農村舞台がある。

 舞台は本殿と拝殿を結ぶ軸線上に向かいあって建てられている。
舞台の前には空間があり、 当時は地芝居、現在はふれあい祭りの観客席となる。
 建立は棟札によって寛政10年(1798) 8月に地元大工と西広瀬村の組頭二名によって再建されている。
舞台正面の若葉模様の彫刻から、江戸時代後期の特徴が見られる。
花道、楽屋を備え、舞台を広くするための工夫(ガンドウ)もあり、また自然景観を舞台に取り込む装置(遠見の機構)もある。
 この舞台は当地方では最も古く、豊田市内における初期の舞台形式が垣間見れる重要な遺構である。
今後も地元民の手により大切にしていく舞台である。2023年10月 豊田市わくわく事業・名所旧跡の会 』

舞台後方から社殿の眺め。
 舞台裏側の迫り出した部分が楽屋だろうか。
広場は公園としても整備され、境内には遊具が設置されています。

農村舞台正面の眺め。
 桁行5間(約9m)、梁間3間(約5m)と大きな舞台で、廻り舞台は備えていません。
屋根を支える長い桁は一本の無垢材を使用し、前面に唐草模様が施されています。

寛政10年(1798)に再建された舞台を見上げると、茅葺なのが良く分かる。
 昨年、猿投山周辺の神社を巡り、農村舞台を幾つか見かけましたが、何れも鋼板で覆われたり、瓦に葺き替えられたものが多くなり、手間のかかる茅葺は、やがては技法も忘れ去られて行くのでしょう。

舞台正面の社殿全景。
 石垣で二段に分けて境内が作られ、拝殿まで石段が続きます。

上り口から拝殿を見上げる。

社殿全景。
 切妻造の妻入り拝殿で、正面が格子扉、三方は腰板が張られた吹き抜けのもので、神明造の本殿と結ばれています。
本殿の左右に境内社が祀られています。

愛知県神社名鑑(1992)による神社の由緒は以下のように記されていました。
 『十二等級 八釼神社 旧指定村社
鎮座地 豊田市西広瀬町市場252番地
 祭神 伊豆御霊命
由緒 創建は明らかでないが、享禄(1528)から永禄年間(1569)まで御船城主の祈願所として社殿を造営した。
 明治5年5月村社に列し、大正15年4月1日、供進指定社となる。
昭和11年5月8日、幣殿を新築した。
 例祭日 10月第二日曜日
社殿 本殿 神明造0.83坪 幣殿 6坪 拝殿 23坪 社務所 8坪、神饌所 6坪、境内坪数 700坪
 氏子数 90戸』
とあり、創建は室町時代にまで遡るようです。

内削ぎ千木と鰹木が飾られた神明造の本殿と境内社

本殿右の境内社
 境内社には社名札が掛けられていましたが、脱色しており読み取れなかった。

一段目の境内に安置されている狛犬と農村舞台。
 対岸には東広瀬城が迫っています。

境内右手から社殿の眺め。
 石垣の積まれ方はちょっとした城壁のように急角度で積まれています。

西広瀬町市場「八劒神社と農村舞台」
創建 / 不明
祭神 / 伊豆御霊命
境内社 / 不明社2社
氏子域 / 西広瀬町
例祭日 / 10月第2日曜日
所在地 / ​​豊田市西広瀬町市場252
廣瀬神社から八劒神社 / 廣瀬神社から広梅橋を越え、西広瀬町交差点を右折し​、​100㍍ほど直進した左側​。
訪問日 / 2025/08/08
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