「無印良品南乗鞍キャンプ場」思い出とともに過ごした最後の3日間

1996年の開業以来長年お世話になってきた南乗鞍キャンプ場、それも今年限りで閉鎖するとのことで『南乗鞍キャンプ場 さよならイベント』に合わせ9/26~28、キャンプ場の最後を見届けてきました。

このキャンプ場はサマージャンボリーや乗鞍登山、主ともいえる管理人の方による茸や山菜の収穫体験など、子供達の成長過程で貴重な経験と思い出を作ってくれた。
名古屋から下道を走り約4時間、四駆から無茶の出来ない普通車に変わり、あの峠道を慎重に上り詰め高山市高根町子ノ原高原に到着したのは14時を過ぎていた。


当初懸念した天候も「さよならイベント」に合わせるように秋の青空が迎えてくれた。

センターハウスから秋の装いをはじめた子ノ原高原と御嶽の眺め。
露天風呂から眺める御嶽の姿も見納めだ。

センターハウスでチェックインと熊鈴を手渡されサイトに向かう。

トンボも30年の歴史を感じさせる。

センターハウスと乗鞍岳
かつては子ノ原高原スキー場のロッジとして使われていたことから、二階には宿泊棟・軽食コーナーの名残を感じさせる造りになっており、キャンプ場になっても軽食が提供された時期もありました。

センターハウスのテラスより日没が迫る御嶽の眺め。

カヌー池にも日没が迫る。
かつては対岸には桟橋があり、池には大きな鱒が放流され、毛鉤を振ると面白いように釣れ、キャンプ飯のメニューに鱒はつきものでした。
桟橋も傷みが進み使用禁止となり、更新されることはなく姿を消し、今思えばその頃から閉鎖は既定路線だったのかもしれない。
今回も毛鉤を振って鱒に遊んでもらう目論見で、釣り竿を忍ばせてきたが釣りもcloseとなっていた。
いつか息子達と毛鉤を振る事もあるかと楽しみにしていたがそれは叶わなかった。

キャンプ場は池を中心としたフラットなサイトのみで、少し離れたドッグランのあった高台のサイトはすでに閉鎖されており、隣り合うようにサイトが連なるこのあたりは、それほど宿泊した経験がない。
各地で熊の出没が毎日のように取り上げられていることを考えると、集まっていた方が不安感は少ないという取り方もできるが。

二日目の朝、気温の上昇と共にカヌー池や森は朝もやに包まれる。

センターハウスへ続く散策路の樹々はまだまだ青々とし、茸や山ぶどうなどは目にしなかった。

南乗鞍キャンプ場といえばマツムシソウとヒョウモン蝶のイメージが強い。

二日目の日中はワークショップで南乗鞍キャンプ場の思い出作り。
写真はかみさん作のアロマワックスサシェ

おやじ作白樺の一輪挿し。
どちらも家の玄関ホールを彩ってくれています。

乗鞍が赤く染まりはじめると、さよならイベントが行われる、レンタル棟前に向かう。

この広場では過去にいろんなワークショップが行われ、ダッジオーブンでローストチキン、アイスクリームやピザ作り、苔玉など楽しませてもらった。
そういえばタープ早立て競争なんてのもあったなぁ。

この日は牛鍋やみたらし団子、地酒の振舞いがあり、食材はもってきたものの、晩御飯と晩酌はここで済んでしまい、結局持ち帰ってきた。
会場では、センターハウスのトンボ同様に歳を重ねた昔懐かしいスタッフやトム先生の姿も見られた。
この席にお世話になった管理人の姿があればよかったのだが・・・
思えば、あの方に遭うのが南乗鞍キャンプ場を訪れる楽しみのひとつだった気がする。

満天の星。
キャンプ場最後の夜に華を添えるように輝いていた。

最終日、まだ静かなBサイトから眺める乗鞍。
直後に起きてきたかみさんと最も利用したC・Dサイトを訪ね早朝散歩へ。
既にサニタリー棟やサイト番号も撤去され、再び熊笹に覆われていた頃に戻りつつありました。

昨日の賑わいが嘘のように静寂に包まれた、早朝のセンターハウス。
管理人の方から食べられる茸を教えて頂きながら、今ではそれすら覚えていない。

最終日のカヌー池。
雨を予想していたが天気も快晴、午後から雲が出る予想ですが、雨に降られる事もなく撤収できそう。
南乗鞍キャンプ場名物のハサミムシだけは相変わらず健在、一匹や2匹は持ち帰ることになるのだろう。

撤収を終えた頃、カヌー池で宿泊者・スタッフ全員が集い、ドローンの空中撮影をするとのこと。
開場以来30年の歴史を持つ南乗鞍キャンプ場、最後の記念撮影に加わりキャンプ場を後にした。
おっさんになった息子達、老いを感じるようになった自分達、それぞれの年輪の一コマに、このキャンプ場が提供してくれた思い出は刻まれている。

無印良品南乗鞍キャンプ場」思い出とともに過ごした最後の3日間
所在地 / 岐阜県高山市高根町子ノ原高原
訪問日 / 2025/09/26~28
過去記事
予定通り乗鞍キャンプへ

 

余談。
子ノ原高原滞在中、野生動物との遭遇を想定していましたが、幸い一度も遭遇する事はありませんでした。
しかし、一般道で地元名古屋に向かう途中の愛知・岐阜県県境の雨沢峠を瀬戸方面に下っていたところ、カーブを抜けた先の道路の真ん中で立派な角をもった鹿が仁王立ちしている場面に遭遇した。
後続車も止まってくれたので良かったが、峠を下れば瀬戸だというのに、あれほどの野生動物に遭遇するとは。
先日も矢作川で出逢ったが、そのことを話しても俄かに信用できなかっただろう。
かみさんも目の前で目撃すると、以前と違って何かが変わってきていることを感じたのではないだろうか。

名古屋城二の丸の堀に京都から婿殿を迎える話もあるが、なにも京都から迎えなくともいいのではないかとすら思う。

勢いよく峠を駆け上る車やバイクが多い道ですが、コーナーの先の彼らを想定できているだろうか、日本もカンガルーバーが必要になってきた。