滋賀県彦根市 『龍潭寺』

彦根市古沢町佐和山の西麓に鎮座する龍潭寺(りょうたんじ)
 桜を求め近江を訪れたのが2018/4/3
名古屋ではピークを過ぎた桜も近江まで来るとまだまだ真っ最中
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東海道本線佐和山に挟まれた龍潭寺駐車場から参道全景
佐和山は歴史マニアには石田三成の居城(1560~1600年)として知られ、彦根城築城にともない1606年(慶長11)廃城となり、現在は「佐和山城跡」の看板だけがそれを語るのみです
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龍潭寺は1600年(慶長5)に井伊直政佐和山城主となり、井伊家発祥地浜松にある井伊谷龍潭寺を分寺、龍潭寺の五世住職昊天禅師を招き建立されたものと伝わります
1602年(慶長7)に着工、2代藩主・井伊直孝の代の1617年(元和3)に龍潭寺の諸堂が完成、現在の伽藍となった
廃城となった佐和山城の建築物は彦根城やここ龍潭寺やお隣の清凉寺に一部移築されていると云われています
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こちらのお寺
とにかく苔の美しさが素晴らしい、山門に入った途端、木々の下は緑の絨毯
その中にひっそりと三成の座像が置かれています
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夕陽を受け輝く苔
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参道を覆う木々と地表を覆う苔を眺めながら境内へ
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やがて石段とその先に重厚な佇まいの中門が現れます
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周囲の森の色合いに溶け込むように意図したのか、木の質感が漂う作り
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中門左の鐘楼(上)と山門の土塀(右下)は瓦が埋め込まれ銃弾を通さない戦国時代の名残りを感じさせます
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参道の右側に小さな御堂
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中門の正面に大洞観音堂と右に御告げ七福神が勢揃い
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観音堂と方丈は回廊で結ばれている
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中門左の方丈
こちらで御朱印と拝観受付を行っています
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方丈入口の案内板
こちらの襖絵と東庭は彦根市指定文化財となっています
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方丈内部には佐和山城で使われていた陣鐘「龍潭晩鐘」が吊るされています(上段右)
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方丈内部の襖絵の美しさは印象的
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龍潭寺は別名だるま寺とも呼ばれる事があります
その名の通り中には夥しい数のだるまが祀られています
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毎年4月の1日、2日には禅宗の祖、達磨大師に由来した行事「だるままつり」が行われ、だるま達の祈祷法要が行われます
訪れた当日はその翌日、残念ながら祈祷法要はお目にかかる事は出来ませんでした
この時に祈祷されただるま達は年間を通じて販売されます
正面の見たこともない巨大だるまが祀られていますが彼は非売品
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だるまの睨むその先には見事な枯山水「ふだらくの庭」
中央の石を観音さまに見立て、白砂を大海に見立て、船出する船を模した石、背後は水平線を表現しているらしい
何より白砂とそれを取り巻く苔の緑のコントラストが美しい、時が経つのを忘れ、只々見とれる
わびさびの空間がそこにあります
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方丈内の各部屋の襖絵は美しいものがあり、目を楽しませてくれます
当日は閉館前だったこともあり、座り込んでじっくり鑑賞する事も出来ました
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鶴亀蓬莱庭園
佐和山を背景にして山裾の斜面に造られた庭園
 築山は地形をそのまま利用して高く築かれ、裾野の池へと繋がります
右手の建物は書院になりますが、その南隅に高い滝口が組まれた美しく落ち着いた趣のある庭園です
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方丈の襖絵は56面と言われますが、それらは彦根藩士森川與次右衛門の子、森川許六により描かれたと云われています
枚数の問題ではなく、これを全て描きったエネルギーには素直に感動
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蓬莱庭園
だるま、佐和山を背景に苔生す庭園、方丈の襖絵と見所が多く、ゆったりとした時間を与えてくれるはずです

建立 / 1601年(慶長6)
宗派 / 臨済宗
本尊 / 楊柳観世音菩薩
拝観料 / 400円・小中学生150円 
拝観時間 / 夏期9時~17時(受付は16時30分まで)、冬期9時~16時(受付は15時30分まで)
住所 / 滋賀県彦根市古沢町1104
アクセス / ​名神高速彦根インターから車で10分程
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佐和山城址へは龍潭寺からのコースをお勧めします
2018/4/3