千種区山門町の屋根神さま

名古屋市千種区山門町2丁目

ここは日泰寺へ続く参道、毎月21日には多くの出店が並び賑わう通りです
山門町の屋根神様は通りから一歩東に入った民家の壁面に祀られています
イメージ 1
正面を横切る通りが参道、右に進むと日泰寺に至ります
右手の電柱脇の民家の壁面に梯子が立てかけられ、壁面には小さな祠が祀られています
イメージ 2
正式な呼称は分かりません、ここでは「山門町の屋根神さま」としておきます
身の丈ほどの高さに祀られた祠は幕が張られ、下に三つの提灯が吊られています
右手の梯子は御供えの時に使われるものでしょうか?
イメージ 3
祠正面全景
提灯の下に置かれた板、なぜか今日は裏返っています
表には由緒が記されていて
創建(昭和初期)
改築年度(第一回昭和48年、二回平成18年)
祠を維持する自治会(月見坂自治会9、10組)と記されています
(月見坂というと美味しい寿司屋があります、話が脱線していくのでまたの機会に)
イメージ 4
平成19年に改築された現在の祠には屋根違いの三社の神棚祀られています
提灯が示すように、祭神は左から秋葉神社熱田神宮津嶋神社のお札が納められます
イメージ 5
自治会の一部の組に「神社当番」の習慣は今も引き継がれ、月番の方により果物や御神酒などが供えられています
私が子供の頃、我が町にも神社当番はありました、祠の老朽化にともない「神社当番」もなくなり、今では自治会に入らない方もあると聞く、自治会や当番は面倒だけどいつまでも引き継がれるといいですね
イメージ 6
こうした祠は明治から昭和の初め、棟続きの長屋や住居が密集した下町で祀られます
密集した棟続きの家で生活する事は、ある種の運命共同体、火事にしても我が家だけでは済まない
そうした中で多様な組や当番が生まれお互いを知る、屋根神さまもその一つなのかも知れません

それらが地域のコミュニケーションの中心となっていきます
やがて高度成長期を迎え、建て替えや生活環境の変化に伴い、少しずつお隣との距離が生まれ、それと合わせこうした屋根神さまも消えていきます

子供の頃は名前も知らない雷おやじがいて、過去を語る長老がいたもので
悪がきだった自分を注意し、泣いてると声掛けされる、地域のどなたかにはお世話になったものです
それが当たり前の時代に育ったものとして、 それら躊躇しなければならない世の中になった気がする

こうした屋根神さまを見ると地域の風通しの良さみたいなものを感じます
この先も引き継がれていくといいですね

2018/11/15
山門町の屋根神様
創建 / 不明
祭神 / 秋葉社熱田神宮津嶋神社
住所 / ​名古屋市千種区山門町2丁目
アクセス / 市営地下鉄東山線覚王山」下車、北に徒歩5分程