
角地に玉垣で囲った小さな境内と社は、周囲の景観に溶け込んでいます

境内正面全景
鳥居や狛犬はなく社号標のみとシンプルな境内
あれやこれや詰め込まれ閉塞感を感じる神社もあるけれど、解放感もあり好感が持てる
境内も綺麗に手入れされ、訪れる者にはとても気持ちがいい
右手の秋葉社の社号標には「可睡齋」と刻まれています
あまりお目にかからない社号標です
「可睡齋」とは静岡県袋井市にある曹洞宗の寺で山号は萬松山、創建は1401年(応永8)
聖観世音菩薩を本尊とし、古くから「火伏せの神」として崇められ、秋葉総本殿三尺坊大権現の道場
11代住職の仙麟等膳和尚は、信玄との戦いから逃れてきた幼少の家康とその父を匿ったとされ、後に浜松城主となった家康は和尚を招き礼を尽くした
その席でコックリ〃と無心にいねむりをする和尚を見た家康は「和尚我を見ること愛児の如し、故に安心して眠る、われその親密の情を喜ぶ、和尚、眠るべし」と言ったそうです
以来仙麟等膳和尚は「可睡和尚」と呼ばれる様になります
それ以降寺号を東陽軒から「可睡齋」と改め1873年(明治6年)、秋葉山の神仏分離に伴い三尺坊大権現が遷座され火防災除の寺となり現在に至ります
社号標はそこから勧請したという表れです、創建もその頃ではないでしょうか

小さな社には榊も供えられ、綺麗な境内同様今も多くの方の手が入れられている事が良くわかります
大きく煌びやかで格式の高い神社も良いと思います
しかし身近に鎮座し、氏子に支えられた小さな神社を訪れた時の印象はそれとは違う良さを感じます
可睡斎秋葉社
創建 / 不明
住所 / 名古屋市瑞穂区惣作町3丁目
アクセス / 市営地下鉄名城線「妙音通」下車北に10分程
可睡斎秋葉社から西の眺め
斜め向かいに小さな「延命地蔵堂」が目に入ったので併せて記載します

