『讃岐国一ノ宮 田村神社』

香川県高松市一宮町
讃岐平野のほぼ中央部に位置するのが讃岐國一ノ宮『田村神社』。

ここから西に香東川が流れ、川がもたらす土壌と伏流水により、神社周辺は広く田畑が広がっています。
水事情が悪く溜池ばかりじゃないの? 
そんな印象があるけれど、一帯は伏流水を灌漑や生活用水に賄う程自然の恩恵を受けている。

f:id:owari-nagoya55:20200502124623j:plain 県道12号線(三木国分寺線)と県道172号線(川東高松線)が交わる交差点から172号線を南に少し入った右側に大きな駐車場。
駐車場からの眺め

左の建物が五楽殿、その右が千木が施された建物は相撲場、正面が社務所

大きな石鳥居が二つ、素木の鳥居が見えます。鳥居が多い。
社殿は右側に南を向いて横に鎮座するようです。
表参道は写真の左の様なので、かみさんと別行動をとり一人表参道から向かうことにします。

f:id:owari-nagoya55:20200502124658j:plain 駐車場から5分程南に戻った一ノ鳥居からの眺め。
住宅の間に石鳥居、石畳の参道がまっ直ぐ続く。
ここから振り返った光景が下の写真。

f:id:owari-nagoya55:20200502124731j:plain 左にも参道が続き、遥か先に更に鳥居が見える、ここは一ノ鳥居ではないようです。
あれが一ノ鳥居だとすると長い参道だ、あそこから眺めて見たいがさすがに怒られそうだ、ここから境内に向かおう。

f:id:owari-nagoya55:20200502124758j:plainニノ鳥居の前の大きな狛犬
耳が隠れるほどのロン毛で角が付いています。ムチムチの体形です。
鳥居の扁額「國幣中社 田村神社

f:id:owari-nagoya55:20200502124837j:plain 参道途中の注連縄鳥居と狛犬
垂れ耳でとんがった角付き、程よい肉付きでいい体格をしています。

f:id:owari-nagoya55:20200502124906j:plain 随神門も間近になり、その先の三ノ鳥居が漸く視界に入ってきます。
ここの担当はこの面々です。こちらも角が取れた角がある。
それぞれ個性のある面々が守護しているようです。

f:id:owari-nagoya55:20200502124933j:plain 随神門をくぐると境内が見えてきます。
左に手水舎、手水鉢り龍は四つ足で立ちこちらを見据えています。

f:id:owari-nagoya55:20200502124957j:plain 三ノ鳥居と拝殿も近づいてきました、右手が相撲場の様です。
その手前に右に続く参道、その先に鳥居と社が佇んている。

f:id:owari-nagoya55:20200502125022j:plainここを担当する狛犬は、小ぶりですが目つきは鋭く、とんがり尻尾で角も付いています。
彼らの先に置かれた力石。
6個の重量が違う力石があり、階級があるようです。
これがクリアできないと肩身の狭い思いをするとあるが、一番右でも・・・・・無理。

f:id:owari-nagoya55:20200502125052j:plain 鳥居の額には「歳徳神(としとくじん)」。
年神様とも呼ばれ、その年の福徳を司る神で、暦により恵方が変わり、その年の恵方に参り、事を行えば万事大吉とされる。

f:id:owari-nagoya55:20200502125117j:plain 駐車場から見えていた相撲場。この後方に小さな鳥居があり「子育て布袋尊」が安置されている。
三ノ鳥居と田村神社拝殿は間近。

f:id:owari-nagoya55:20200502125142j:plain 幣拝殿正面全景。
入母屋檜皮葺で現在の建物は1878年(明治10)に再建されたという。
奥殿・本殿は1710年(宝永7)の造営で、奥殿と本殿は繋がっており、祭神は倭迹迹日百襲姫命、五十狭芹彦命、猿田彦大神、天隠山命、天五田根命の五柱を祀る。

奥殿の御神座の床下が深渕(定水位と呼ばれる)になっていて、厚板で覆われ真夏でも冷気が漂うという。
ここには龍が棲み、厚板を開け覗いた者は絶命すると云われ、日照りがあれば領主は必ず祈願に訪れたとされる水の神「定水大明神」。

f:id:owari-nagoya55:20200502125208j:plain 幣拝殿斜め全景。後方に本殿が見られる。
幣拝殿の右に宇都伎社、蕎婆俱羅社、天満宮、宮島社と末社が並ぶ。

f:id:owari-nagoya55:20200502125240j:plain 幣拝殿の右が「宇都伎社」右に進めば容易に拝殿から参拝を済ませられますが、鳥居から拝殿に向かいます。

f:id:owari-nagoya55:20200502125305j:plain 「宇都伎社」鳥居から拝殿の眺め。
参道中央に巨大な龍のモニュメントがいる。

f:id:owari-nagoya55:20200502125334j:plainで、でかい。
迫力満点の龍、しかも宝珠のみならず、小判まで持っている、こんなのが淵にいるのか?
手や口が動き、目が光れば最強ではないか、とごぞでそんな龍を見たような。
鎮座1300年記念で建てられた巨大龍は「金龍」と呼ばれ、小判に願いを書き奉納することで金運アップにご利益があるそうな。

f:id:owari-nagoya55:20200502125403j:plain 「宇都伎社」幣拝殿全景。
末社とは思えぬ立派な入母屋、銅葺屋根で千鳥破風が付き、1987年(昭和62)に再建されたもの。

左に一つ、右に一つ、よく見るとその奥にも小さな赤い鳥居が見える。
祭神は大地主神、倉稲魂神で家内安全、生活守護の神として崇敬されているようです。

f:id:owari-nagoya55:20200502125430j:plain 上
拝殿左の鳥居は「姫の宮」
小さなお社だが、縁結びの神様として崇敬されている。
右側の金色の布袋さんが見えますが、これは「金箔布袋尊」。
金箔を貼り祈願することで、笑顔の絶えない家庭、夫婦仲良く、円満な人間関係にご利益がある。

七福神
鳥居の先には「微笑み童七福神」が祀られています。
讃岐七福神というものがあるそうで、それらを祀る寺社が恵比寿/東香川市・白鳥神社、弁財天/国分寺町国分寺毘沙門天/高松市香西寺、大黒天/高松市法然寺、寿老人/東香川市・与田寺、福禄寿/綾川町・ 滝宮天満宮とあり、田村神社は布袋様を祀る神社。
鳥居右奥に小さな赤い淡路社の鳥居があります、参拝は鳥居の下を這ってくぐり抜け参拝するのが作法だそうです。

鳥居の左に金色の「金箔大黒天」、金箔布袋尊と同じシステムの様です。

境内の至る所に龍や七福神、干支のモニュメントが溢れ、手持ちの賽銭は枯渇。
やっと合流したかみさんも「最初はお参りしていたけど途中からスルーした」、同じだ。
なんとなくテーマパークに来たような気分になる。

f:id:owari-nagoya55:20200502125508j:plain 神宮献穀斎田鳥居から先は七福神が建ち並ぶエリアと神池に繋がります。
「田村の神は水の大神 御神体龍神なり」の云われ通り、豊かな水が湧き出しています。

f:id:owari-nagoya55:20200502125537j:plain 神池に浮かぶ「宮島社」、広島の厳島神社から勧請したもの。
御祭神 / 市杵嶋姫命

f:id:owari-nagoya55:20200502125604j:plain 上
宮島社の左に祀られる「弁財天」、水をかけてお参りすることで美しさを得られると云われるそうだ。
右の社は宮島社の本殿。

弁天橋から素婆倶羅社方向の眺め。 

f:id:owari-nagoya55:20200502125634j:plain 「素婆倶羅社」
幣拝殿は入母屋銅葺屋根で2002年(平成14)の再建。本殿は春日造り。
御祭神 / 少彦名神
女性の守護神として参拝が多く、安産、病気平癒、身体健康などにご利益があるそうです。

f:id:owari-nagoya55:20200502125701j:plain 「伊勢神宮遥拝殿」、この遥か先が伊勢方向ということです。
後方の赤い社は稲荷社。

f:id:owari-nagoya55:20200502125732j:plain 「一宮天満宮
御祭神 / 菅原道真
学門の神であり、雷が転じ雨をもたらす稲作の神として崇敬されている。
金の球を咥えた撫で牛、特別な願いを叶えてくれそうだ。

f:id:owari-nagoya55:20200502125801j:plain 境内の東端が「一宮稲荷大明神」の鳥居。
鳥居をくぐった神池の畔に祀られています。

f:id:owari-nagoya55:20200502125832j:plainその先に稲荷鳥居が続いています、北側にも稲荷に続く参道があるようです。
鳥居の右に石の祠が三つ祀られています、境内にある祠の中では一番古そうです。
右の祠の中に納められた丸い石は何だ?卵?…🐍
一番惹かれる存在ですが詳細は分かりませんでした。

f:id:owari-nagoya55:20200502125859j:plain 上
北に繋がる参道の中央にあるモニュエントがある、讃岐獅子の解説板です。
内容は讃岐の獅子頭について解説されています、この地方の獅子頭は、張子で作られたもので、全国で作られる獅子頭に比べ軽量に仕上がり、それにより激しい獅子の動きが可能になっているそうです。

解説板の表は獅子頭

f:id:owari-nagoya55:20200502125930j:plain 獅子頭から左に細い参道があり、そこから奥殿と本殿方向に繋がります。
左上 手前から一宮天満宮、素婆倶羅社・・・・・
右 一宮天満宮を除き本殿は春日造り。

f:id:owari-nagoya55:20200502130146j:plainその参道の右
予科練海軍飛行兵の冥福と平和を祈って建立された海軍少年飛行隊の碑やこの地から戦地に出兵し犠牲になられた方々の忠魂の碑などがこのエリアに祀られている。

f:id:owari-nagoya55:20200502130214j:plain 再び北参道に戻り参道入口へ。
表参道に比べ鳥居も社号標は古めかしいけれど、掲げられた扁額は新しい。
北参道狛犬獅子頭に似た顔つき、前屈みで尻尾を立てた勇猛な面々だ。

f:id:owari-nagoya55:20200502130247j:plain 上
桃太郎のモニュメント
田村神社祭神の倭迹迹日百襲姫命は桃太郎のモデルとなった吉備津彦の姉にあたる事からこの像が建てられたようです。

北参道の左に再び赤い鳥居が連なります。
この参道にも八咫烏などのモニュメントが安置されています。

f:id:owari-nagoya55:20200502130317j:plain 上
赤い鳥居の先は鐘楼門があり、大きな狸が現れた、ここまで来れば今更驚くことはない。

梵鐘には天地の罪穢れを祓うための文言「大祓詞」が彫られているそうで、夜間以外は鐘をついてもいいようです。

f:id:owari-nagoya55:20200502130345j:plain 上
鐘楼門の先に樹齢を重ねた楠の巨木が聳えています、幹の太さ、枝ぶりは周囲の木々とは別格です。
その根元に「お迎え布袋尊田村神社の象徴でしょう。
北参道から参拝に訪れると金色で大きな布袋様がお出迎えしてくれます。

北参道の大鳥居。

f:id:owari-nagoya55:20200502130414j:plain 北参道の大鳥居と大楠、周囲の建物からその大きさをイメージしてください。
中央の鳥居は鐘楼門の鳥居、笠木に二匹の龍の頭が描かれ、尾は柱に巻き付いています。

讃岐國一ノ宮 田村神社、水神信仰を根源とした歴史と伝説が伝わる威厳のある神社です。

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 讃岐国一ノ宮 「田村神社
創建 / 709年(和銅2)
祭神 / 倭迹迹日百襲姫命、五十狭芹彦命、猿田彦大神、天隠山命、天五田根命の五柱
末社
宇都伎社
祭神 / 大地主神、倉稲魂神
素婆倶羅社
祭神 / 少彦名神
一宮天満宮
祭神 / 菅原道真
住所 / ​香川県高松市一宮町字宮東286