「船頭平河川公園の蓮と船頭平閘門」愛知県愛西市

2022/06/11
 愛西市立田町福原にある、国営木曽三川公園「船頭平河川公園」の河川公園の蓮と船頭平閘門(こうもん)を見に出かけてきました。

名古屋から東名阪自動車道を利用、長島ICで降りてから木曽川を遡り、40分程で国営木曽三川公園「船頭平河川公園」無料駐車場へ。
東名阪自動車道は工事渋滞が出来る事もあり、高速を避け下道を利用するのもあり。

東に木曽川、西に長良川揖斐川が流れ、その先には養老山系が聳え、駐車場のすぐ南側の長良川左岸が国営木曽三川公園船頭平河川公園。
 目の前に広大な芝生と園内には水生植物が植えられていて、これからの時期は蓮の開花が近づいてくる。
写真は2022/6/11時点の蓮園の様子。

園内をぐるっとひと回りしてみましたが蓮の花には・・・・・少し気が早かったか。

それでも自分と一緒で気の早い蓮が唯一一凛花を咲かせていました。

広い園内で唯一見かけた蓮の花、小雨が降る生憎の天気の中、淡いピンクの一輪の花がとても印象に残ります。
園内の蓮は蕾が徐々にふくらみはじめています、あと一週間もすれば一面蓮の花が広がるのでは。

木曽川を越えた愛西市森川町の森川花蓮田とは一味違ってしっとりと落ち着いた雰囲気の中鑑賞できます。
因みに帰宅の際に森川花蓮田や周辺の蓮田を通りがかりましたが一輪も咲いていませんでした。

蓮には早かったようですが公園には船頭平閘門(こうもん)もあり、そちらにも足を運んで見てはどうだろう。

 今でこそ木曽、長良、揖斐の三川は綺麗に三つに分かれ流れてはいるが、往古は一つに合流し多くの分流が出来ていた。
川は豊かな土壌の平野を作り稲作に都合のいい土地をもたらしてくれた。
 反面、一帯は常に水との鬩ぎあいの場だった。
御囲堤や三川分流、輪中や水屋など治水や独特の施設が生まれる事になる。

 船頭平河川公園の最大の見所にこの船頭平閘門がある。
三川分離で治水が出来て一安心、反面それまで舟で自由に行き来できた隣の川は「ちょっと待てぇ、河口まで行くんかい?」となる。
 それを解消する手段として1899年(明治32)に着工、1902年(明治35)に竣工した施設が閘門。舟のバイパスだね。

公園から歩いても1~2分。
 閘門から長良川方向を眺める、閘門を隔て隣り合う木曽川長良川とは水位が違っています。
 閘門は二つあり、門で仕切られた空間「閘室」に舟を入れ、扉を閉じ其々の川の水位に合つたところで出口の閘門を開け航行するものです。
閘門の下部に小さな門があり、閘門全体を開放せず閘室に緩やかに水を満たす事ができるので舟に乗っているとエレベーターのような感覚かも知れない。

閘門前に着いた舟は閘門前でドアのインターフォン押して開けてもらいます。
 写真中央の紐がそれで、神社よろしく鐘を鳴らして担当者に知らせ、スピーカーでコミュニケーションを取ります。

「通してくださ~い」

今も現役の閘門、施設の詰所には担当者が詰め、扉の開閉をコントロールする。
 「毎度、開けるわな、開いたら中で待ってや、水入れるんで」・・・なんてやり取りがあるのかもしれない。

巨大な閘門を開け閉めする駆動部。

大きなギアを介し開け閉めされる。

閘門扉が開いたところで舟を閘室の中に進め、再び閘門扉が閉められ密閉されます。

そして閘門扉の下にある給水扉が開けられ徐々に水位が上がり始めていきます。
 これがエレベーター。
パナマ運河の小さい版といってもいいだろう。
 料金箱やETCなど見られず一般には無料開放されています。
生活や物流の舟の利便性を高める目的から始まった閘門、今ではレジャーボートや水上バイクの利用が多いようです。
 長良川河口堤にもこうした閘門が設けられていますが、規模は大きく閘室に水が満たされる際は結構荒々しく、カヌーで水位調整を待つときは結構怖かった記憶がある。
その頃のカヌーは今も物置で眠っているけれど、使えるようであれば一度通って見たい気にさせる・・・が若くはないか。

やがてエレベーターは止まり目的の河川と同水位になると再び出口側の閘門扉が開かれ、航路が現れ何の抵抗を受ける事無く隣の河川に渡る事が出来ます。
 写真は木曽川側から閘門の眺め。

この辺りに閘門扉が保存展示されています。
 木曽川長良川の間をつなぐ船頭平閘門。
明治以降1994年(平成6)に手動から電動化、改修工事が行われ建設以来現役で今も現役で稼働している閘門。
 2000年(平成12)に国の重要文化財に指定されています。
指定理由は
・ 数少ない明治期に建造され現在も使用されている閘門である事。
・ 複閘式閘門として最も初期のもの。
ここには改修工事の際交換された初期の扉が保存展示されている。

扉脇に閘門の解説。
 門は縦7.6㍍、横3.2㍍、重さ10㌧の大門扉と縦6.8㍍、横3.2㍍、重さ9㌧の小門扉の二重扉。

下から見上げる扉はまるで城門か要塞の扉。
 この閘門の計画を進めたのがオランダ人土木技師ヨハネス・デレーケ。

園内の芝生広場の一画に銅像が一つ置かれています。

船頭平閘門の建設に貢献したオランダ人土木技師ヨハネス・デレーケの銅像

園内に掲げられた「伊勢湾台風のあらまし」
 先人の智恵と技術で今は穏やかな表情を見せる木曽三川、この事は過去の事と胡坐をかいて楽観視していると今の気象は想定外の姿を見せてきます。
自然の力を見くびってはいけない。

 船頭平河川公園の蓮どれくらいで見頃になるかなぁ、一週間も待てばもう少し咲いてくれるかナ。
仮に見頃は早くても、たまには視界の広がる郊外でゆっくり過ごすのもいいものです。
 徒歩圏内に神社や資料館などもあるようです。

最後に、公園に向かう堤防道路はガードレールもなく、車は結構な速度でかっ飛んで行きますが、ネズミ捕りにかからない程度の速度違反で留める事をお勧めします。
 どうせ橋の信号や橋を渡るのに必ず渋滞する場所です。


木曽三川公園船頭平河川公園の蓮と船頭平閘門
休園日 / 毎月第2月曜日(休日の場合は直後の平日)、8月は第4月曜日 12月31日、1月1日
開園時間
・4月1日~6月30日 9:30~17:00
・7月1日~8月31日 9:30~18:00
・9月1日~11月30日 9:30~17:00
・12月1日~2月末日 9:30~16:30
・3月1日~3月31日 9:30~17:00
☎ / 0584-54-5531
所在地 / ​愛知県愛西市立田町福原272
訪問日 / 2022/6/11
・駐車場無料、徒歩圏内に神明社八幡神社
車アクセス / 名古屋から東名阪自動車道利用 / ​​約40分​​、名古屋から一般道 / ​約60分