稲置街道を行く 「三光稲荷神社」と「猿田彦神社」 

前回掲載した針綱神社、その写真の中にも映り込んでいた赤い社殿。
今回は「三光稲荷神社」とその西に鎮座する「猿田彦神社」を掲載します。

f:id:owari-nagoya55:20210706115030j:plain三光稲荷神社」と「猿田彦神社」は針綱神社の西に隣接しており、三光稲荷神社の社地に猿田彦神社が鎮座しています、こうしてみると三社が一つの様に見えますが其々は独立しているらしい。
とはいえ、三社は参道で繋がり閉鎖的な感覚は感じられません。

f:id:owari-nagoya55:20210706115046j:plain本町通から針綱神社の鳥居を左に進むと隣接するように三光稲荷神社の社頭。
神仏習合で三光寺とも称したが、明治の神仏分離により三光稲荷神社に改称した。
拝殿までは緩やかな石段を上った正面にあり、途中に手水舎、銭洗い神社、猿田彦神社があります。

f:id:owari-nagoya55:20210706115106j:plain銭洗稲荷神社
神水でお金を洗うと増えて戻ってくるとされ、清浄した福銭を持っているだけで一家繁盛、子孫長久になるとされる。社務所で受付しているようです。

f:id:owari-nagoya55:20210706115124j:plain猿田彦神社

f:id:owari-nagoya55:20210706115144j:plain千社札がいっぱい貼られた拝殿
みちひらきの神 猿田彦大神を祀り、建築、方位除け、災難除け、開運、事業発展、五穀豊穣、大漁満足、家内安全、交通安全、海上安全など、多くの御神徳を与えてくれる。
 

f:id:owari-nagoya55:20210706115207j:plain猿田彦神社左に二社
右手が山之神。
左の虫鹿子守神
馴染みがなくよく分からない、三匹の虫から守ってくれるのだろうか。

f:id:owari-nagoya55:20210706115224j:plain三光稲荷神社拝殿から本殿方向の眺め。
本町通りを進むカップルの大半は正面の針綱神社ではなく三光稲荷神社に向かっていきます。

右の稲荷鳥居を進めば犬山城登城道に繋がっています。

f:id:owari-nagoya55:20210706115243j:plain三光稲荷神社の創建は定かではなく、1586年(天正14)の伝承もあるようです。
もともとは社頭を西側に進んだ丸の内緑地公園(三狐寺山)に鎮座していたという。

古くは信長の叔父織田信康に崇敬され、後に犬山城主成瀬家の守護神と崇敬を受け、天下泰平、五穀豊穣、商売繁昌、交通安全の祈願を祈願し数々の神宝が寄進されたという。
1964年(昭和39)…?、東京五輪の年に現在の地に移築されたようです。
近年は良縁や恋愛成就の祈願に訪れる女性やカップルのスポットになっているようで、境内にはハート型の絵馬で溢れている。

拝殿上に掲げられた奉納額に描かれた狐は、普段見かけるきつい表情とは違い、微笑ましい表情で見つめあう姿は願掛けに訪れる方の目指す姿が現れている気がする。
……そんな頃もあったもんだ。一人より二人がいい、がんばれ。

祭神は宇迦御魂大神、猿田彦大神、大宮女大神。

f:id:owari-nagoya55:20210706115305j:plain

拝殿右に安置される「風輦神輿」
由来は犬山城の北を流れる木曽川、その下流葉栗郡北方村の住民らにより制作奉納されたもので1880年(明治13)に三光稲荷神社に奉納された。
1989年(平成元年)に塗装等修復の手が入れられた事もあり、神輿は美しい黄金色に輝いていた。

f:id:owari-nagoya55:20210706115320j:plain拝殿右に西向きの社が二社あります。
ここにはピンクのハート絵馬が一杯かけられている、写真は右手の社で「三狐地稲荷神社」

f:id:owari-nagoya55:20210706115341j:plainその左は「御縁の松と女陰石」
解説は以下
「三狐地稲荷社御縁の松と女陰石御縁の松は、当社御祭神大宮女神歌舞、音楽の御祖神の御神慮により、遥か5㌔東南の地に吾が神霊をもって、育てられしものなり。
のち此の神庭に移して、あまねく諸人の幸なる良縁・諸願成就を叶え給わる神木をして祭られり女陰石は、この御縁の松の御導きにより、良縁を得られし信者が、さらなる子宝と安産を誓願するために奉献されたもの。
女陰は神秘にして且つ崇高なり。よって皆様方、この御神木を仰ぎ御霊石に触れられいただき、心を込めて御祈願されんことをお伝えします」

左の椥の樹は古くから縁結びに御利益があり、椥(ナギ)の葉を鏡台の引き出しに忍ばせておけば思う人と結ばれ、財布に入れておけばお金の縁が切れないと言われている。

f:id:owari-nagoya55:20210706115359j:plain姫亀神社
祭神は大宮女大神、男女良縁・家内円満・夫婦和合の御神徳があるという。

境内は金運、恋愛、安産などのテーマパークのようだ。

f:id:owari-nagoya55:20210706115418j:plain三光稲荷神社本殿
稲荷鳥居の辺りに来ると流造の本殿が見られる。

f:id:owari-nagoya55:20210706115436j:plain稲荷鳥居を抜け登城道から見る三光稲荷神社
赤い鳥居と背後にピンクの♡型の絵馬、映え写真の撮影スポットのようですね。

右の社号標は「三光神山稲荷神社」とある、年号を見忘れました。
その後方の鳥居と社号標は「三光稲荷奥の院」で、本殿域には小さな社が鎮座しています。

f:id:owari-nagoya55:20210706115455j:plain犬山城登城道から見る三光稲荷神社
ここを登れば針綱神社拝殿を右に見て国宝犬山城に続きます。

この登城道には岩坂門、黒門、松の丸門、矢来門、中御門等の礎石が残り、小さな犬山城ですが防御は固かったようです。
城の北側の断崖絶壁にも木曽川に続く門が築かれたようです。
それらの門の一部は一宮市の徳林寺、扶桑町の専修院、犬山市内の常満寺などの山門として移築され現存しているという。

f:id:owari-nagoya55:20210706115513j:plain今回は城には寄らず、登城道を下って猿田彦神社の西に向かいます。

f:id:owari-nagoya55:20210706115532j:plain中御門から西に進むと展望が広がる。
断崖の上に建つ犬山城と下を流れる木曽川、北側からは攻めたくない立地です。

f:id:owari-nagoya55:20210706115552j:plain西方向の眺め、
左手に見える社殿は「犬山神社」
道路の先に見える森が丸の内緑地公園(三狐寺山)、嘗ての三光稲荷神社の鎮座地。

2021/3/9

三光稲荷神社
創建 / 不明
祭神 / 宇迦御魂大神、猿田彦大神、大宮女大神
境内社 / 三狐地稲荷神社、姫亀神社、銭洗い稲荷神社、三光稲荷奥の院

猿田彦神社
創建 / 不明
祭神 / 猿田彦大神
境内社 / 山之神、虫鹿子守神

所在地 / ​犬山市北古券65-18
公共交通機関アクセス / 名鉄犬山線「犬山遊園」下車、西へ徒歩15分程
関連記事 / 

owari-nagoya55.hatenablog.com