『深見 磯崎神社・農村舞台・薬師堂』豊田市深見町大屋

迫町にある磯崎神社から猿投山東麗の国道419号線を南下し、深見町大屋に鎮座する深見磯崎神社へ向かいます
迫磯崎神社から国道419号線を南下します。深見細田交差点に到着したら右折し、そこから約1キロメートル直進します。その後、右手に神社の社頭が見えてきます。移動距離は約3キロメートルで、車を利用すれば10分程度で到着できるでしょう

社頭の眺め
ほぼ南を向いて社頭を構え、右に大正12年寄進の「磯崎神社」社標が立てられています境内は南側は大きな杉が聳えたっており、鳥居から先の社殿は見えずらいかも知れません
駐車場はこの社頭の左側に小道が伸びており、その先に駐車余地があります

写真は駐車場から社頭方向の眺め
中央の建物が迫 磯崎神社で教えて頂いた深見 農村舞台になります
ここから境内に向かえますが、まずは鳥居に向かいます

社頭全景
右に社標と一対の常夜灯、明神鳥居からはじまる杉並木の先に社殿が見えます

鳥居扁額は「磯崎神社」
迫地区からほんの少し離れた深見地区にも同名の神社が鎮座するので困惑するかもしれません

参道を進んだ左の手水舎
右手に見えている建物は深見農村舞台となります

参拝当日は手水鉢に清水は張られておらず、龍も手持無沙汰な様子でした

舞台から社殿の眺め
舞台と社殿の間には広々とした境内があります

舞台側面に令和5年度の深見農村舞台のプログラムが貼られていました
昨年は10月7日に開催され、鑑賞には入場チケットが必要なようです

舞台斜景
入母屋平入で舞台正面には一本の柱もない
深見農村舞台の建立は棟札から明治34年(1901)とされます

岩倉神社の舞台同様、床面に直径約5.5㍍の回り舞台を備えたもので、昭和62年(1987)に屋根を主とした修復工事が行われたものが現在の姿

舞台は茅葺屋根で庇が瓦葺のもので、その屋根を太い梁が支えている

今も現役の回り舞台

舞台正面の眺め
10月にはこの広い境内に観客が集い、神さまと共に農村歌舞伎を楽しむ
自分自身農村歌舞伎を見た事がないので一度は訪れて鑑賞したいものです

農村舞台から境内全景を眺める
広い境内奥の高みの特等席に社殿が築かれ、中央に磯崎神社社殿、右側に薬師堂が建てられており、先に訪れた迫の磯崎神社と深見磯崎神社は配置は異なりますが共通するものがある

まず、深見磯崎神社参拝の前に、原点とも言える社殿の右側にある薬師堂から始めます
元亀元年(1570年)に建立されたとされる棟札が残っており、慈覚大師作の薬師瑠璃光如来像が祀られています
この像は東方薬師如来と呼ばれ、猿投神社東ノ宮の薬師領に安置されていたものが移祠されました
磯崎神社が建立されるまでは、産土神や医薬延命の守護として崇められ、昭和初期までは住職も在住していました
現在は地区が清掃と月祀りを受け継ぎ、旧暦の10月8日には薬師祭が営まれています

堂の扉は普段は閉じられていますが、堂内の須弥壇には本尊、脇侍の日光・月光菩薩十二神将像、西側の祭壇には本尊の阿弥陀如来像、脇侍の善導大師、法前上人が祀られているそうです

やはりこの辺りにあって、御神体の猿投山と猿投神社には所縁があり、深見 磯崎神社が猿投神社東峯の東ノ宮の薬師如来を祀る東方薬師と云う事だと、西峯の西ノ宮の観世音菩薩を遷した社寺もあると云う事だろうか

これまで低山トレッキングの通過点として猿投神社や猿投山を訪れてきましたが、最終的には参拝目的で御神体の猿投山と猿投神社を訪れることになります
それは猿投山をぐるっと一周廻り終えてからのことになるだろう

拝殿正面全景
石段手前には一対の狛犬と解説が立てられています

「十四等級 磯崎神社 旧村社
鎮座地 西加茂郡藤岡町大字深見字大屋38番地
祭神 大己貴命少彦名命
由緒
   この地深見郷は武田王の後裔武田氏の居住した所
   社家武田氏社僧、神宮寺あり
   元亀元年(1570)名僧慈覚大師作の薬師如来の像を祀る
   江戸時代には里山産土神と崇め奉る医薬延命守護として信仰を集めた
   明治の制度改めにより薬師如来を廃し、明治6年祭神を改め、同8年11月社殿建立し磯崎神社となる
   同年村社に列格
例祭日 10月第1日曜日
社殿 本殿13坪、拝殿21.33坪、小宮2.08坪、舞台30坪
境内坪数 1090坪   藤岡町観光協会

解説の他に西加茂郡誌、愛知県神社庁から得られたものを下に追記します
大正15年出版の西加茂郡誌 「氏子数56戸、例祭 献馬・棒の手」
愛知県神社庁では「例祭 10月第2日曜日、氏子地域 深見町」の記載があった

深見自治区地域誌の深見磯崎神社紹介から抜粋した内容は以下
明治6年(1873)の改号に際し茨城県大洗磯前神社より勧請
 境内社 洲原社、伊勢社、岩津社、山之神社、市杵島社、鎮守社、琴平社む、蚕霊社、秋葉社
 天王社、常夜灯社」が祀られている
祭神
大己貴命 (大国主命)
 国土開発、殖産、医療などの知識・文化を授け、縁結び、子授け、夫婦和合、五穀豊穣、養蚕守護
 医療、病気平癒、産業開発 交通・航海守護、商売繁盛など御利益がある

少彦名命(本医薬の祖神)
 医療の知識や農耕の技術を広め、温泉を発見し、酒の作り方を伝え、国家安泰、病気平癒、健康祈願
 農業技術、商売繁盛、旅行・交通安全など御利益がある
境内社
洲原社 豊作、厄除け、夫婦和合、子授け
伊勢社 神宮より天照大御神を勧請
岩津社 学問、病気平癒、厄除け、縁結び、安産
山之神社 入退山時の無事、山の恵み
市杵島社(通称弁財天)金財運、知恵、長寿、芸能
鎮守社 氏神
琴平社 金運、縁結び、商売繁盛、健康
蚕霊社 養蚕守護
天王社 除疫
常夜燈社 村中の安全・秋葉社の付属的なもの
秋葉社 防火
社殿は明治8年(1875)建立、平成6年(1994)現在の社殿を造営」と記載されていました

拝殿前の石段入口を守護する狛犬

石段から拝殿の眺め

拝殿額は「磯崎神社」、神門は左三つ巴だろうか

拝殿左の境内社
正面の覆屋には6社、覆屋左に1社祀られています

左から常夜燈社、秋葉社、蚕霊社、琴平社、鎮守社、市杵島社

天王社

拝殿右の二社

左が山之神社、岩津社
これで境内社全て参拝したはずですが、地域誌にある境内社の洲原社、伊勢社が見当たらない
どこかで見落としているのかもしれません

境内左の社務所側から社殿全景
切妻妻入りの拝殿と切妻平入の鞘殿が一体となったもの

訪れた時はピンクの八重桜が見頃を迎えていました


深見 磯崎神社・深見 農村舞台・薬師堂
創建 / 不明
祭神 / 大己貴命少彦名命
境内社 / 常夜燈社、秋葉社、蚕霊社、琴平社、鎮守社、市杵島社、天王社、山之神社、岩津社
所在地 / 豊田市深見町大屋38
津島神社・二十三夜塔から車アクセス / 国道419号線を南下深見細田交差点右折、直進1km先の右側、​移動時間約5分程  
参拝日 / 2024/04/06
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