粉河寺(3/5)今回は大門から中門までの伽藍を見ていきます。
「大門」重要文化財指定。
入母屋瓦葺の二層の楼門で左右に金剛力士像が安置されています。
鬼瓦に1707年(宝永4)の刻銘が残る事から建立はその頃ではないかとされます。
上層の斗栱に雲肘木と尾捶を使って大きな軒を支える構造は当時としては珍しいものらしい。
大きさだけではなく、全体を朱?で赤く塗られ、存在感のある門です。
阿形
力感溢れる像は「仏師春日作」によるものと云われ、門から少し離れていてもその存在感が伝わってくる。
吽形
大門の解説板。
大門をくぐり、とんまか通りの眺め、「大神社」の大楠も良く見える。
大門は細かな彫飾りなどは見かけません、質実剛健とでも云えばいいのかな。
大門から先は石畳が中門まで案内してくれます。
大門をくぐり最初に現れるのが不動堂。
弘法大師爪彫りの不動明王を祀る、内部は暗く姿を拝むことは叶わなかった。
方型瓦葺で拝所に向拝が付く。
中津川路改修碑(左)と粉河寺案内図。
長屋側右岸沿いに参道は続き、参道左側に複数の堂が並びます。
正面に見える入母屋の屋根が本堂。
子育て地蔵。
1734年(享保19)地元の鋳物師木村安成の作とされ、子供の無病息災を祈願する仏が安置されている。
後方は本坊。
羅漢堂
寄棟瓦葺で詳細は分かりませんでした。
鰐口の先に見える色褪せた彫飾りに魅かれて立ち寄ってみましたが、羅漢像だと思いますがアップにしても今一つ分かりません。
仏足石
二つの石碑とその前に釈迦の足跡が刻まれた石が置かれている。
紋様は千輻輪相を表し、その大きさは人徳の偉大さを象徴するとした信仰の対象。
出現池
本尊千手観音の化身 童男大士が柳の枝を手に白馬に乗ってこの池から出現したとされる。
左の赤い堂は三角堂と呼ばれそこに千手観音が安置されています。
正面に安置されている石像が童男大士。
右に馬蹄石があるらしいが、窓の直下で捉える事は出来ませんでした。
童男大士は現世利益の佛として殊に病気平癒の霊験があらたかとされ、祈願成就の際はこの池に鯉を離す風習があるそうです。
左が本坊、右に童男堂。
本坊全景。
童男堂
千手千眼観世音菩薩の化身といわれる童男大士を祀っています。
棟札から建立は1679年(延宝7)とされ、正堂と礼堂でなり、正堂内陣小壁、板壁の障壁画、天井絵は見事なものだと云う。県指定文化財。
念仏堂
入母屋瓦葺の千鳥屋根と唐破風向拝が施されている、 江戸時代後期に建立されたとされる。
光明殿とも呼ばれ阿弥陀如来が安置されている。
粉河寺阿弥陀如来坐像。
1862年(文久2)に紀州藩主徳川重倫や、妹光安院の生母、清信院の寄進により寄進されたもの。
太子堂。
寄棟瓦葺のこぢんまりとした堂。
文字通り聖徳太子を祀っています。
ここまで来ると境内は広がりを見せ、正面に手水舎と奥に中門、左に本堂が間近になってきます。
重厚感のある手水舎。
盥漱盤(かんそうばん)は1775年(安永4)、粉河鋳物師蜂屋薩摩掾五代目源正勝の作で、銅製の蓮の花と葉をかたどったもの。
今も現役で清水を注ぎ続けています。市指定文化財。
朱の大門とは趣も違ったシックな佇まいの中門が迫ってきました。
住所 / 和歌山県紀の川市粉河
公共機関アクセス / JR和歌山線「粉河」下車北へ徒歩15分程
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