『瑞雲山江国寺』 滋賀県彦根市 

滋賀県彦根市本町2 瑞雲山 江国寺

祥壽院大信寺から西に徒歩5分もかからない場所に鎮座し、ツアーバスが駐車した駐車場の向いに趣のある二層の門に目が止まり外観だけ写真に収めてきた。

瑞雲山江国寺は臨済宗妙心寺派の聖観世音菩薩を本尊とする寺院。
入母屋瓦葺の二層の屋根を持ち、上層には高欄が付く趣のある佇まいの二重門。
今にもなにかふりそうな鉛色の空の下、シックな渋い色合いの門は存在感がある。

上層の山号額はどなたの揮毫によるものかは読み取れないが「瑞雲山」とある。

門前左にあった本尊の聖観世音菩薩の解説。
彦根市指定文化財【彫刻】
木造聖観世音菩薩坐像平安時代
木造聖観世音菩薩坐像を本尊とする江国寺、当初は安清村に存在したと伝わる。
寛永13年(1636)、彦根藩2代目藩主井伊直孝により現在の場所に再興される。

本尊は小さな像ながら量感に富み、像全体のバランスが整った安定感のある聖観世音で10世紀末から11世紀初頭の作。

大津市西教寺の木造聖観世音菩薩立像(重文)は、この江国寺像に似ており、同一仏師か工房の作と思われる。
現在は古色で表されていますが、顔面下方に僅かなに漆箔の跡が残ることから造像当初は漆箔像と思われる。

江国寺に本尊が伝わった時期は定かではないが、造仏が盛んとなった11世紀半ば以前に造られた仏像の作例は少なく貴重。」

どのような像か彦根市文化財リストを追ってみたが画像としては公開されていなかった。
近江の地史を調べていたら再興前の記述が見つかりそれによると。
江国寺の始まりは安清村に金剛寺宝珠院として慶長19年(1614)に創建されたものという。
以降は解説にある内容でした。
安清村は当地から東へ15分程のひこね芹川駅北側辺りにあたると思われます。

江国寺の象徴とも思える二重門、安清村から移築されたものか、再興時のものかはよく分からなかった。
なにか降ってきたぞ。

門から本堂の眺め、扁額は江國寺とある。

境内右の大黒天堂。
観光協会の解説ではこの堂内には、赤穂浪士でお馴染みの大石内蔵助が終生護持仏とした大黒天が祀られているという。

小さな境内ですが、寺町の一翼を担う歴史を持つ寺の一つです。

瑞雲山江国寺
宗派 / 臨済宗妙心寺派
創建 / 慶長19年(1614)
再興 / 寛永13年(1636)
本尊 / 聖観世音菩薩
所在地 / ​滋賀県彦根市本町2-3-22
参拝日 / 2022/12/27
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