名古屋市中村区名駅南5 「津島神社」

名駅付近の神社巡り。
五社目は笹島交差点から広小路通りを柳橋方向に500㍍程の中村区名駅5にあたり、津島神社はビルの谷間に鎮座しています。

上は1898年(左)とほゞ現在の地図、赤矢印が津島神社の位置になります。
鎮座地のすぐ西に見慣れない線路があります。
現在の名鉄の前身名古屋電気鉄道の支線で柳橋駅に繋がっていました、駅からは路面電車柳橋電停があり、この辺りは市内の交通の拠点となっていました。
鎮座地前を東西に延びる広小路通りも、路面電車(栄町線)が走っていましたが、それも1957年の地下鉄東山線の開通以降、1971年には市内を走っていた路面電車は姿を消しターミナルの役割を終えます。
現在は地下鉄名古屋駅伏見駅の間となり、少し不便な地の利になっています。

ビルの谷間に佇む津島神社全景。
かつて路面電車の行き交った通りには忙しなく車が行き交う。

東向きの社頭の右に津島神社社標、鳥居は神明鳥居を構えています。

境内は左に小さな社務所があり鳥居正面に社殿がある。
社標をよく見ると側面にも文字が刻まれています。

両側面には秋葉神社熱田神社と彫られています。
この組み合わせは、町中の軒下に祀られる屋根神さまと同じ、地に降りた屋根神さまだろうか。
西に江川(現在の江川線)と東の堀川に挟まれていたこの町、過去の村絵図から探してみるも見つからず、地史や神社庁で調べるも、屋根神さまとも、創建時期や柳橋駅建設や江川の暗渠化に伴い遷ってきたものか、確たるものに出会えなかった。

ビルの谷間の限られたスペースにありながら、そこには肉付きの良い狛犬もいる。
なんだか狛犬に見られているようで妙に落ち着けない。
こうして見ておきながら境内の寄進物の寄進年を見忘れていた。

そう感じさせるのはこの貼り紙の影響もあるだろう。
ビルの陰で見られていないとでも思うのかもしれない、今のご時世そんな訳がない、必ず見られている。
犯罪を犯し怯える日々を過ごすくらいなら、立ち止まれないものだろうか。
忘れたころに結果は現れるものです。
賽銭を入れ参拝させてもらう。

覆い屋の下に祀られている三社相殿の本殿は、檜皮葺屋根に十本の鰹木と内削ぎが付く神明造。
祭神は須佐之男神、火具土神、熱田皇大神と思われ、屋根神さまと見るには無理がある立派な社殿。
普段ならここで燈籠や社頭、境内を見渡すところですが、マスクをした怪しいおやじが境内を徘徊していると不審人物と捉われかねない、小心者のおやじはここまでが精一杯。

ビジネス街のビルの谷間にぽっかりと開いた空、津島神社はコンクリートの杜に包まれています。

津島神社
創建 / 不明
祭神 / 須佐之男神、火具土神、熱田皇大神
参拝日 / 2023/04/27
所在地 / ​名古屋市中村区名駅5-38-3
秋葉神社より津島神社 / 江川線を北上​徒歩10分
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