『出雲大社末社 下宮』

稲佐の浜の駐車場から東の細い路地を1分程進んだ三叉路の角に、樹が生い茂る大岩があります。
その岩の東側で出雲大社に向かって鎮座するのが出雲大社末社の一つ下宮になります。

旧暦10月、稲佐の浜から全国の神々が訪れ、「神議り」が行なわれる上宮の手前60㍍程の所に位置します。
因みに社殿の前から奥に続く生活道路の200㍍程先には、古事記にも記されている天照大御神が満を持して遣わした建御雷神と大国主命の「国譲りの交渉の場」とされる「屏風岩」に至ります。
屏風岩に社殿などはなく、屏風状の古い大岩があるだけです。
自分は参拝しませんでしたが、下宮・上宮から少し離れますが、屏風岩から奥に進むと出雲大社の摂社で建御雷神を祀る因佐神社に続きます。

海岸沿いから一歩踏み込んだ住宅街にポツンと大きな岩がある。
一帯は砂地のように見え、往古はこの辺りまで波打ち際でこの岩も磯に聳えていたのかもしれません。
そんな岩にも樹々は逞しく生い茂り、岩と共に海風から社殿を護っているようにも見えてくる。

檜皮葺の一間社流造で、創建時期は定かではないですが、延享元年(1744)に再建され、平成19年(2007)に仮殿遷座祭が執り行われているようです。

社殿前の解説は以下のような内容。
出雲大社末社 下の宮
御祭神 天照大御神
由緒 天照大御神は皇室の御祖先神です
優れた御霊徳で、御神徳は広大無辺とされます
祭日 1月13日、9月13日」
と書かれています。

稲佐の浜で砂を手にして、混みあう出雲大社の駐車場に早く駐車したいところですが、下宮が鎮座するこの通りを歩いてみるのもお勧めです。