春日大社『境外末社 手力雄社』(奈良市橋本町)

これまで春日大社社地を参拝してきました。
今回は興福寺三重塔の南側の三条通りに鎮座する春日大社境外末社「手力雄社」を掲載します。
鎮座地は近鉄奈良駅から南に進み、三条通りを左に進んだ興福寺三重塔の南に鎮座し、駅からだと5分程で
高速餅つきの店と通り左に立つ高札が目印になります。

上は寛政3年(1791)に編纂された大和名所図会の興福寺の挿絵。
興福寺は幾度か焼失しており、江戸時代の享保2年(1717)の火災で一部を除き伽藍を焼失しています。
挿絵の興福寺が描かれたのは最後の焼失後のものとなります。
現在、手力雄社は春日大社境外末社となっており、ここから少し先の猿沢の池の脇にも春日大社境外末社采女神社が鎮座しています。
こうして手力雄社を見ると興福寺の鎮守社のように見えてきます。

大宮の摂末社に水谷九社・若宮十五社巡りで参拝した他に、境外末社だけでも手力雄社や采女神社を含め15社あるようで、それら巡拝するには一日がかりになるんだろう。

高札と春日大社末社手力雄社全景。
様々な定が板面に記され、人々に周知させることが目的の高札なので、それだけ人の往来が多いということ。
高札に目を通さず先を急ぐのもいいが、読んで見ると面白いこともかかれ、手力雄社に纏わる神話を記したものもある。

見上げるような高見に続く石段、その先に朱の社が祀られています。

三条通りを行き交う観光客は多いものの、鳥居や社が高所にあるからか、足を止める姿は少ないようです。

後方は興福寺会館で、春日造りの社は会館を背にして南向きに鎮座します。
創建の詳細は不明、祭神は手力雄神をお祀りする。
力の神、技芸の神で技芸上達、スポーツ上達、五穀豊穣、開運招福、災難・除災の御利益があると云う。
天岩戸神話所縁の神さまで、放り投げた岩戸が遥か長野まで飛んで行き、戸隠神社御神体戸隠山になったとか。
三条通りから春日大社へ向かう際には、手力雄社に足を向けて見てはどうだろうか。
また、猿沢の池の脇で池を背にして鎮座する采女神社、当日は扉が閉ざされ参拝できませんでした、開門されるのは珍しい様で運よく開いていれば立ち寄ることをお勧めします。


春日大社境外末社 手力雄社
創建 / 不明
祭神 / 手力雄神
所在地 / 奈良市橋本町39
近鉄奈良駅から手力雄神社 / 駅から南へ進み。三条通りで左折、​徒歩5分程
参拝日 / 2023/11/30
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