『真如山大雲院 本覚寺』雲龍の絵天井

岐阜県羽島市竹鼻(たけはな)線の北側に隣接する「本覚寺」を訪ねました

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竹鼻線の踏切を超えた左に山門を構えています

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山門右に地蔵堂が参道に沿って建てられ、8体のお地蔵さまが祀られています

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曹洞宗真如山大雲院本覚寺

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山門から境内右は手前にボタンの庭園、その先に十一面観音像と瓦葺きで入母屋造りの袴腰が施された鐘楼が目を引きます

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右手奥に庫裡

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境内左に目をやると、摩頂地蔵尊と奥に睡蓮池、その左は​竹鼻線​の線路
駅が近いこともあり、電車はゆっくりと通り過ぎていきます
電車を待っているとそうした時にはなかなか来ないものです

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参道は意外に短く、すぐ先が本堂

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真如山と刻まれた山号扁額
​​​本覚寺の建立がいつなのか詳細は不明ですが、北条氏の外護を受ける天台宗の寺院であったらしいけれど、いく度かの盛衰の後、1558年(永禄元年)に天台宗から曹洞宗に改宗
​1580年(天正8)不破源六広綱が竹鼻城に入城、城の改築と共に父・綱村(本覚寺殿大雲義沢大居士)のために、愛知県小牧市正眼寺から源経祖玄を招請し、本覚寺竹鼻城主の菩提寺として復興します

その後、1584年(天正12)小牧長久手の戦い(豊臣VS織田)で広綱は織田方(織田信雄徳川家康)に付くことになります
小牧長久手の戦いで敗退した秀吉は、織田方を小牧山城から引き寄せる為、竹鼻城に籠る広綱を水攻めにし、城は落城
後に竹鼻城に入城した織田秀信の家老杉浦五左衛門は竹鼻城主の菩提寺として本覚寺を残し、堂宇の整備に尽力したとされます
それも1600年(慶長5)の関ヶ原の戦いで、杉浦氏が西軍に付いた事で竹鼻城は落城
本覚寺も焼失し更地として年月を重ねることになります
そこからの復興は1681~83年(天和の頃)まで待つこととになります
1690年(元禄3)鑑室長亀が住職となり、正眼寺から乙先秀存を勧請開山、本覚寺は復興されます

本覚寺は戦火のみならず幾多の災害にも見舞われているようで、1774年(安永3)年の水害で伽藍を流失、1891年(明治24)濃尾大震災で山門を除き伽藍は倒壊したそうです
現在の伽藍は1915年(大正4)に再建され今に伝えています

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扉を開けると薄暗い堂内の正面に祀られている「おびんずるさま」と視線が合います
本堂は僅かばかりの志を収めることで入ることができます
堂内は三つの間に別れ、この中央の天井に龍が描かれています

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写真は右の間

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こちらが左の間、夕方で何れも内部照明が有るわけでもなく
写真にすると露出補正なしでは無数の仏像の様子はわかりません
日差しの入る日中だと見え方も変わってくると思います

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本堂中央の間が目指す「雲龍の絵天井」
中央の鏡と呼ばれるその全面を用い極彩色の雲龍が描かれています
薄暗い堂内の天井から眼光鋭い龍の視線がこちらを睨みます

1850年(寛永3)、幕末に大和絵師「宇喜多 一蕙」により描かれたものですか、濃尾地震で倒壊し
1914年(大正3)原画を元に画系の後嗣「森村宜稲」が修復したもので、岐阜県重要文化財に指定されています
この絵天井を見るだけでも訪れる意義はあると思います

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本堂左の竹鼻稲荷堂
赤い鳥居をくぐるには多少の勇気が必要か? 少し傾いてるね

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竹鼻城主の守護神とされたと荼枳尼天が祀られ
現在は車の御祈祷、厄払いにご利益があるらしい

稲荷堂の左にも鳥居が続いています

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こちらが奥の院
更に痛みが来ています

今回は天井絵を目当てに訪れましたが、境内には花も植えられ花の寺でもあるようです
小さなお寺かもしれませんが、彩りあふれる時期に電車で訪れて見たい寺です

真如山大雲院 本覚寺
宗派 / 曹洞宗
本尊 / 宝冠釈迦牟尼仏  
住所 岐阜県羽島市竹鼻町2434-1
アクセス / 車  ​名神高速「羽島」インターから県道46号線⇒県道151号線経由 10分程​
       電車 名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線笠松下車⇒名鉄竹鼻線竹鼻駅下車徒歩5分程