長良川鉄道で早春の奥美濃へ#2

前回の美濃白鳥・北濃に次ぐ二回目となります。

チャギントンラッピング列車で郡上八幡駅に戻り今回の最大のテーマである長良川鉄道の観光列車「ながらかわかぜ」に乗り、車窓から桜を眺めながら奥美濃の酒を飲み美濃太田に戻ります。
尚、この観光列車は当日が今シーズン最後の催行で次回は来年になります。

北濃から郡上八幡到着は「ながらかわかぜ」の発車二時間前に到着。
「ながらかわかぜ」は16:01発、約2時間は郡上八幡の散策と土産を買い求め調整します。

郡上踊りで知られる郡上八幡ですが、町内を流れる清流吉田川はアユやアマゴなどの渓流釣りのメッカでもあり、上流には水芭蕉の群生地もある郡上八幡のシンボルです。

綺麗な川の上流にはそれを育む豊かな自然があり、ひと昔前は24H無料の露天風呂があり、地元の人とも繋がりが持て、荘川のけいちゃんや山菜の見分け方など色々と教えて頂けた地元の師匠との有難い出会いにも恵まれました。
仕事終わりにテントと竿を積み込んで沢に分け入っては釣や山菜を取り、疲れたら風呂に浸かり、日曜の夜に名古屋に戻る、そんな天国のような時期もありました。
地元の師匠も亡くなり、コミュニケーションの場であった露天風呂も少し下流に有料の游星館が出来てからはすっかり縁遠くなりました。

郡上のもうひとつのシンボル郡上八幡城。
廃城令で取り壊され、石垣だけの状態だったものを、昭和8年(1933)に木造の模擬天守を再建したもので、日本最古の「木造再建城」という事です、郡上に住む人にとってシンボルといっても過言ではないものです。

町屋玄麟。
郡上の町には郷土料理を食べさせてくれるお店は今も残りますが、昨今はこうした新しい取り組みをしたお店が多数出店されています。


マイクロブルワリー兼店舗の中庭で地下の醸造所から注がれた3種のクラフトビールを飲み比べられるのみ比べセット(1000円)をオーダーし、摘みのスモークチーズで喉を潤す。
左がクリームエール、中央がビターエール、右がペールエールの三種で、多少重みのある口当たりが好みの我が家は1.ビターエール、2.ペールエールでクリームエールは個性がなく除外となった。
町屋玄麟
所在地 / ​岐阜県郡上市八幡町新町939

宮ヶ瀬橋から上流の新橋方向の眺め。
子供から一人の男として認めてもらうための試金石がここにある。
なんでもかんでも「危ない」として取り上げてしまう街とは違い誰も止める事はしない。

次の目的地は宗祇水のある場所のすぐ横にある宗祇庵。
宗祇水の横に甘味処がある事を自分は知らなかったが、かみさんは当初から目的にしていたようです。

宗祇水の横から店舗に続く石畳があり店内に案内される。

小駄良川に架かる清水橋を望む窓際の席に案内される。

テーブルにはこうしたランチョンマットをセットしてくれます。
今思えば眩しいばかりのLEDランタンの発行部分、シェードにするための素材としてもらっておけば良かったと後悔しています。

オーダーしたのは単品の抹茶庵パフェ。
極甘苦手の自分ですが見た目とは違い上品な甘さで意外にぺろりといける美味しいもの。
テーブルの演出とパフェの彩りに抹茶のWordは、幾つになっても乙女心を持つかみさんにはたまらなく魅力的なもののようです。

3月25日、窓の外の郡上八幡の樹々は春を迎え色付き始めていました。
これが少しずつ、冬景色の北濃駅へと標高を上げていきます。
宗祇庵
所在地 / ​岐阜県郡上市八幡町本町862-10

野中稲荷神社。

野中(やなか)稲荷神社。
駅に向かう途中で見かけたお稲荷さんで、江戸時代のこの一帯は郡上藩主遠藤常友の弟大助が家臣と共に屋敷を構えた地域で、遠藤家の屋敷、土地を守護する屋敷神がありその跡地に勧請されたものが野中(やなか)稲荷神社のようで、詳しい内容は現在持ち合わせていません。

16:01分発観光列車「ながらかわかぜ」がホームに到着。
その1分後に通常列車が来るらしい、僅か1分でそんな運航が出来るのか?

噂の通常列車503型が同一線路上にやって来た。

合体!
なるほど、こういう事ですか。ダイヤ上同一とすることは出来ないようで、車両の違いが1分の違いの様ですね。
連結する現場を目の前にしたのは意外に初めてのことかも知れない。

「ながらかわかぜ」車内。
当日は川風号「ほろ酔いプラン」6,300円の今シーズン最後の運航で数種類の地酒から一人2本を予め選択、地元食材の肴を味わいながら花見を兼ねて地酒も楽しめるという酒好きにはたまらないプラン。

我家の選択したお酒。
右から純米酒半布里戸籍、純米吟醸あさひの夢、大吟醸百春、母情の4種。

肴は郡上八幡の川合地区の農家お母さん組合『土里夢(どりーむ)』が「ここだけ、いまだけ」をテーマにして作られた「奥美濃の幸」。
嬉しかったのがフキノトウ、口に含んで広がる苦みは春の訪れを感じさせるものでした。
この酒の量と肴は丁度いい加減、通常車両の先で赤ら顔で酒を飲むなんて妙な気分ではある。

季節ごとにプランやボリュームが変わり値段も変わりますが、楽しいイベントなのは間違いない。

社内では郡上八幡から終点の美濃太田までコンシェルジュの方がお世話や意外に知らない観光名所の説明をしてくれ、新たな発見もあり6,300円は決して高いものではないと感じました。
一人2本の酒で物足りなければ追加でオーダーも出来ました。

到着までの約1時間半は自由に席を変え、車窓からの眺めを堪能する事ができ、僅かな距離ながら標高の違いにより桜は表情を変えていきます。

これからの時期、長良川沿線はひと時の鮮やかな緑を楽しむことが出来るでしょう。
それに合わせて長良川鉄道は新しいプランを再び用意してくれるでしょう。

郡上八幡から美濃太田までの通常運賃は1380円なので実質約5000円を高いと捉えるか否かだと思います。
個人的にはこの赤い車両に一度は乗ってみたいと思っていただけに飲み鉄には満足のできるプランだと感じました。

出来る事ならこのまま家まで届けて欲しい・・・

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利用日 / 2023/03/25