西区枇杷島3「八幡社」

名古屋市西区枇杷島 八幡社 

 双頭の龍が鎮まる男女稲荷神社から南に徒歩10分、美濃路から少し北に入った場所に八幡社が鎮座します。
社地の周囲は住宅街で北に小学校、西の家並みの間から名鉄名古屋本線の高架が見える。
 周辺の道は車で通れない細い路地となっていて、小学校付近はともかく美濃路側から車で八幡社を訪れようとするのはやめた方がいいでしょう。

美濃路から北側に伸びる細い路地を進むと前方に社頭が現れます。
 ここで視野は開け、八幡社の境内が広がります。
社頭は石の神明鳥居と左に八幡社由緒書き、右に社標が立っている。

由緒
 八幡社
祭神 誉田別尊神功皇后武内宿禰
 創建 享禄2年(1529)
元来、もっと北に鎮座する。
 慶長17年(1612)に現在地へ遷座した。
祭神とは別に津島神社(除災・招福)、秋葉神社(火災除)、洲原神社(五穀豊穣)。
 古来、「鷹八幡」と通称され江戸時代には年貢が免除(除地)された。

神明社
 庄内川堤防の上にあり、慶長7年(1602)に創建。天照皇大神を祭神とし、治水の守護神。
白山社
 もともとは国鉄東海道本線の敷地な鎮座していた、今は神明社に合祀。
男女稲荷神社
 ここが八幡社の旧神域とされる。

年間行事
 八幡社「月次祭」 毎月1日
梵天祭  6月下旬または7月上旬、宵祭・本祭・稚児行列
 天王祭  7月中旬 宵祭・本祭(神明社にて)
茅輪くぐり  7月下旬、(神明社神前にて)
 元旦祭  「鷹八幡社」全神域、12月31日(お祓いの儀式・除夜祭)
 元旦  新春「初参り」の接待
厄除け  2月初旬
 初午祭  3月(稲荷社にて)

堤防に鎮座する神明社の詳細が分からなかったが、創建や合祀について情報を得ることが出来た、加筆しなければ。

鳥居から先は四対の常夜灯、左に手水舎があり、正面の拝殿前を狛犬が守護する。
 境内右に社務所、集会場が建つ。

手水舎・手水鉢。
 残念ながら龍は不在。

1918年(大正7)寄進の子持ち、毬持ちの狛犬
 狛犬も人件費の安かった大陸にデータだけ提供、そして作られる味気ない容姿のものばかり。
この時代の狛犬だと、石工の味があり、そうして出来たものは妙な彩色をしなくても風格はある。

 もともとは仏教と共に大陸から伝来したものとはいえ、国や地域により独自に進化するものだと思う、どこに行っても個性のないコピーばかり、技術の継承においてもどうだったんだろう。
 近頃は伝統的な世界に若い世代、特に女性の姿を良く見かける、頑張ってほしいものです。

拝殿前景。
 瓦葺の切妻木造拝殿で軒瓦などに右三つ巴の紋が入り、燈籠にもその紋が刻まれている。
右三つ巴が神紋だろうか。

拝殿妻壁の彫飾り。
 正面の龍、妻飾りの波や鳥などの彫に手が掛けられている。
拝殿ないから本殿の眺め、左側には金色に輝く狛犬が一対と左右に獅子頭が置かれている。
 拝殿からは幣殿は渡廊で結ばれているようです。


 拝殿左の境内社秋葉神社

 拝殿右の境内社「洲原神社」と「津島神社
左の樹は高野撒槙、その他に広い境内には大きな楠木が聳えている。

幣殿は神明造で8本の鰹木と内削ぎの千木が付く。
 幣殿前の個性的な狛犬、垂れ耳で尾っぽは九尾の狐の様に広がったデザイン。
口に小さな玉を咥えているように見えた。寄進年代は不明。
 相棒の写真はピントが合わずこの方のみ。

本殿域全景。
 右が「洲原神社」、左は「津島神社
本殿は銅葺の流造で千木が外削ぎ、鰹木は5本。
 本殿前にも小さな狛犬が守護する、これが精一杯寄ったものですが、尻尾や鬣のデザインは拝殿前のものとは違うもの。寄進年代は不明。

社殿全景。
 社務所から幣殿は屋根で結ばれていて、北側からなら車で入れそうですが参拝者が利用していいか、それは分からない。

拝殿から境内東方向の眺め。
 玉垣で囲われた楠木の御神木、その先に忠魂碑が立っています。

社務所西側から本殿後方へ、ここから北は小学校となり、車が通れる幅員のある道もここまで。
 後方から本殿の眺め。
幣殿までは三つ巴の紋の向きが右三つ巴だったものが、本殿大棟や飾り金具は逆になっている。
 理由はよく分からない。

社頭から南の美濃街道を眺める。
 狭い路地は進入禁止でも一方通行でもないようです、この先にコイン駐車場があります。
入り込むか、駐車場に停めるかは貴方次第。

八幡社
祭神 / 誉田別尊神功皇后武内宿禰

創建 / 享禄2年(1529)
遷座 / 慶長17年(1612)
境内社 / 津島神社秋葉神社、洲原神社
所在地 / 名古屋市西区枇杷島3-9
参拝日 / 2022/07/27

公共交通機関アクセス / 地下鉄鶴舞線浄心」駅から​西へ25分程
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男女守稲荷神社から徒歩ルート / ​南へ徒歩10分程