神戸市北区有馬町「有馬六彩」

灘五郷。
西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷今津郷の5つの地域を指し、一帯には名だたる酒蔵が連なる酒処。
一泊二日でこちちらを訪れ、初日は西郷、御影郷、魚崎郷の酒蔵を歩いて訪れました。
1995年1月17日 当地を襲った阪神淡路大震災は6434名の尊い命と、インフラや日常の生活基盤に甚大な被害を与えました、灘五郷の酒蔵もまた同様。
こと酒蔵に限れば表向き何事もなかったかのように復興し、灘の酒造りを見ることが出来ました。
当地の酒蔵や出逢った神社には震災の爪痕を残すものも見られました。

初日は西郷、御影郷、魚崎郷の酒蔵を訪れた後、阪神本線大石駅から三宮で神戸電鉄有馬線に乗り換え今夜の宿有馬温泉に移動しました。

大石駅から有馬温泉駅まで乗り継ぎが良ければ1時間ほどの移動時間。

有馬温泉駅、若かりし頃には社員全員で旅行する文化があり、半ば強制参加の社員旅行が全盛の時代で、有馬温泉にも訪れた記憶があります、今となっては当時何処に宿泊したのか覚えてはいませんが。
時代も変わり、そうしたイベントも姿を変え旅館にしても、そうした時代の大宴会場は形態を変え、今では○○会社御一行様にお目にかかる機会はなくなったように思う。

駅に降り立ち、ここから宿までは南方向の炭酸泉源公園を目指し湯本坂を上っていきます。

湯本坂の途中で見かけた妬(うわなり)の湯と社。
間欠泉で今は湧出しないようですが、江戸時代には盛んに活動していたようです。
当時の地誌にうわなりの湯について記述があるようで、着飾った女性が温泉の前に立つと嫉妬して湯を激しく吹き上げ、自分の醜い心や、悪口を並べ立てても吹き上げて止まらなくなるという。
社の正体は分かりませんが温泉の神さまが祀られているのかもしれない。

電柱の前の飛び出し注意?看板、少年の顔が強烈に印象に残った。
この少年の看板の右に上に続く小路があり、そこを進むと嫉妬深い妬泉源塔が見えてきます。

妬泉源塔。
今は鎮まっていますが、ひょっとしてひょっとするかも。
再びあの不気味な飛び出しおじさんの看板に戻り、たんさん坂方面へ。

坂を上った左の炭酸泉源公園。
台地から勢いよく炭酸泉が噴き出し、昔は温泉に砂糖を溶かしサイダーとして飲まれていた。
古くは毒水と呼ばれ近づくものすらいなかった云う、その湯が炭酸泉として検定を合格し認知される様になったのは明治6年と新しい。
飲適なんだろう、紙コップが置かれ味わってみたが、……僅かに鉄分と炭酸を感じる生温い湯。
宿はこの目の前、チェックインを済ませ一杯飲みたい、やはり冷えたビールが一番。

有馬六彩。
ホテル入口まではたんさん坂を更に上った先となり、こちらからエレベーターを乗り継ぎロビーへ。
傾斜地にあるため致し方ないのか。

ホテル正面。
有馬温泉駅から送迎車も出ていますので歩くのが苦手な向きはそちらの利用が正解です。
坂しかありません。

入口はガラスのない真っ黒の二枚扉、自動扉なんだがメガネを付けていないのでどこが扉なのか分かりづらい。
普通スタッフが入口に一人やそこらいるものなんだが。

扉の先は直ぐに右に曲げられロビーに続く、通路にはガラスが入れられ外が見えるのだが。入口の扉はしっくりこないものがある。

ロビー全景。

正面テラスに水盤があり温泉街を見渡す事が出来る。

客室通路は全体的に照明落し過ぎで自分には暗く感じた。

客室。
可もなく不可もなく。

眺望。
日中はあれだけ天気も良く暑かったが、空は今にも泣きだしそう。
まずは偵察のため大浴場で汗を流す、大浴場は内湯の銀湯と露天風呂の金湯の二つの湯舟があり、どちらも濃さの違いはあるものの茶色の湯。
効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩という事で五十肩のかみさんには良さそうだ。
かみさんに報告、私服のまま浴場に向かっていった。
このホテルは客室と浴場は浴衣のまま移動できるが、それ以外の食事やロビーで新聞読みたいと思っても着替えなくてはならず、結構面倒くさい。

その間、部屋のベランダで涼みながら冷たいビールを飲みながら一休み。

夕食はバイキング。
適当に種類も豊富で、どこぞのホテルより質は良かった。

何処に行っても刺身か寿司が美味しければ事足りるが、デザートやフルーツは種類があまりないようで、かみさんは多少物足りなかったようです。
昼間に酒を結構飲んだこともあり、珍しくビールだけで酒まで辿り着けなかった。

翌早朝、ホテル南の有馬稲荷神社を訪れた。
この写真をかみさんに送り朝散歩に誘ったが、この石段を見て「頑張ってね」の返事。
ゴールの見えない石段は起き掛けの体にはきついものがあったが、上まで登ってきました。
ひと汗かいてホテルに戻り、朝風呂に浸かり朝食の後宿を後にする。
今日の予定は温泉街の土産物屋や社寺を訪れ、その後西宮郷の酒蔵を訪れます。

有馬六彩の印象。
施設自体に不満はなく、スタッフも大勢いると思われますが、館内やホールで接する事がなくチョットした事を尋ねたくても着替えてフロントを尋ねる事に不便を感じた。
インバウンド需要で宿泊単価はどんどん上がっていますが、国内の利用者の多くは価格に見合う施設やサービスなのかに重きを置く様になり、別の選択肢を探す様になります。
こちらを再訪するかと問われれば、優待券があって当地に目的があれば再訪するかもしれない。

有馬六彩
所在地 / ​兵庫県神戸市北区有馬町341-1
大石駅から神戸三宮駅乗り換え、有馬温泉駅 / ​約1時間
有馬温泉駅から六彩まで徒歩 / ​約20分程