小さな社が佇む町の光景は姿を変えた

上野天満宮御旅所
2019/2/10に掲載予定だっただが下書きに残ったまま公開されていないのに気がつき、今更ですが掲載する事にします。
そもそも、つい最近この御旅所の前を通りかかった際、この御旅所が取り壊されている真っ最中。
このまま記憶から消え去るのもどうなんだろう、取り壊される前の姿を留める事にしました。
以下は2019年掲載予定だった記事、記事の下に最近取り壊される際の姿とその後の写真を添えてあります。



名古屋市千種区赤坂町
上野天満宮御旅所、久しぶりに近くを通りかかったので再訪してみました
2017年上野天満宮清明殿が建立され、それと共に境内施設の一部が建て替わりました
これを機会にもう一度再訪して行く事にします

今回は上野天満宮御旅所
多少周辺の住宅に変化はあるものの、御旅所のある西方向の眺めは変わっていないようです

通り沿いのコンビニ敷地の片隅にフェンスで囲われた一画
その中に玉垣で囲われ御旅所が建っています、以前はコンビニも含めた敷地全体が森に囲われた社だった

朝陽に照らされた御旅所、コンビニ駐車場からの全景。

これまで御旅所の狛犬の面々を撮り忘れていたので改めて掲載します

御祭神は本宮御分霊
毎年10月25日の上野天満宮の例祭後、御祭神である菅原道真公が本宮から別宮(御旅所)までお渡りになる神幸祭が行われ、その日以外は本宮におみえで、こちらにはおみえになりません
なのでこちらに賽銭箱は置かれません
所在地 / ​名古屋市千種区赤坂町1-38


以下が2023年10月撮影の御旅所。

もともと玉垣狛犬、基壇とその上の社の小規模なもの。
こんな重機の手に掛かればみるみる姿は消えていく。
ここには小型ですが流造の脇障子まで付いた社があったが、その前には一対の小さな狛犬もいたはずだが見かけた時には姿はなく。

近付いて中を覗き込む、そこには狛犬が纏められていた。
それまでは御旅所を訪れる人を見据えていた狛犬、こうして並んで置かれている姿は妙に寂し気。
狛犬の目線はお互いを見つめ合い、ゆくすえを案じどことなく不安な表情に見えてしかたがない。

後日、再び訪れると御旅所のあった場所は綺麗に舗装され、駐車場に変貌し跡形もなくなっていた。

子供の頃この辺りで育ち、この場所に杜と鳥居を構えた社殿があった頃から知っていただけに、杜も社殿も姿を消し、いつしかコンビニ駐車場角の小さな御旅所に変わり、それも遂には姿を消した。

駐車余地を減らすだけで御旅所の存在はメリットのないものでしかない。

これで何年か過ぎればそれすらも記憶から消えていくのだろう。
そう思うと掲載忘れのこの記事は、是非とも掲載しておこうと思うと同時に、御旅所や狛犬のその後に付いても調べてみたい。

子供の頃慣れ親しんだ杜や神社は、2023年町の光景から完全に姿を消した。

2023/10月某日