​丹羽郡大口町『秋田 神明社』

前回掲載した金刀比羅社から東へ、一筋目を左折したその先に鎮座するのが秋田 神明社
金刀比羅社からだと2分程の場所になる。

写真は鎮座地南から北側の社地全景。
鎮座地周辺は田畑が多く残り、隣家とは余裕をもって建てられた民家が点在する長閑な住宅地。

明治から現在までの地図には秋田 神明社は一度も現れてこないが、Gマップ上では鎮座地は示されています。
祭神は天照大御神で、神社の由緒・創建時期など詳細は良く分からなかった。

社殿は南向きに建てられ、石の明神鳥居と左に木造の朱の鳥居を構えています。
前回に引き続き大口村史から秋田 神明社を探すと以下内容が確認できた。

神明社
大字秋田字宮東86番地。
 長桜の郷の端に鎮座し、祭神は天照大神
兵火にあい、勧請年月は詳らかではないが、当字鈴木鈴木一族10戸の氏神として崇敬が篤かったが、近来長桜字民全部の信仰するところとなり、昭和8年(1933)拝殿は改築された。
 正徳5年(1510)9月再建の棟札があるので、それ以前の創立であることが分かる。
氏子28戸。
 境内社は稲荷社。
祭神は猿田彦神、大宮比咩神。
 境内の建物 神明造亜鉛葺。
拝殿切妻瓦葺、二間に一間二尺」
とあり、稲荷社は創建時期は不明ですが、伏見稲荷の中社・上社の祭神が勧請されたようです。
 村史編纂当時の社殿配置から稲荷社の配置を見ると、現在拝殿の左にありますが、当時は右側にあったようです。
拝殿左の観音堂は当時から現在まで動いていないようです。
 村史の編纂時期が昭和37年(1962)なので、それ以降も一度手が入れられ、その際に現在の配置になったようです。

神社東側から見た神明社社殿。

手前の神明社は一対の狛犬が安置され、石組みで一段高く盛られた本殿域に板宮造りの社が祀られています。内削ぎの置千木と5本の鰹木が付く。

南向きの鳥居をくぐって木造の拝殿から本殿方向の眺め。
素朴な外観は、身近な村の神さまの趣が漂う。

狛犬(寄進年未確認)と本殿。

拝殿西から見る稲荷社(左)、神明社

稲荷社全景。
周囲に狐の姿は見かけられなかった。

拝殿左の観音堂
内部には一体の石の観音像が安置されていました。

像の光背右に不鮮明ですが寛政2年(1790)と刻まれていた。
当所から此処に祀られていたものか、周辺からこちらに祀られたものかは定かではないが、長い年月を経ていながら像に大きな傷みは見られません。

神明社
創建 / 正徳5年(1510)9月再建
祭神 / 天照大神
境内社 / 稲荷社
祭神 / 猿田彦神、大宮比咩神
所在地 / 愛知県丹羽郡大口町秋田3-69
参拝日 / 2024/01/26
金刀比羅社から神明社 / ​東に向かい一つ目を左折直進左側・徒歩2分
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